ハイビスカスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ハイビスカス
学名

Hibiscus

英名
Hibiscus
和名
仏桑花(ブッソウゲ)
科名
アオイ科
属名
フヨウ属
原産地
熱帯地方~亜熱帯地方

ハイビスカスの特徴

ハイビスカスはアオイ科の非耐寒性常緑低木。世界の熱帯~亜熱帯地方で広く栽培され、暖かい地域では庭木としても利用されています。5月~10月頃に華やかな花が咲き、花色は赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色などバリエーションも豊富で、花の大きさも小さいものから大きいものまであり、その品種数は数えきれないほどです。ハイビスカスの花は、通常、朝開いて夜に閉じてしまう1日花です。最近は品種改良により、1つの花が2~3日咲くものも出てきています。

ハイビスカスは、在来系、大輪系、コーラル系の3つの系統に分けることができます。

・在来系(オールド系)の花は、中大輪で花付きがとてもよいです。葉は大輪系より小さく、縁がギザギザしています。耐暑性は普通で、挿し木で増やすことが可能です。

・大輪系(ハワイアン系)は、花は大輪ですが、花数は少なめ、葉は大きくて丸いものが多いです。耐暑性は弱く、挿し木で増やすことは難しいです。

・コーラル系は、小中輪が垂れ下がって咲き、花付きがとてもよいです。葉は小さくて縁にギザギザがあります。耐暑性は強く挿し木で増やすことが可能です。

南国のイメージ感がたっぷりの花は、各地でアクセサリーなど様々なモチーフにも使用されてます。

ハイビスカスの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 0.5~2m
耐寒性 弱い
耐暑性 在来系(オールド系)普通、大輪系(ハワイアン系)弱い、コーラル系強い
花色 赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色
開花時期 5月~10月

ハイビスカスの種類

ハイビスカス 紫音

紫音

大輪系(ハワイアン系)のハイビスカス。花径15~20cmほどの大輪の花が咲きます。花色は薄紫で、花の中心部分は紅色、柱頭は黄色です。葉の縁は丸い形をしています。

ハイビスカス レモンフラミンゴ

レモンフラミンゴ

コーラル系のハイビスカス。花径は10~13cmほどの中輪で、柱頭が花弁化した二段咲きの品種。フラミンゴをイメージさせるオレンジ色の花が垂れ下がるように咲くハイビスカスが「フラミンゴ」で、その黄花品種がレモンフラミンゴです。葉の縁はギザギザしています。

ハイビスカス ロバツス

ロバツス

原種の這い性ハイビスカス。繊細な枝葉に、花径3cmほどの淡い桃色の可憐な花を咲かせます。横に広がるように育つので、暖かい季節のグランドカバーにも使えます。ハンギングバスケットなどで目線の高い位置から垂れ下がるように咲かせても美しいです。

ハイビスカスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
植え付け
植え替え
剪定
肥料
挿し木

ハイビスカスの栽培環境

日当たり・置き場所

ハイビスカスは日光を好む植物なので、できるだけ日当たりの良い場所に置きます。

しかし、実はハイビスカスは大輪系(ハワイアン系)の品種を中心に猛暑には弱いものが多く、気温35℃以上が続くような暑さは苦手で、真夏には花数が少なくなったり、花の大きさが小さくなったりします。

真夏に株の調子が良くない場合は、午前中だけ日が当たる場所や、明るい半日陰などに置いてみましょう。鉢をコンクリートの床の上に直接置くと、照り返しによる高温で株が弱ります。棚の上に置くなど、できるだけ風通しを良くしてやりましょう。

用土

水はけの良い用土を使用します。水はけが悪いと立ち枯れの原因になります。そのため、粒の荒い排水性の良い土を選ぶとよいでしょう。

ハイビスカスの育て方のポイント

水やり

春~秋は土の表面が乾いたらたっぷり、冬は控えめに水やりをします。春から秋の水切れは、蕾が落ちる原因にもなります。鉢植えは乾きやすいので、夏は朝と夕方の2回水やりしてもよいでしょう。

肥料

ハイビスカスは新しく伸びた枝に花がつきます。春から秋には新芽の生長のため、三要素(チッ素・リン酸・カリ)が同じ割合で含まれる緩効性肥料などを規定量施しましょう。猛暑が続くときや冬、株に元気がないときは施さないようにします。

病害虫

室内で育てていたり、株間が狭くて風通しが悪かったりすると、コナジラミやカイガラムシが付きやすくなります。換気したり、間引き剪定をするなど風通しを良くすることが大事です。株全体も害虫がついていないか、鉢底などもチェックして防除、駆除に努めましょう。

ハイビスカスの詳しい育て方

選び方

葉の色が濃い緑色で、蕾や葉の数が多いしっかりとした株を選びましょう。葉の色が黄色っぽかったり、虫がついているものはおすすめしません。

植え付け

購入してきたハイビスカスの鉢は、すぐに一回りか二回り大きい鉢に植え替えましょう。

地植えする場合は、事前に植える場所に腐葉土などを混ぜ込んで土をふかふかにしておきます。

剪定・切り戻し

【夏の間引き剪定】
夏に枝が混みあってきたら、伸びすぎた枝や調子の悪い枝だけ、つけ根から切って間引きます。調子が悪い株も枝をカットした方が調子が良くなる場合が多いです。すべての枝を均一に短く剪定すると、長期間花が咲かなくなるので注意しましょう。

【冬越し前の強剪定】
冬を迎える前に、全体の丈の1/2から1/3程度を残してばっさりとカットします。ただし、取り込む室内が最低温度12℃以上を保つことができ、日光も十分に当たるのであれば、冬の間も花を咲かせることができるので、その場合は特に剪定の必要はありません。

植え替え・鉢替え

植え替えは、5月中が最適です。生育旺盛で根が詰まりやすいため、1~2年に1回は植え替えをしましょう。植え替えをしないと生育と花付きが悪くなり、株が衰えてしまうことがあります。根詰まりしないようにやや大きめの鉢を選ぶとよいでしょう。

花色は赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色などがあり、5月~10月の長い期間花をつけます。落ちた花がらからカビが発生することがあるので拾って捨てます。花が落ちた後の「ガク」は、ハサミで切るか、つけ根から摘み取りましょう。

夏越し

特に大輪系(ハワイアン系)の品種など、猛暑に弱いハイビスカスは、鉢植えの場合は真夏の間半日陰の涼しい場所に移動させます。暑さで弱った株には肥料は与えません。暑い時期は土の様子を見て乾燥していたら朝と夕方の2回水やりしましょう。

冬越し

ハイビスカスは寒さに弱いので、10月末頃までには室内の日当たりの良い窓辺に取り込みます。室内に取り込む前に、冬越し前の強剪定をしましょう。真冬に窓辺の寒さが厳しいときは、夜間にだけ窓辺に厚手のカーテンを引くか、ハイビスカスを室内の中央部に移動させます。暖房が直接当たる場所は避けましょう。

庭植えしていた株の鉢上げ適期も10月です。地上部を1/2~1/3残して切り、株を掘りあげて鉢の大きさに合わせて根を切って鉢に植え付けます。鉢上げしたものは、室内に取り込んで管理します。

関東以西の霜の降りない地域では、ハイビスカスが屋外で冬越しできる場合があります。なるべく耐寒性が強い品種を選び、あまり寒風が当たらない日だまりでの冬越しが望ましいでしょう。支柱を立てて株を囲み、寒冷紗や不織布で全体を包みます。株元はバークチップなどでマルチングしましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ハイビスカスは、挿し木で増やすことができます。4月中旬~6月が適期です。在来系(オールド系)とコーラル系は挿し木ができます。

  1. 枝を長さ10cmほどにカットして下の葉を取り、残した葉も大きいものは半分に切って数時間水あげします。
  2. あらかじめ水で湿らせておいた挿し木用の土に挿して、たっぷり水やりします。
  3. 明るい日陰で管理して、10日ほどはずっと湿っている状態に水を与えます。
  4. その後は、乾いたらたっぷり水やりします。発根したらポットに鉢上げして、生育に合わせて鉢を大きくしていきます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
LOVEGREEN編集部アカウントです。編集部のスタッフが監修をしています。
監修している植物一覧を見る
植物の悩みならLOVEGREEN(ラブグリーン)のQ&A

人気の植物ランキング