トネリコとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
トネリコ
学名

Fraxinus japonica

英名
Japanese ash
科名
モクセイ科
属名
トネリコ属
原産地
日本

トネリコの特徴

トネリコは、本州に分布する半落葉高木です。樹高は15mに達し、幹が立ち、斜めに大きく枝を伸ばして半円状の樹冠をつくります。
山地の湿地に生えるほか材として利用するため田んぼの畦に植えられることもあります。樹皮はなめらかで、葉は羽状複葉で長さ25~30cm。生長が早く、春に萌芽し新梢を出したら葉が開ききらないうちにその先に花冠のない小さな花を咲かせます。雌雄異株で長さ3~4cmの果実はプロペラ型をしており、晩夏に熟して褐色になり乾いて散ります。公園に緑陰樹として植えられています。また野球のバットの優れた材料としても利用されています。

トネリコの詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 15mほどまで育ちます。
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 薄緑
開花時期 5~6

トネリコの種類

シマトネリコ

東南アジア原産の常緑樹で半日陰にも耐えるため観葉植物としても流通しています。また非常に性質が丈夫なので街路樹や庭木のシンボルツリーとしても人気があります。

セイヨウトネリコ

ヨーロッパ全土に自生していてトネリコよりも葉が細く、森のヴィーナスとも称されます。古代からヨーロッパの北部では火、雷、雲等に結ばれた神聖な木とされています。北欧神話では神々がこの木に息を吹きかけて人間を作ったともいわれています。

アメリカトネリコ

ホワイトアッシュという別名があり加工して材としても利用されます。

トネリコの名前の由来

トネリコの名前の由来はいくつかあり、ひとつはトモネリコ(共練り濃)が転訛したもので、昔この木の皮を煮てニカワ状にし、墨を混ぜて練ったものを写経を書くときの墨に使ったことからつけられました。もう一説にはトネリコの樹皮に付くロウムシが分泌する蝋物質を戸に塗ると滑りが良くなることから「戸塗り木」が転じてトネリコになった、というものです。漢字で秦皮とかくのはこの木の皮のことで薬にしたりにかわの代わりに使ったりしていました。

トネリコの材としての利用

新潟県や富山県ではトネリコは水田の水路沿いに植えられて、稲刈りの後に稲穂を干しておくための稲架け(はさかけ、はさ木ともいう)として使用されていました。そのためトネリコのことを「ハサ」と呼ぶ場合もあります。トネリコは材としては緻密で弾性があり、農具などの器具材としてのほかに野球のバットの材料としても知られています。

トネリコの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
開花

トネリコの栽培環境

日当たり・置き場所

トネリコは日向を好む植物です。日陰には耐えますが乾きにくい場所を選んで植えるのがよいでしょう。

用土

トネリコはあまり土壌をえらびません。鉢植えのトネリコは培養土で問題なく育ちます。水はけの良い土を好みます。

トネリコの育て方のポイント

水やり

地植えのトネリコは、根づいてからは水やりの心配はいりません。夏期の高温乾燥が続いた時は、たっぷりと与えます。

肥料

トネリコは痩せ地でも育つ強健種です。過肥の必要はありません。

病害虫

目立った病害虫の被害はありません。

トネリコの詳しい育て方

選び方

幹が太く枝ぶりのしっかりとしているもの、根が乾きすぎていないもの、枝に穴があいたり葉が変色していないものを選びましょう。

植え付け

トネリコの植え付けは、春か秋の暖かい日に行います。大きくなるので、ゆったりとしたスペースを確保するようにしましょう。

剪定・切り戻し

できるだけ自然樹形を保ち、剪定は枝を間引く程度にします。高さをとめたり強剪定を行う場合は落葉期にしましょう。病害虫を予防するためにも風通しをよくし、樹の中にも光があたるように適宜枝を透かす剪定を行うのがポイントです。

夏越し

トネリコは、夏が生長期です。乾燥が続いたら、たっぷりと水を与えます。

冬越し

トネリコは半落葉高木です。気温が落ちてくると、葉を落とし始めます。特に必要な冬越しの作業はありません。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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