万年青(オモト)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
万年青(オモト)
学名

Rohdea japonica

英名
Rohdea japonica Roth
和名
万年青
科名
ユリ科
属名
オモト属
原産地
日本、中国

万年青(オモト)の特徴

万年青(オモト)は日本で古くから、主に青々とした葉を観賞する目的で育成されてきた植物です。江戸時代から続く品種改良によって多彩な葉の形状、模様が生まれ「葉芸」と呼ばれています。

品種改良の技術が「芸」として高く評価されているのは万年青(オモト)だけで、植物の中では特別な価値を見出されている植物です。多年草で葉を落とさないことから長寿を象徴する縁起物としても大切にされてきました。

「縁起草」「辛抱草」の別名もあります。乾燥と多湿も嫌うのですが、基本的には初心者にも育てやすく丈夫な植物です。霜が降りず、-5℃以下の気温にならなければ屋外越冬可能です。昼間の日が出ている時間帯は外に出し、夜は玄関にしまうなどをしてもよいでしょう。

引っ越し祝いに万年青を贈る日本の文化

万年青(オモト)は1590年、江戸時代に徳川家康が江戸に移る際に3種類の万年青(オモト)を贈られ、家康は大変喜び城にその3鉢の万年青(オモト)を持ち込みました。その後、城が大繁栄したというエピソードがあり、そこから日本中に引っ越し祝いとして万年青(オモト)を送る風習が広まったようです。江戸時代から現在まで引っ越しの際は縁起を担ぎ、引っ越し先に一番最初に万年青(オモト)を入れる習わしが続き邪気を祓うため鬼門の方角に置かれるようになりました。

万年青(オモト)の詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 ~50cm程度
耐寒性 やや強い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
花色 クリーム色
開花時期 4~6月

万年青(オモト)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
剪定
開花
肥料

万年青(オモト)の栽培環境

日当たり・置き場所

万年青(オモト)は真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理しましょう。

【屋外】

春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、葉焼けを起こしてしまいます。30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。

万年青(オモト)は、気温が高ければ高いほど葉焼けが起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。

遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することができます。

【屋内】

万年青(オモト)は、耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日差しが届く明るい場所に置くとよいでしょう。

室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
万年青(オモト)は耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

万年青(オモト)は気温が低くなると生長が緩慢になります。冬季は土が凍らず、-5℃以下にならない様に気をつけましょう。

ベランダ等で育てている場合は、外の気温が5℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。

用土

万年青(オモト)は水はけのよい土を好みます。赤玉土に腐葉土を適度に混ぜ合わせた土で育てると良く育ちます。

万年青(オモト)の育て方のポイント

水やり

万年青(オモト)は加湿と乾燥が苦手なので、季節や温度によって水やりのタイミングを変えます。

【気温が10℃以上のとき】

主に春~秋の生長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと鉢底から水が流れて来るまで与えるようにします。

【気温が10℃以下のとき】

気温が10℃前後を切ってくると生長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので水やりの回数を減らします。具体的には、土の表面が乾燥してから2~3日後に水やりをしてください。

【葉水】

葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。

万年青(オモト)は葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

万年青(オモト)は葉を肥料を与えすぎると根腐れや葉焼けを起こしたり、徒長することがあるので肥料は少なめにして管理します。

肥料を与える時期は2月中旬と4月初旬、9月下旬に有機肥料の固形肥料を2~3粒与えます。液体肥料を与える場合は2週間に1度、通常の希釈より2~3倍薄くして水がわりに施しましょう。真夏の期間は肥料は施さないようにします。

万年青(オモト)は肥料を与えすぎると根腐れや葉焼けを起こしたり、徒長することがあるので肥料は少なめにして管理します。

 

病害虫

ハダニ

黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

カイガラムシ

3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。

カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ダンゴムシ

柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにオモトを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】

イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

万年青(オモト)の詳しい育て方

選び方

万年青(オモト)を買う時は、カイガラムシなどの病害虫に注意してください。葉の緑色が濃く、伸びすぎて徒長している株は避け、葉が垂れていない生き生きしている万年青(オモト)を選びましょう。

種まき

万年青(オモト)は種は管理が難しいため、通常は苗から育てます。

植え付け

万年青(オモト)の植え付けは真夏と真冬は避け、春か秋に植え付けます。地植えをする場合は直射日光が当たりすぎない、風通しのよい場所に植え付けましょう。

剪定・切り戻し

万年青(オモト)は剪定をほとんど必要としません。先端まで変色した古い葉を取り除く程度です。

植え替え・鉢替え

万年青(オモト)は鉢植えの場合は1~2年に一回、ひとまわり大きな鉢に植え替えをしましょう。株を大きくしたくない場合は、根の量を減らして同じ鉢に植え替える事でコンパクトに育てる事ができます。

万年青(オモト)の花は4~5月にマツカサの様な形をしたクリーム色の花を咲かせます。

夏越し

万年青(オモト)の夏越しは屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することができます。

冬越し

万年青(オモト)は気温が低くなったら生長が緩慢になるので、水やりを土の表面が乾燥してから2~3日後に行うようにしてください。

気温が-5℃を下回ると枯れてしまうので、10℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って管理しましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

万年青(オモト)は株分けで増やすことができます。株元からほぐし株分けし、鉢に土を入れて植え付けます。

植え付けて後、新芽がでてくるまでは、直射日光などの強い日差しが当たらない場所で管理しましょう。

 

 

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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