サンザシ(山査子)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
サンザシ(山査子)
学名

Crataegus

英名
Hawthorn、Mayflower
和名
山査子(サンザシ)
科名
バラ科
属名
サンザシ属
原産地
北半球の温帯域

サンザシ(山査子)の特徴

サンザシ(山査子)は、北半球を中心に分布する、バラ科の落葉低木です。春から初夏に小さな可愛らしい花を咲かせ、秋には直径1~1.5㎝くらいの小さな赤い果実を実らせます。花色は白、ピンク、赤等。咲き方も一重咲きから八重咲まで多様です。

サンザシ(山査子)の果実は生食では酸味が強い為、ジャムや果実酒などに加工されます。中国では、サンザシ(山査子)を加工したお菓子があります。

日本には薬用として入ってきたとされていますが、現在では実を食用とする他、盆栽や観賞用樹木としても栽培されています。サンザシ(山査子)は比較的小さな頃から花実を付けるので、盆栽としても人気があります。

枝に鋭い棘(とげ)があるのも特徴です。果実を収穫する際には手袋を着用するようにしましょう。

 

サンザシ(山査子)の詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 50㎝~2m程度
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 白、ピンク
開花時期 5月~6月

サンザシ(山査子)の英名

サンザシ(山査子)はふたつの英名を持っています。 まずアメリカを中心に広く用いられているのが「ホーソーン」。文化大革命時代の実話をもとにした中国の純愛映画『サンザシの樹の下で』の英題も「The Love of the Hawthorn Tree」でした。 一方、イギリスでは「メイフラワー」と呼ばれています。歴史の教科書に登場する、清教徒たちがアメリカを目指した船はメイフラワー号でしたね。メイフラワーには魔よけの力があると信じられていたので、海難を避けるため船の名前になったのです。

 

赤毛のアンに登場する「サンザシ(山査子)」とは?

アニメでも知られる児童文学の名作『赤毛のアン』。自然を愛するヒロイン、アンがとりわけ気に入っていたのはサンザシ(山査子)でした。 アンは「サンザシ(山査子)なんてない国に住んでいる人がかわいそうだと思うわ」「サンザシ(山査子)よりもっといいものなんてあるはずないわ」とさえ言っています。 原著の「メイフラワー」を「サンザシ(山査子)」と訳したのですが、実はアンの舞台であるカナダでメイフラワーといえば「トレイリング・アービュ-タス」(イワナシ属)のこと。79年に制作されたアニメでも、白いサンザシ(山査子)ではなく紫色をしたトレイリング・アービュ-タスの花が描かれています。

サンザシ(山査子)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
開花
収穫
肥料

サンザシ(山査子)の栽培環境

日当たり・置き場所

サンザシ(山査子)は日当たりを好みます。日当たり良く風通しの良い場所を好みます。

用土

サンザシ(山査子)は日本の山野に自生しているような植物です。植え付け時には腐葉土をたっぷりと混ぜたふかふかの土にしましょう。水はけ良い土壌を好みます。鉢植えのサンザシ(山査子)は、市販の培養土で問題なく育ちます。

サンザシ(山査子)の育て方のポイント

水やり

庭植えのサンザシ(山査子)は、根付いてからは特に水やりの必要はありません。夏期の高温乾燥が続く時は、たっぷりと水を与えるようにします。鉢植えのサンザシ(山査子)は、表土が乾いたら、鉢底から出てくるくらいたっぷりと与えます。

肥料

春、開花前に腐葉土や有機肥料を与えます。

病害虫

アブラムシ、カイガラムシがつきやすく、ウドンコ病にも注意します。定期的な薬剤の散布で予防しましょう。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
カイガラムシ:カイガラムシがつくと樹液を吸われてしまい、株が弱り生育も悪くなり衰え枯れてしまいます。カイガラムシは国内で約400種が発見されており、大きさや形なども様々であり、カイガラがあるのとないものもいます。野菜や果樹、草花、サボテン、ラン、観葉植物と様々な植物に発生し、吸汁(きゅうじゅう)します。
うどんこ病:植物の葉などに粉をまぶしたように白くなるのがうどんこ病です。うどんこ病は5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。早めに対策しましょう。

サンザシ(山査子)の詳しい育て方

選び方

葉が青々としていて、枝が徒長していないものを選びましょう。サンザシ(山査子)は結実しない、観賞用品種もあるので、収穫を楽しみにしている場合は確認をしましょう。

植え付け

サンザシ(山査子)の植え付けは、春か秋の暖かい日に行います。植え付け時jに腐葉土をたっぷりと漉き込み、植え付け後はたっぷりと水を与えます。

仕立て方

枝が混みあってきたら、適宜整枝を行います。風通しが良くなるように余計な枝はカットしましょう。

剪定・切り戻し

サンザシ(山査子)は花芽が付くのが早いので、収穫後、落葉が始まったら早めに剪定をします。比較的生長がゆっくりな樹木なので、伸びすぎた枝や込み合った枝を落とします。この時に風通しを良くすることと、樹形を整えることも意識しましょう。

植え替え・鉢替え

鉢植えのサンザシ(山査子)は、2~3年に一度は植え替えます。植え替えは、春か秋の暖かい日に行います。1~2周り大きな鉢に植え替え、たっぷりと水を与えます。

サンザシ(山査子)の花は5~6月に開花します。白やピンク、赤等で、一重咲きから八重咲まで品種によって様々です。直径1㎝程度の小さな花ですが、可愛らしく観賞価値があります。品種によっては実が付かない観賞用もあるくらいです。

収穫

サンザシ(山査子)の収穫は秋、9~10月に行います。実が赤く色付いたら収穫期です。

冬越し

サンザシ(山査子)は冬は落葉し休眠します。耐寒性は強い樹木ですが、霜が多い場所では株元にマルチングを行います。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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