月桂樹(ローリエ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
月桂樹(ローリエ)
学名

Laurus nobilis

英名
Laurel
和名
月桂樹(ゲッケイジュ)
別名・流通名
ローリエ、ローレル、ベイ、ベイリーフ
科名
クスノキ科
属名
ゲッケイジュ属
原産地
地中海沿岸

月桂樹(ローリエ)の特徴

月桂樹(ローリエ)は、地中海沿岸が原産のクスノキ科の常緑高木です。丈夫で育てやすく、耐陰性もあり、刈り込みにも耐えることから、庭木や生垣、公園樹として植えられています。

月桂樹(ローリエ)の葉には、清涼感のある爽やかさと甘さを感じる香りがあります。ハーブとしてはローリエやローレルの名で呼ばれ、スパイスとして流通し、さまざまな料理の香りづけや臭み消しに利用されています。また、葉には消化促進、食欲増進、肩こりや関節痛などの炎症の緩和、血流促進、防虫など、さまざまな効果や効能があり、ヨーロッパでは古くから薬草としても利用されています。

月桂樹(ローリエ)は雌雄異株ですが、日本で見かけるのは雄株が多いようです。春にクリーム色の花を咲かせ、雌株は秋に紫色の8~10ミリくらいの実をつけます。自然樹形で育てると10m近くになる高木ですが、刈り込みが自由にできるので鉢植えで栽培することも可能です。最近は「スタンダード仕立て」と呼ばれる、枝を刈り込んでトピアリーのように仕立て、観賞用として仕立てられた月桂樹(ローリエ)も見かけます。

 

月桂樹(ローリエ)の詳細情報

園芸分類 庭木、常緑
草丈・樹高 10~15m
耐寒性 普通
耐暑性 強い
花色 クリーム色
開花時期 4月~5月

月桂樹(ローリエ)の花言葉

月桂冠の始まり

勝者に月桂樹(ローリエ)の冠が贈られるようになったのは、古代ギリシャのお祭りのピューティア祭の名誉ある勝者に贈られたのがきっかけです。ピューティア祭は、デルポイという聖地に全ギリシアから市民が訪れて開催されたアポロン神の祭儀です。アポロンを称えるために芸術分野の音楽と詩歌の創作競技や楽器の演奏、演劇に加えて各種の運動競技が行われるようになりました。これらの数々の競技の優勝者にアポロンの聖樹である月桂樹(ローリエ)の葉で飾られた冠が贈られました。月桂冠は現在も「勝利」や「名誉」の象徴とされ、ノーベル賞受賞者は「Nobel Laureates 」と呼ばれています。

 

月桂樹(ローリエ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花

月桂樹(ローリエ)の栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、明るい日陰でも育ちます。地中海沿岸が原産の植物のため、地植えが可能なのは関東以西の暖地エリアです。冬の寒風には注意しましょう。

用土

特に土質は選びませんが、水はけの良い肥沃な土壌を好みます。

鉢植えは、花木用やハーブ用の培養土で栽培可能です。

月桂樹(ローリエ)の育て方のポイント

水やり

根付いてからはほとんど水やりの必要はありません。

鉢植えの月桂樹(ローリエ)は、鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

肥料

2月に寒肥えとして緩効性肥料を株元から少し離れた場所に穴を掘り埋めておきます。

鉢植えは緩効性肥料を3月に株元に置きます。

病害虫

月桂樹(ローリエ)はカイガラムシがつきやすいので被害が広がらないうちに見つけて防除しましょう。またカイガラムシの排泄物によって黒いすす病が発生する事があります。

枝が混みあい風通しが悪くなると発生しやすくなるので、風通しの良い株にすることを心がけましょう。

月桂樹(ローリエ)の詳しい育て方

選び方

病害虫の被害がない、葉の色がきれいで、幹や枝が充実している苗木を選びましょう。雌雄異株で流通は雄株が多いですが、雌株も若干流通しています。ただし、雄雌の区別をつけて販売されることはほぼありません。

植え付け

春と秋が植え付け・植え替えの適時です。

月桂樹(ローリエ)は、地植えでも鉢植えでも栽培可能です。地植えにする場合は、最終樹高が10mを超えることを考えた場所に植え付けましょう。(ただし、剪定により低めに仕立てることは可能です)

根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。

植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。

苗木はポット苗のサイズから流通しています。若い木をいきなり地に下ろしても根付かないことがあります。2~3年は鉢植えで育て、少しずつ鉢を大きくしながら苗木を大きくしてから地に下ろしましょう。

仕立て方

月桂樹という植物の基本情報です。 月桂樹 科名:クスノキ科 学名:laurus nobilis 分類:常緑中高木 原産地:地中海沿岸 原産地は地中海沿岸ですが、日本の気候でもよく育ちます。庭植えでも鉢植えでも管理できます。常緑で背も高くなるので目隠しとしても活用できます。 日当たりの良いところでは非常に生育旺盛ですので、伸びすぎたら剪定をしてください。花や結実を楽しむ種類の樹木ではありませんので、剪定の時期にはこだわらなくていいでしょう。トピアリー仕立てにしても楽しめます。 日当たりの悪い場所でも育ちますが、病害虫の被害に合わないよう枝の整理をし、風通し良く管理するようにしましょう。

月桂樹(ローリエ)は刈り込みに耐える性質があります。

自然樹形以外に「スタンダード仕立て」といって、トピアリーのように丸く刈り込み、下の枝はすべて剪定し、草花と寄せ植え風にして、見た目をおしゃれに仕立てることもできます。

剪定・切り戻し

月桂樹(ローリエ)は、刈り込みに堪える植物なので、丈や樹形を自由にデザインできます。

庭木としては通常は刈り込んで形を整えます。剪定の時期は真冬以外ならいつでも剪定可能です。刈り込まないと鬱蒼としてくるので、混みあった部分は間引き剪定をしましょう。剪定をすると風通しが良い株になるため病害虫の予防にもなります。

植え替え・鉢替え

鉢植えは、根が詰まって生育が悪くなってきたら、1~2回り程度大きな鉢に植え替えます。植え替えを嫌う植物なので根をいじらないように気を付けましょう。

4月~5月にクリーム色の花が開花します。雌株は秋に紫色の8~10ミリくらいの実をつけます。

ゲッケイジュのつぼみ

3月上旬 月桂樹(ゲッケイジュ)のつぼみ

収穫

月桂樹(ローリエ)は常緑樹なので、いつでも収穫することができます。ただし、春に新しく出た新芽は柔らかく、乾燥させると葉が黒くなってしまうことがあります。収穫するのはしっかりと厚みがある葉を収穫しましょう。それぞれの料理には1枚入れれば十分です。収穫した葉は、料理の香りづけ、肉料理などの臭み消し、オリーブオイルなどへの香りづけ、ピクルスのハーブとしてなど、さまざまな料理に利用されています。

▼月桂樹(ローリエ)の使い方をご紹介しています

 

月桂樹(ローリエ)の乾燥方法

ローリエ

収穫した月桂樹(ローリエ)を、ひと洗いして水気を取り去ってから、風通しの良い場所で乾燥させます。湿気の多い時期に乾燥させるとカビが出たりするので、天気が安定している湿度が低めの時期に作るとよいでしょう。

葉がパリパリになったら出来上がりの目安で、平均して1~2週間で出来上がります。出来上がったら瓶に食品用乾燥材を入れるか、密閉袋などに入れて保存します。

冬越し

月桂樹(ローリエ)の耐寒温度は-8℃程度です。暖地が原産の植物なので、寒風の通り道のなるような場所に鉢を置くのは避けましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し木で増やすことができます。

月桂樹(ローリエ)の使い方|フレッシュとドライの違い

月桂樹(ローリエ)に限らず、ハーブの葉はフレッシュとドライでは、香りや風味がまったく変わります。月桂樹(ローリエ)は、乾燥した葉を使うのが一般的です。ただしフレッシュで使うのが間違いということではありません。乾燥させると苦みがなくなりマイルドになるので、長時間煮込むような料理には、乾燥したものを使います。フレッシュは、長時間煮込むと灰汁が出て苦みが強くなるので、料理によって使い分けるとよいでしょう。

「おいしい」や「いい香り」など、五感を通じて判断することは、人によっての感じ方も違い、季節や日々の体調などによっても違います。まずは試してみて、自分の「好き」を見つけることをおすすめします。

ちなみにお店でスパイスとして売っている月桂樹(ローリエ)は、流通や日持ち、保存の観点からか、乾燥させた月桂樹(ローリエ)がほとんどです。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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