ソメイヨシノ(染井吉野)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ソメイヨシノ(染井吉野)
- 学名
Prunus x yedoensis
- 英名
- Tokyo cherry,Yoshino cherry,Potmac cherry
- 和名
- 染井吉野
- 科名
- バラ科
- 属名
- サクラ属
- 原産地
- 日本
ソメイヨシノ(染井吉野)の特徴
私たちが最も意識して見ることの多い花がソメイヨシノかもしれません。 水切れや病害虫に弱く、栽培難度はやや高めですが、自宅の庭で花咲くソメイヨシノは、あこがれの光景でしょう。 ソメイヨシノは明治に入ってから国策によって全国各地に植えられるようになりました。徳川幕府との違いを示したい明治新政府の意向もありましたが、何より開花が早く大輪で、葉が後から出る性質が人々に好まれたのです。 それまでお花見のサクラといえば「ヤマザクラ」のことでしたから、ソメイヨシノが日本の伝統を変えていったといえるでしょう。
ソメイヨシノ(染井吉野)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 10~15m |
花色 | 薄ピンク |
開花時期 | 3~4月 |
ソメイヨシノの由来
ソメイヨシノは江戸から明治にかけて誕生した改良品種。葉より花が咲きに出る「ヒガンザクラ」と、花の大きな「オオシマザクラ」を交配させたものと考えられています。当初は花の名所・吉野から「ヨシノザクラ(吉野桜)」と呼ばれていましたが、既に同じ品種名があったため、作出された染井村の名を取って「ソメイヨシノ(染井吉野)」になりました。 染井村は現在の東京都豊島区駒込にありました。江戸期から植木職人の集まる土地として知られ、中でも有力な「伊藤伊兵衛」は歌舞伎役者のように代々、襲名制をとっていました。
日米親善の象徴
「ポトマック・チェリー」の英名は日米親善の証としてワシントンD.C.、ポトマック河畔にたくさんのソメイヨシノなどサクラの苗木が植えられたことから。その返礼として1915年、米国から日本に贈られたのがハナミズキです。サクラとほぼ同時期の4~5月に咲くハナミズキを、サクラ同様に愛してほしいという米側の願いが込められています。寄贈から100周年にあたる2015年には寄贈先のひとつである都立園芸高校で、ケネディ駐日大使を招いた記念式典が行われました。
ソメイヨシノが全国同時に枯れる?
ソメイヨシノは結実しないため接ぎ木で増やします。全国で咲くソメイヨシノは1本の原木から増やしていった「クローン」と呼べるのです。 長命を誇るサクラの中では例外的に、ソメイヨシノは70年を過ぎたあたりから衰え始めるといわれています。同じ遺伝子を持つため、ある時期になったら全国のソメイヨシノがいっせいに枯れてしまうと騒がれたこともありました。病害虫に弱く枯れやすいのは事実ですが、かつて考えられたよりは長生きすることが分かってきたのです。
ソメイヨシノ(染井吉野)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ソメイヨシノ(染井吉野)の栽培環境
用土
水はけのよい用土を好みます。鉢植えの場合は鉢底石を忘れずに。赤玉土、腐葉土に川砂を混ぜます。
ソメイヨシノ(染井吉野)の育て方のポイント
水やり
一般的な育て方通り、表土が乾いたらたっぷりと与えます。過湿にならないよう、地植えの場合は天水のみで管理します。
肥料
元肥は化成肥料と堆肥。花期の前後に遅効性の肥料をまきます。根が弱いので、枝先の下あたりの地面にまくようにします。
病害虫
枝の一部だけ花が咲かないのは「天狗巣病」。伝染するので、すぐに病部の枝を刈って処分します。アメリカヒロシトリにも注意します。
ソメイヨシノ(染井吉野)の詳しい育て方
選び方
根まき苗のワラや布の外から触って硬ければ、根がよく張っている元気な苗です。植え付け直後は根を張るのに集中し、葉を落とすことがあります。
種まき
ソメイヨシノ同士では種をつけないので、接ぎ木で増やします。近くに別種のサクラがあると、交雑して結実することがあります。
植え付け
植え付けの前夜、水につけておくと根張りがよくなります。成長が速いので、鉢植えの場合は苗よりふたまわりほど大きな鉢を用意しておきましょう。
剪定・切り戻し
ハサミを嫌う一方、よく枝分かれするので、若木のうちに幹となる枝を決めてしまい、あとは必要以上の剪定を避けましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
挿し木で増やすこともできます。2月~3月に新芽のついた枝を切り取り、発根促進剤をつけてから赤玉土に挿します。病気にかかりやすいので、親木の切り口を消毒するのも忘れずに。