映画『ちはやふる』でおなじみ!写真で見る百人一首の植物【下巻】

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写真で見る百人一首の植物、【上巻】【中巻】はお楽しみいただけましたか?今回はいよいよ最終回です。今回も【上巻】【中巻】で見られた植物が場面を変えて登場します。お楽しみください。

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おさらい:百人一首とは

「百人一首」とは、呼んで字のごとく100人の優れた歌人の歌を一首ずつ選んだ歌集です。歌を選定した人物には諸説ありますが、藤原定家だと言われています。なじみ深い「小倉百人一首」の名前は小倉山にある定家の山荘のふすまの色紙に歌が書きつけられていたことから生まれたそうです。

 

百人一首のなかの植物

※番号は百人一首の歌番号です

もみじ

69.あらしふく 三室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり

詠み人:能因法師

▼山のもみじが嵐に吹かれて竜田川に落ち、水面を錦のように彩っている……という、なんとも絢爛豪華な歌です
Taken at Kyoto

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稲・芦(アシ)

71.夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く

詠み人:大納言経信

夕方に門前の稲穂が風に吹かれて音をたて、芦でできた屋根に秋風が吹きこむよ……という、実りの秋の涼しげな風景を詠っています

 

73.高砂の をのへの桜 咲きにけり 外山のかすみ たたずもあらなむ

詠み人:前中納言匡房

「遠くの山の桜が咲いているので、近くの山には霞がかからないでほしい」と願っています

 

さしも草(ヨモギ)

75.ちぎりおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり

詠み人:藤原基俊

「さしも草」とはヨモギのこと。当時は薬として用いられていました。ヨモギの露のようにありがたい約束をもらったはずなのに、約束が果たされないまま秋が終わってしまいます……というような意味で

 

槙(まき)

87.村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ

詠み人:寂蓮法師

にわか雨のあと、まだ露の残っている木々の茂みから、霧が立ち込めている……そんな幻想的な風景です
Dark clouds over evergreen forest in fog. Find more in

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芦(アシ)

88.難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

詠み人:皇嘉門院別当

芦の短い一節と、恋人に会った短い一夜のことを重ねています

96.花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

詠み人:入道前太政大臣

桜の咲く様子は、詠み人自身や社会の様子のたとえに用いられることが多いようです。桜が満開ならば勢いがある様、この歌のように「ふりゆく(=散りゆく)」と読まれれば、衰退してゆく様が描かれていることがわかりますね

楢(なら)

98.風そよぐ ならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける

詠み人:従二位家隆

「なら」は小川の名前と、風にそよぐ楢のダブルミーニング。涼しげな情景だけど、まだまだ夏だなぁ……と詠っています

 

しのぶ草

100.ももしきや ふるき軒ばの しのぶにも なほあまりある 昔なりけり

詠み人:順徳院

しのぶ草とはノキシノブのこと。当時は幕府側の力が強まり、順徳院を含む朝廷側の権威は弱まっていました。宮中にしのぶ草が生えている様子を、衰えていく朝廷の威光に重ね合わせています。

 

いかがでしたか?

これにて、写真で見る百人一首の植物は終了です。和歌の世界では植物はただ愛でるだけではなく、人や社会の様子を表現するための記号であり、情感豊かに歌の背景を描くものであるのだとわかります。桜が咲く様子に都の盛りを重ね、散る姿を見て我が身の衰えを感じ、笹や芦のある物悲しい風景を恋人に会えない寂しさになぞらえる……。そんな雅な植物の感じ方を、私たちもまた、忘れたくないものですね。

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