庭師 村雨辰剛 | 庭師になった理由や日本の歴史や文化を後世に残していきたい想い

LOVEGREEN編集部

LOVEGREEN編集部

7627views
公開日 :
Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

■名前:村雨辰剛
■職業: 庭師
■出身地: スウェーデン
■活動拠点:千葉

 

自己紹介をお願いします。

北欧のスウェーデン南部地方の出身です。

子どもの頃から、出来るだけ独自の文化がある海外に行ってみたいと思っていました。

色々調べ、日本の島国独特の文化に興味を持ち、16歳の時ホームステイで2か月滞在しました。その時の印象から日本に住みたい気持ちが増し、19歳から本格的に日本へ来ました。

日本に来てからは、22歳まで語学関係の仕事をし、その後庭師修行を経て現在はthe Farm UNIVERSALで庭師として勤務しています。

好きな植物は松竹梅で、特に黒松が大好きです。剪定技術や業界用語も松に対してだけ色んなものがありますし、植物の中の「王様」だと僕は思っています。

最近だと塊根植物も好きですね。先日亀甲竜を購入したんですが、これも松に少し形が似ているから好きなんだと思います。

 

日本に来て、庭師という仕事を選んだ理由を教えてください。

最初は植物が好きというよりも、「日本の文化そのもの」が好きでした。

その中の一つ、徒弟制度(とていせいど)というものにも興味があり造園屋に弟子入りをしたのが最初です。スウェーデンにはこういった制度はあまりありません。

そこで仕事をしていく内に、「一生続けていきたい」と思うようになりました。日本の美意識や感覚を勉強したかったので、毎回行く現場で違う日本庭園を見て、そういったものを学ぶことがやりがいでした。

夏は熱中症で病院に運ばれたり、蜂に刺されたり大変なこともありましたが、やりがいが大きかったので続けることができましたね。

長い歴史の中で極められた技術を、植物に「与える」というのでしょうか。そういう西洋とは全く違う日本独特の考え方が興味深かったです。

 

村雨さんが思う、スウェーデンと日本のお庭や植栽に関する一番の違いは何でしょうか。

日本庭園は鑑賞する「アート」のようなもので、西洋の庭園はパーティーをしたりする「人の居場所」的な意味合いが強いと思います。

一つの場所から庭を見て、ここにポイントを置かなければならないとか、借景のことも考えて作らなければならないとか、日本庭園は決まりが多いです。

西洋はそうではなくて、自分が気持ちいが良いように好きに作っていくことが多いですね。

 

親方の下での庭師修行から、the Farm UNIVERSALで働くようになったのはなぜですか?

現在日本庭園の新規需要は残念ながらあまりなく、修行中も0から作ったのは1、2件くらいでした。あとは既存の庭園の管理、むしろ解体することが多かったです。

そういう管理の仕事しかしていなかったので、もっと庭師として設計や構造が考えられるようにならないと成長できないなと思いました。

そこで、幅広く造園全般を勉強できるところを探し、2017年4月からthe Farm UNIVERSAL CHIBAで働き始めました。

 

現在はこちらでどういったお仕事をされていますか?

今は相談に来てくださったお客様のプランを作ったりするデスクワークと、現場での施工・管理の外仕事が半々くらいです。

あとはこの店舗の植栽の剪定も行っています。

 

どういった相談を受けることが多いですか?

やはり新築でおうちを建てられて、すこし植栽を取り入れたいけれど、どういった植物がいいか分からない、というご相談が一番多いですね。

修業時代とやっている仕事は少し違いますが、植物の本質や植栽の技術自体は変わらないので、学んだことが役立っています。

 

印象深かった仕事はありますか。

立派な松があるお庭付きの住宅を、中古で買ったお客様からの相談でしょうか。

当初その方は、特別松に思い入れがあるわけではなく、お庭は洋風にしたいとの要望でした。

確かに松は管理に手間暇がかかり大変なのですが、この松はとても素晴らしい松であることを伝えたところ、和と洋が共存するお庭のプランに決定していただきました。

僕が一番やっていきたいのは、日本のそういったいいものや文化を残していくことなので、想いが伝わって嬉しかったですね。

 

これから取り組んでいきたいことや夢などがあれば教えて下さい。

まずは一通り造園の仕事を全て覚えたいです。修行時代の6年間は木としか接していなかったので(笑)、お客様の要望を聞くことも、こちらに勤めてから初めて経験したことでした。

少しずつそういうことも覚えて、とにかく今は自分を成長させたいです。今は周りのサポートもあり、自分で考えて仕事ができます。納得できるレベルになったら、将来的に日本の造園業界でもっと大きな力になれればと思います。

 

最後に、読者へ一言お願いします。

暮らし全般に言えるのですが、ぜひ海外へ出てみて下さい。先日7年ぶりにスウェーデンに帰ったのですが、日本庭園について学んだ今と昔ではモノの見方が全く違っていて面白かったです。

一度今いる場所から離れてみると、遠くの珍しいものだけを求めるのではなく、身近にあったものの素晴らしさに気づきます。

日本にある植物や庭園でも「こんなに貴重なものなんだ」と良さが分かるはずです。なるべく客観的な視点を持って、外から見つめてみるということが大事だと思います。

 

――村雨さん、ありがとうございました。

村雨さんからお話を伺っていて、本当に日本の文化を愛し、日本庭園を愛しているということがひしひしと伝わってきました。現在新規需要が減ってきている日本庭園ですが、日本庭園には日本独自の美しい文化や考え方が詰まっていると思います。そんな日本庭園を無くしてしまわないようにしていきたいですね。

 

関連記事

 

「庭師 村雨辰剛 | 庭師になった理由や日本の歴史や文化を後世に残していきたい想い」の記事をみんなにも教えてあげよう♪

LINE@
LOVEGREEN編集部
LOVEGREEN編集部

LOVEGREEN(ラブグリーン)の編集部アカウントです。育て方の記事や、編集部としての取材記事やオフィシャル情報などを配信。