パプリカとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
パプリカ
学名

Capsicum annuum

英名
Bell pepper
科名
ナス科
属名
トウガラシ属
原産地
中・南アメリカ

パプリカの特徴

パプリカは、果実の色がグリーンからレッド、オレンジ、黄色などに変化し、どの段階で食しても甘みがあり、見た目も鮮やかでとても美しいナス科の野菜です。(色の変化は品種によります)

果肉が厚くジューシーな食感で苦味や青臭さがないので、生のままでもおいしく食べられるのが特徴で、サラダはもちろん、炒め物やマリネにも用いられます。

初夏に植え付けると、6月頃からピーマンの花とよく似た小さな白い花を咲かせます。花後に果実ができ、例えば赤いパプリカは、果実の色がライムグリーンからオレンジ、レッドへと変化していきます。収穫できるサイズになってから完熟していくまでに、平均して3週間ほどかかりますが、グリーンの未熟な状態でも食べることができます。

パプリカの詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 60~80cm
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 弱い
花色 白色
開花時期 6月~10月

パプリカの今と昔

高級な西洋野菜のイメージが強く、昔は1玉600円ほどもしたパプリカですが、今ではスーパ-で手軽に手に入る野菜になりました。

パプリカは年間を通して流通していますが、比較的多く出回るのは7月頃です。中でも最も多いのは韓国産。日本で手軽にパプリカが食べられるようになった背景には、日本に近い韓国でパプリカの栽培が行われるようになったことにあります。輸送が他の国に比べて容易にできるので、全体の半分以上を占めています。続いてニュージーランド産、オランダ産です。韓国とニュージーランドは夏冬が逆のため、韓国が真冬で収穫が少ない時期にはニュージーランドから輸入しているようです。夏の産地と冬の産地があるため、一年中美味しいパプリカを安定して供給することができています。

ちなみに、韓国でパプリカが栽培されるようになるまでは、オランダ産のパプリカが主流でした。世界的にもオランダはハンガリーやスペインに次いで大きなパプリカ栽培国です。

 

パプリカの花言葉

 

パプリカの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

パプリカの栽培環境

日当たり・置き場所

パプリカは日当たりの良い場所を好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

パプリカの生育適温は22~30℃です。暑さに強く、寒さに弱い高温性野菜です。

用土

プランター栽培のパプリカは、野菜用の培養土で育てましょう。

畑栽培のパプリカは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その1週間後に堆肥と元肥を入れ土になじませます。

窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。そのため、石灰と肥料を合わせて使用する際は最低でも1~2週間ほど日数をあけて投入しましょう。

なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても堆肥と石灰を使用するために必要な日数がない場合は「有機石灰」の使用をおすすめします。

パプリカの育て方のポイント

水やり

パプリカは乾燥に敏感なので、水やりには注意しましょう。特にプランター栽培は乾燥しやすいため、夏の水切れには注意しましょう。

パプリカの花は、ピーマンの花と同じように雨が当たると落花しやすくなります。葉も水にぬれると細菌に侵されやすいとも言われています。水やりの際はできるだけパプリカの苗の根元に与えましょう。

肥料

植え付けて2週間後から追肥を始めましょう。その後は2週間ごとに、苗の状態を見ながら追肥をしてください。  肥料を施す位置は、葉が広がった先よりも少し先の方に施します。というのも、だいたい根の広がりというのは葉の広がりと同じくらいといわれています。そのため葉の先を目安に肥料を施します。

パプリカは、植え付けて2週間後から追肥を始めましょう。その後は2週間ごとに、苗の状態を見ながら追肥をしてください。

肥料を施す位置は、葉が広がった先よりも少し先の方に施します。というのも、だいたい根の広がりというのは葉の広がりと同じくらいといわれています。そのため葉の先を目安に肥料を施します。

病害虫

パプリカの病害虫ではオオタバコガ・タバコガに注意しましょう。パプリカの実が赤に変化するまでの期間、オオタバコガやタバコガの被害を防ぐために、台所用の排水溝ネットなどをパプリカにかぶせ締めすぎない程度に麻ひもで結ぶ防除方法もあります。

パプリカの詳しい育て方

選び方

葉の緑が濃く、厚みがある。

1.葉の緑が濃く厚みがあり、苗の先端に勢いがある苗を選びます。また、病害虫が付いていないかも必ず確認しましょう。

 

節間がしまっている。(葉と葉の間の茎の長さが短い。)

2.節間がしまっているのも良い苗の目安です。(葉と葉の間の茎の長さが短い。)

 

蕾か花が付いている。パプリカやピーマンは、この一番果の下のわき芽を2本残しますので、仕立てる目安としてください。

3.蕾か花が付いている。パプリカやピーマンは、この一番花の下のわき芽を2本残すので、仕立てる目安としてください。

種まき

パプリカは発芽適温が高めで、苗を育てる日数も長くかかります。2月下旬頃から3月上旬頃にポットに種をまき温度管理に注意しながら育苗しましょう。

植え付け

1 苗に十分な水分を与えます。  ゆっくりバケツの水に沈めましょう。

1.苗に十分な水分を与えます。ゆっくりバケツの水に沈めて吸水させます。

 

2 プランターに苗と同じくらいの穴を開け、苗を軽く手で押さえ根鉢を崩さないように植え付けます。

2.苗と同じくらいの穴を開け、苗を軽く手で押さえ根鉢を崩さないように植え付けます。

 

3 苗の周りを少し凹まして、苗にしっかり水が浸透するように植え付けてあげましょう。

3 苗の周りを少し凹まして、苗にしっかり水が浸透するように植え付けましょう。

 

4 箸か小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。  強風で茎が折れたり、倒れたりしないように麻ひもで誘引します。その際、植え付け後に生長できるように、あまりきつく縛らず八の字にして緩めに括り付けましょう。苗を傷めないように、支柱のところで結びます。

4.箸か小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。その際、植え付け後に生長できるように、あまりきつく縛らず八の字にして緩めに括り付けましょう。苗を傷めないように、支柱のところで結びます。

 

5 最後は水をしっかり与えます。  植えたばかりのパプリカの苗は、土に活着するまでに少し時間がかかります。その際、根が乾燥してしまわないためにも、植え付けから1週間位は、しっかりと水を与えます。  水の代わりに、病害虫予防のためのニームを希釈したものをかけてもいいでしょう。

5.最後は水をしっかり与えます。

植えたばかりのパプリカの苗は、土に活着するまでに少し時間がかかります。その際、根が乾燥してしまわないためにも、植え付けから1週間位は、しっかりと水を与えます。水やりの際、病害虫予防のためのニームを希釈したものをかけてもよいでしょう。

 

 まだ苗が小さいので、寒冷紗に入るうちは出来るだけ中に入れて育てましょう。  パプリカを植え付けたばかりの日中は、だんだんと暖かい季節になりますが、日が暮れると気温は下がります。害虫対策だけでなく、寒さ対策のためにもこの時期は寒冷紗の中に入れてあげましょう。

6.まだ苗が小さいので、寒冷紗に入るうちは出来るだけ中に入れて育てましょう。

パプリカを植え付けたばかりの日中は、だんだんと暖かい季節になりますが、日が暮れると気温は下がります。害虫対策だけでなく、寒さ対策のためにもこの時期は寒冷紗の中に入れてやりましょう。

仕立て方

1番花のすぐ下から出る強い枝を1、2本残して、それより下のわき芽は摘み取ります。あまりにも枝が込み入って風通しが悪い場合は、枝を切って風通しを良くしてやりましょう。

3本仕立て

1 仕立て方の目安となるのが一番最初に咲いた花です。一番花を起点に3本に仕立てていきます。

1.仕立て方の目安となるのが一番最初に咲いた花です。一番花を起点に3本に仕立てていきます。

 

2 主茎と一番花の下の勢いのあるわき芽を2本伸ばし、それより下のわき芽は取り除きましょう。

2.主茎と一番花の下の勢いのあるわき芽を2本伸ばし、それより下のわき芽は取り除きましょう。

 

3 伸ばしていく2本のわき芽よりも下についている、不要なわき芽を取り除いていきます。

3.伸ばしていく2本のわき芽よりも下についている、不要なわき芽を取り除きます。

摘芯(摘心)・摘果

摘果
小さい苗の状態でパプリカの実をつけてしまうと、苗が体力を消費してしまい生長に遅れが出てしまいます。  そのため、大きくしないうちに一番最初になったパプリカの幼果を採ります。この一番果を取り除くことを摘果といいます。  このように一般的に、パプリカの小さい実が付いた摘果の段階で取り除きますが、弱っている苗については3本仕立てを済ませたら、花の状態で取り除いた方が体力は温存できると思います。一番に咲いた花(一番花)を取り除くときは、摘花といいます。

小さい苗の状態でパプリカの実をつけてしまうと、苗が体力を消費してしまい生長に遅れが出てしまいます。

 

そのため、大きくしないうちに一番最初になったパプリカの幼果を採ります。このように、良質な実をつけさせるために実がまだ幼いうちに採ることを摘果といいます。

そのため、大きくしないうちに一番最初になったパプリカの幼果を採ります。このように、良質な実をつけさせるために実がまだ幼いうちに採ることを摘果といいます。

パプリカ

6月頃、白い小さな花を咲かせます。

 

パプリカ

花のあとに小さな果実ができ、少しずつ大きくなります。

収穫

未熟果を収穫するピーマンと違い、パプリカは果実は完熟するまで約3週間ほどかかります。(完熟までの期間は品種によります。)

パプリカ

完熟したら、パプリカのヘタの付け根をハサミでカットします。

 

パプリカの葉も食べられます。パプリカの葉はつくだ煮のように甘辛く煮たり、お浸しにしたり、炒めたりしていただきます。  灰汁(あく)が気になるときは、軽く湯通ししてから調理に使用します。

パプリカは葉も食べられます。つくだ煮のように甘辛く煮たり、お浸しにしたり、炒めたりしていただきます。灰汁(あく)が気になるときは、軽く湯通ししてから調理に使用します。

パプリカの収穫の時期やタイミング

パプリカの収穫の時期やタイミング

パプリカの収穫時期

4月下旬~5月上旬に植え付けたパプリカの収穫は7月~10月です。収穫できる期間が長い野菜なので、肥料切れに注意しましょう。

収穫のタイミング

パプリカ

色づいたパプリカを収穫したいなら、収穫の秘訣は「じっと待つ」です。

 

パプリカ

収穫できるサイズのパプリカがグリーンから赤やオレンジ、黄色などの完熟になるまでには、平均して3週間ほどの期間を要します。

未熟果は食べられる?

パプリカ

色づく前のグリーンのパプリカも食べることができます。パプリカは色づくためにはとてもたくさんのエネルギーを要します。そのため、1株で収穫できる完熟果は未熟果を収穫するためのピーマンより少なめです。株を疲れさせずに秋まで収穫するために、前半はグリーンの状態で収穫、後半は完熟させて収穫するといった、秋まで元気な株を保つための工夫が必要です。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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