- ルドベキア・ヒルタは北アメリカに自生するキク科の多年草です。日本では荒毛反魂草(あらげはんごんそう)と呼ばれ、日本全国で自生しています。
学名の種小名hirtaは「毛深い」を意味し、葉や茎に毛があることに由来します。
黄色、オレンジ、赤、茶系、グリーンなど色合いが豊富で、シックなアンティークカラーのものも多く、同じ品種でも個体差があるものもあります。夏の入り口から秋深くまでたくさんの花が開花し、切り花やドライフラワーにもなり、生花としての流通も年々増えています。
園芸品種が豊富にあり、毎年のように新品種が作出されています。一・二年草として扱われることが多いのは、霜などに弱く越冬できないことが多いことからのようです。寿命としては短命な宿根草として考えたほうがよいかもしれません。ただし、最近作出された園芸品種の中には耐寒性を強くした品種が登場しています。
- ルドベキア・タカオはルドベキア・トリロバの園芸品種で、夏から秋に無数の黄色い花が開花する多年草です。その見た目からBrown-eyed Susanという英名があります。多年草の中では短命な部類のため二年草とされることもありますが、こぼれ種で増えていくほど繁殖力は旺盛です。
ルドベキアの中でも分枝性に優れ、小輪の花が無数に開花し、真夏も休みなく咲き続けます。花は小輪ですが高性なので、大株になると存在感があります。こぼれ種でも増えていくので、親株がどれなのかがわからなくなるほどです。
真夏も休みなく咲き続け、強い日差しでも葉焼けすることがないため、温暖地の夏の庭にもうってつけの草花です。
- ルドベキアは、北アメリカが原産のキク科の草花です。種類によって一年草のものと多年草のものがあります。6月下旬ごろから開花が始まり、晩秋まで開花し続けます。別名マツカサギクと呼ばれ、花が終わると花芯が円柱状に伸び、まるで松かさのように見えることから名づけられました。なお、ルドベキア・ラシニアタ(学名Rudbeckia laciniata・和名オオハンゴンソウ)は、繁殖力の強さから特定外来生物に指定されています。
品種が豊富で、近年、新品種が続々と作出されています。一重咲きのほか八重咲きやストローのような細い筒状の花弁のものなど咲き方が豊富です。
花色は黄色をはじめ、オレンジ、赤などの発色の良いものから、チョコレート色やアンティークカラーなどのニュアンスのある複色もあり、最近はグリーン色も登場しています。
品種によって草丈が40~150cmと幅があるので、用途に応じて使い分けられています。いずれも夏の暑さに強く、ワンシーズンでたくさんの花が開花するため、夏から秋の庭に植えると華やかな存在になります。丈夫で育てやすく、花期も長いので群植すると見ごたえがあります。
一年草は晩秋で寿命が終わりますが、宿根草のルドベキアは一度植え付けると植えっぱなしで毎年開花し、花数は年々増えます。
- ルドベキア・マキシマは、夏に草丈2m前後に伸びた頂点に黄色い花が咲く原種のルドベキアの一種です。暑さ、寒さに強く、土質も選ばない丈夫な性質で、植えっぱなしで毎年開花します。
春になると葉が芽吹き、青みを帯びたシルバーグリーンの大きな葉はタワー状に生長します。花弁は咲き進むと反り返り、花弁が落ちた後もコーン状の花芯の部分が残ります。
目線より高いところで咲くユニークなフォルムの花も魅力的ですが、葉の美しさも素晴らしく、花がない時期でもカラーリーフとして大きな役割をしてくれます。大きな葉は主に草丈の下部分の3/4程度につき、花付近の葉は小さく少なくなります。花は切り花としても楽しむことができます。
- ピクシーデライトはルピナスの園芸品種で、矮性種のルピナスです。春から初夏にかけて、ブルー、ピンク、白の穂状の花穂を立ち上げ、下から上に順に咲き進みます。花にはほんのりと優しい香りがします。ルピナスは本来は多年草ですが、日本のような暑さを嫌うため、一年草として扱われています。
矮性で生長しても40cm程度に収まるため、庭や花壇、寄せ植えなどに幅広く利用できます。花がらをこまめに摘み取ると、次から次へと花が開花し、花は切り花としても楽しむことができます。
- ルナリアは、春から初夏にかけて紫や白い花を咲かせるアブラナ科の二年草。秋にまくと、開花するまでには二年かかります。花はアブラナ科の花に多い、十字型の花を多数咲かせます。
ルナリアは花後に実る種のサヤの形がユニークで、庭や花壇に植栽すると、花の時期と果実の時期では雰囲気ががらりと変わり、植栽として面白い存在になります。サヤは、最初は楕円で徐々に丸くなり、うちわのような形になります。平べったい形で、平均して4~6個程度の種が入り、外側からでも種の数が確認できます。種がはじけたあとの光沢のあるサヤの仕切りは、日持ちのするドライフラワーになり、白い色の「晒しルナリア」や染色されたものが流通しています。
学名のLunariaは、ラテン語の月を意味するlunaに由来し、丸いサヤの形を月に例えたことによります。和名の合田草は、ルナリアの種をパリから日本に初めて持ち帰った、木版画家の合田清氏の苗字にちなみます。
- ルピナスは秋に種をまき、翌年または翌々年の春に花を楽しむ一、二年草です。ルピナスの花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、白など様々。冷涼で乾燥した気候を好むので、蒸し暑い日本ではほんとんどが一年草になりますが、原産地など気候があう場所では多年草とされています。日本でも冷涼な北海道ではルピナスの群生が観光名所となっているも場所もあります。
品種によっては1m以上に育つこともあり、空に向かって長く伸ばした花茎に鈴なりの花をつけます。ルピナスは、藤(ふじ)に似た花が上向きに咲くことから、「ノボリフジ(登り藤)」「サカサフジ(逆さ藤)」の別名もあります。また、葉の形がうちわに似ているので「ハウチワマメ(葉団扇豆)」と呼ばれることも。ルピナスはマメ科の植物なので、花の後は枝豆によく似たサヤが育ちます。同じくマメ科の植物特有の根粒菌を根に付着させているので土壌が肥沃になります。
- ルエリア・ブラックビューティーは、暑さに強い多年草です。熱帯地域原産の草花なので、夏の暑さには強く生長は旺盛です。
ただし耐寒性が8℃位なので露地での越冬は難しい草花です。ルエリア・ブラックビューティーの魅力は黒に近いダークカラーの葉の色で、カラーリーフとしても利用できます。花は夏に薄紫色の花がたくさん開花しますが、それぞれの花は一日花です。
- ルリオダマキはオダマキ属の一種で主に学名の由来にもなっている通りシベリア地方に分布しています。花色や草丈に変異が多くいのが特徴です。日本の千島列島由来のルリオダマキはミヤマオダマキよりも小型の草丈で、濃い瑠璃色もしくは赤紫色の花が咲きます。高山植物ではありますが、昔から親しまれている山野草の一つで、他の高山植物と比べて比較的育てやすく、あまりに気温が高い地域でなければ育てることが可能です。
- エキノプスは地中海沿岸の半常緑の多年草です。エキノプスの中でもEchinops ritroは、ルリタマアザミという名前で流通しており、園芸品種も多く出回っています。真直ぐに伸びた茎の上に丸いボール状の花を咲かせます。その花色が深い紫がかった青であることから、ルリ(瑠璃)タマアザミという名前がついたようです。アザミと呼ばれていますが、アザミではありません。同じキク科のヒゴタイ属になります。
深い青をした花色も、少し銀色がかった葉と茎も、微妙なニュアンスの配色が美しい植物です。丸い花は小さなお花の集合体で、ひとつひとつの小花が開いていくと、また違った青を楽しめるところも魅力です。