パンダン収納の使い方や、フィリピンで見た原料のパンダンの木
小野寺葉月
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インテリアショップなどで取り扱いがあるパンダン収納ですが、アジアでは様々な使われ方をしています。
目次
パンダンってどんな植物?
タコノキ属の植物で、東南アジアに分布しています。タコノキ属のことをPandanus(パンダヌス)といいますが、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポールなどでは「パンダン」と呼ばれています。タイでは「バイトゥーイ」と呼ばれています。
タコノキ属の植物は全体でおよそ600種類ほどあります。その中にはアダンやタコノキもあります。
石垣島のアダン。海岸沿いににょきにょきと生えています。
アダンの実もパイナップルに似ています。
日本の小笠原諸島や沖縄など、一部の場所で見ることができる種類もあります。水辺の環境を好んで生えますが道路沿いなどでも育ちます。パイナップルによく似た球形の実をつけます。種子は繊維に覆われていて、水の上を漂って移動して、流れ着いた場所で発芽し、子孫を残していくという戦略を持った植物です。
日本とアジアでの使われ方
日本では主に収納用品として
パンダンは、日本では主に収納用品として用いられます。アジアンテイストのインテリアですが、併せやすいので他のテイストのインテリアとも合わせやすく、人気の素材です。防虫も期待できるといわれています。
アジアでは食用・日用品など幅広く
原産地の東南アジアでは、パンダンの葉を食品の香りづけに使用したり、マットやカゴ、収納用品にと様々な用途で利用されています。
フィリピンでのパンダン
今回私が訪れたフィリピンのセブ島で、パンダンを見ることができました。個人的な話ですが20代の時に働いていた雑貨店でずっと取り扱いがあったパンダン収納。ついに素材が生えているところを見ることができた!と思って大興奮でした。
上の写真は、思ったよりも小さい。山で自生しているパンダンを移植しているんだそう。「その辺にほいほい生えてるよ」とのこと。
葉の繊維が見えますね。収納用品に加工する場合は繊維に沿って割き、編んでいくようです。教えてくれた方は、ご飯を炊くときに入れておくと香りがよくておいしい、だから採ってきて植えたのよ~とのこと。
セブで見る植物は、個人的な感想ですが日本(東京)で見るそれの大体10倍ぐらいの勢いで育っている気がします。枝をカットして地面に植えておけば、勝手にどんどん育っていくようです。
セブの街路樹として植えられていたアデニウム(砂漠のバラ)。日本だと鉢植えで管理がなかなか難しいイメージですが、セブの環境だと街路樹として植え、放置しておいても勝手に育っていくようです。
▼アデニウムについてはこちらの記事をチェック!
日用品としてのパンダン
パンダンの葉を乾燥させ、場合によっては着色をして編んだものを収納用品として使っています。収納用品のほか、ランチョンマット、カゴ、床に敷くマット、うちわなど様々なものに加工されています。お土産として販売されていたり、日本をはじめとする海外へ輸出されています。その香りは防虫効果があるとされており、食材を保存する用途で収納用品として使われています。
また、バックにもパンダンはよく使われており、ハンドバックなどパンダンで編まれたバックに植物やキャラクターの絵を描いたパンダンバックなどがよく見られます。
食材としてのパンダン
セブのスーパーで見つけたのが、食材として使われているパンダン。これが結構たくさんありました。主にお菓子です。
カップケーキのパンダン風味?
パンダンの香りと色を付けたキューブ状のゼリーが入ったヨーグルトと、パンダンフレーバーのゼラチンです。ヨーグルトのほうを買って食べてみました。
あ、ものすごく・・・緑です。うっすらゼリーが見えています。おそるおそる食べてみましたが、優しい甘さでとてもおいしい。くせが全くなくて、さすが東洋のバニラと呼ばれるだけの実力です。あっさりした優しい甘さなのでくどくもありません。
料理に使用することも
日本や中国で粽(ちまき)を作る際に、笹の葉を使うことがありますが、香りが食材にうつすためにパンダンの葉を使ってご飯を包んで炊いたり、また鶏肉などを包んで揚げたりすることもあるようです。葉自体は繊維がしっかりしてるため食べることはできません。煮込みやスープに使用する場合は、葉を一度結んで鍋に入れると使いやすいようです。
日本でパンダンを食材に使用したい場合、通販でアジアの食材を販売している店舗などで購入することができます。ぜひ一度試してみてくださいね!
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