スミレ(すみれ・菫)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- スミレ(すみれ・菫)
- 学名
Viola mandshurica
- 英名
- Violet
- 和名
- 菫(すみれ)
- 科名
- スミレ科
- 属名
- スミレ属
- 原産地
- 日本、朝鮮半島、中国の東北部から東部一帯
スミレ(すみれ・菫)の特徴
スミレという名前は、スミレ科スミレ属の総称のように使われていますが、本来は「スミレ」と名付けられたViola mandshuricaのことを指します。mandshuricaとは中国を意味する言葉ですが、スミレは日本原産の植物です。日本の風土に馴染みやすく、非常に育てやすい植物です。
スミレの花は形が特徴的で、花の後部が突き出して細長い袋状となっており、ここが蜜を分泌する蜜房となっています。スミレという名前の語源は、その花の横から見た姿が大工が使う墨入れ(墨壺)に形が似ていることから付いたと言われていますが、諸説ありますので定かではありません。
スミレは日本に自生する多年草で、野山や森以外に街中でも見かけられます。典型的な虫媒花で、その花の蜜を求めてやってきた昆虫の体に付着した花粉が、次の花に移動して授粉するという仕組みです。けれど、実際にはこの方法で結実することは少ないと言えます。春の開花期を過ぎた夏から秋、環境がよければ冬でも、閉鎖花と言って蕾の段階で自家受精して結実します。スミレが花を咲かせていないのに、種を作っているのを見かけるのはこのためです。
スミレ(すみれ・菫)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 5~12cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
花色 | 紫、薄紫、白、ピンク、 |
開花時期 | 3~5月 |
スミレ(すみれ・菫)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 |
スミレ(すみれ・菫)の栽培環境
日当たり・置き場所
スミレは日当たりのよい環境を好みますが、真夏の直射日光と高温多湿が苦手です。夏は半日陰になる落葉樹の下のような場所が好ましいです。
用土
スミレはあまり土壌を選びません。鉢植えのスミレは市販の培養土で問題なく育ちます。
スミレ(すみれ・菫)の育て方のポイント
水やり
プランターや植木鉢のスミレは、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをします。目安は鉢の底から水が出てくるくらいです。地植えのスミレは根付いてからは特に与える必要はありませんが、天候によって特に乾燥が続いた場合は水やりします。
肥料
スミレの開花が終わった5月から梅雨に入る前までと、冬の休眠期に入る前の10月頃に追肥として緩効性肥料を適宜与えます。
スミレ(すみれ・菫)の詳しい育て方
選び方
スミレは葉にツヤがあり黄色く変色していないもの、根元から葉がしっかりとついているものがよい株です。
種まき
スミレの種まきは、春か秋の暖かい日に行います。
植え付け
スミレの植え替えは、真夏と真冬を避けた春か秋の暖かい日に行います。
剪定・切り戻し
スミレの花を長く楽しみたければ、花後に花がらを茎の根元から摘み取るようにしましょう。花がら摘みをまめにするとシーズン中次々とスミレの花を楽しめます。
スミレの種を採取したい場合は、花がらを摘み取らずそのままにして結実させます。スミレの種は熟すと自然にサヤが弾けて飛散するので、弾ける前に採取しましょう。
植え替え・鉢替え
スミレは根の生長が早い植物です。鉢底から根が出てくるようになったら、1回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。ただしスミレは多年草と言っても2~3年で枯れてしまうので植え替えをしなくてもそれほど問題はありません。
花
スミレは3~5月頃に紫や薄紫、ピンク、白などの小さな可憐な花を咲かせます。
収穫
スミレの種は一年中収穫できます。花が咲いていなくても結実していることがあるので、注意して観察してください。
冬越し
冬のスミレは葉を落として休眠します。特に必要な冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
スミレは種で増やせます。こぼれ種でも増えます。
スミレの育て方のコツ
スミレは日本に自生する在来種の植物です。特に手間をかけずとも毎年花を咲かせてくれます。園芸分類では多年草ですが、2~3年で枯れてしまうので、長く楽しみたいのであれば、種を取って増やすようにしましょう。