カモミール(カミツレ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
カモミール(カミツレ)
学名

Matricaria chamomilla(ジャーマンカモミール)

Chamaemelum nobile(ローマンカモミール)

英名
Chamomile
和名
加密列(カミツレ)
別名・流通名
カモマイル
科名
キク科
属名
ジャーマンカモミール:シカギク属(マトリカリア属)、ローマンカモミール:カマエメルム属
原産地
地中海沿岸

カモミール(カミツレ)の特徴

カモミールは、地中海沿岸原産のキク科のハーブです。春から初夏にかけて白い小花を咲かせます。カモミールの香りは青りんごに例えられることもあるように、爽やかさと甘さの感じられる香りで、古くからお茶やアロマテラピー、薬用などに使われてきました。

カモミールは地植えでも鉢植えでも育てることができます。地植えにするとこぼれ種で増えていき、群生するカモミールの美しい光景が見られます。

カモミールの種類には一年草の「ジャーマンカモミール」と、多年草の「ローマンカモミール」を始めとしたたくさんの種類があります。日常的に ハーブティーとして使われるのは、ジャーマン種が一般的です。

カモミール(カミツレ)の詳細情報

園芸分類 ハーブ
草丈・樹高 20~60cm
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
花色
開花時期 3月~6月

カモミール(カミツレ)の種類

ジャーマンカモミール

一年草で草丈50cm~60cm程になります。地植えにするとこぼれ種でよく増えます。香りがするのは花で、葉は香りがしません。

ローマンカモミール

ローマンカミツレ属の多年草で草丈は20~30cm程度で這うように生長します。ジャーマンカモミールと同じく白い花を咲かせますが、花数はジャーマン種に比べると少量です。花だけでなく葉や茎にも香りがあり、踏んで歩くと香りが広がります。踏みつけに強いため、グランドカバーとして利用されています。

ノンフラワーカモミール

ローマンカモミールを花が咲きにくく、グランドカバー向け用途に改良した園芸品種です。草丈は低く、這うように生長します。

ダイヤーズカモミール

コタ属の常緑多年草で、黄色い花が咲きます。食用には不向きで、黄色い花が染色に使われます。

カモミールの花言葉

ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い

ジャーマンカモミール

カモミール

ジャーマンカモミールは一年草です。青りんごに似た爽やかな香りがあります。カモミールティーで親しまれているのは、ジャーマンカモミールです。

ジャーマンカモミールは草丈50㎝程まで生長します。花びらは白く中心が黄色の小花を咲かせます。花の中心部分が大きく隆起するのもジャーマンカモミールの特徴です。切り花として楽しむこともできます。

ローマンカモミール

ローマンカモミール

ローマンカモミールは草丈の低い多年草です。葉にも花にも香りがあります。ローマンカモミールは草丈は20~30cm程度のほふく性で、踏んでも枯れない強さがあります。グランドカバーとして好まれ、踏むたびに甘い香りを楽しめます。開花期は花茎が上に伸びるので、グランドカバーにするなら花後に草丈を詰めるように刈り込みます。

カモミールの花の違い

ローマンカモミールもジャーマンカモミールも、花びらは白く中心が黄色の花を咲かせますが、ローマンカモミールの方が花径は大きく草丈が低いことで見分けがつきます。

 

カモミール(カミツレ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
開花

カモミール(カミツレ)の栽培環境

日当たり・置き場所

カモミールは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。

用土

水はけの良い土壌を好みます。鉢植えのカモミールは市販のハーブ専用培養土で栽培可能です。

カモミール(カミツレ)の育て方のポイント

日常の管理

風通し良く、乾燥気味の状態を好みます。株元を蒸らさないように管理しましょう。

水やり

土の表面が乾いてきたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと与えましょう。カモミールは蒸れに弱いため、乾燥気味に管理します。

肥料

カモミールは多肥を嫌います。

地植えの場合は、肥えた土なら無肥料でも育ちます。鉢植えは元肥を入れて植え付け、その後の追肥は花がたくさん咲きだしたら少なめに与える程度で十分です。最近の市販の培養土は元肥入りのものも多くあるので、植え付け時に確認しましょう。

窒素過多はアブラムシ発生の原因となります。

病害虫

株と株の間をつめて植えすぎると、蒸れて病害虫が発生しやすくなります。蒸れには弱いので、茎を適度に間引き、風通し良く管理しましょう。

窒素過多はアブラムシ発生の原因となります。肥料の与えすぎに注意しましょう。

カモミール(カミツレ)の詳しい育て方

選び方

葉の色が株元まできれいな緑色をしていて、茎がしっかりとしている苗を選びましょう。苗の時点でたくさんの花が開花して花茎が伸びているものより、未開花の下葉のみのカモミールを選び、早めに植え付けた方がシーズン中、たくさんの花を楽しむことができます。

種まき

カモミーはこぼれ種でも増えるほどなので種からも簡単に育てることができます。直まきか箱にまいてポットに移植して育苗するとよいでしょう。ポットにまいて良い芽を残して育苗する方法だと、移植の手間が省けます。

植え付け

カモミールの植え付けは、春か秋の暖かい日中に行います。植え付け時に元肥を混ぜ込み、植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。

摘芯(摘心)・摘果

種からカモミールを育てる場合は、苗の丈が10~15cmくらいになったら摘芯を行うと、茎数の多い苗になり、たくさんの花を楽しめます。

植え替え・鉢替え

多年草のローマンカモミールは1年に1回、一回り大きな鉢への植え替えか株分けが必要です。根詰まりを起こすと香りが弱くなるので、株分けで増やすとよいでしょう。

カモミール

ジャーマンカモミール

カモミールは、春から初夏に香りの良い白い花を咲かせます。終わった花がらは、こまめに摘み取った方がたくさんの花を楽しむことができます。

収穫

お茶として使うのは一般的には花の部分です。花後2~3日して、黄色い部分が盛り上がり、花びらが反り返る前が収穫のタイミングです。

フレッシュでもドライでもお茶として楽しめます。飲みきれない場合は、天日干しで完全に乾燥し、食品用乾燥材を入れて保存しましょう。

夏越し

ジャーマンカモミールは、地域によっても開花期に差がありますが、主に梅雨前くらいまでの一年草のため、夏越しの必要はありません。

ローマンカモミールは、株が蒸れて茶色くなったところを不定期で刈り込むと美しい状態を保ちます。

冬越し

ローマンカモミールは耐寒性があるため特別な冬越し対策の必要はありませんが、木枯らしが吹く頃、刈り込んでおくとよいでしょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

カモミールは種で増やすことができます。

多年草のローマンカモミールは株分けで増やすこともできます。真夏と真冬を避けて、春か秋の暖かい日に行います。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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