コケモモ(リンゴンベリー)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
コケモモ(リンゴンベリー)
学名

Vaccinium vitis-idaea

英名
Cowberry,Lingonberry,Lowbrush cranberry
和名
苔桃(こけもも)
科名
ツツジ科
属名
スノキ属
原産地
北アメリカ、北欧などユーラシア半島北部

コケモモ(リンゴンベリー)の特徴

コケモモ(リンゴンベリー)は、北米や北欧の森林地帯に自生する、常緑低木です。高さは10~30cmと低い位置で枝葉を密集させて広がって行くところから、苔桃(こけもも)という名が付きました。

初夏に白い花を咲かせ、秋に直径1cmに満たない程度の可愛らしい赤い丸い果実を付けます。北米や北欧の伝統料理では、コケモモ(リンゴンベリー)をジャムやソースにして、パンケーキやトースト、肉料理や魚料理の付け合わせに広く利用されています。

コケモモ(リンゴンベリー)は、耐寒性が非常に高く、冬も常緑を保ちます。酸性土壌を好み、痩せ地でもよく育ちます。一方、夏の高温多湿には弱いので、日本の暖地の平野部で地植えにするのは難しい植物です。大きくならないため、鉢植えで管理し、冬、春、秋は日当たりの良い場所、夏は風通しの良い半日陰に移動させるとよいでしょう。

同じツツジ科のツルコケモモ(クランベリー)と混同されがちですが、別種です。見分け方は、コケモモ(リンゴンベリー)の花は、ブルーベリーやドウダンツツジのような釣鐘型の花を咲かせます。ツルコケモモ(クランベリー)の花は、花びらが後ろに反り返ったように咲くので咲き方が違います。鉢物の流通量はツルコケモモ(クランベリー)に比べると、コケモモ(リンゴンベリー)の方が少ないようです。

 

コケモモ(リンゴンベリー)の詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 10~30cm程度
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
花色 白、淡いピンク
開花時期 6月~7月

コケモモ(リンゴンベリー)の種類

斑入りコケモモ

白~ピンクの斑入り品種

コケモモ(リンゴンベリー)とツルコケモモ(クランベリー)の違いと見分け方

コケモモ(リンゴンベリー)もツルコケモモ(クランベリー)も、酸味が強く生食には向かず、ジャムなどに加工して利用されます。どちらも、北米や北欧の野菜や果物が不足しがちな長く寒い冬に、大切な栄養源として食卓を賑わせてきました。

コケモモ(リンゴンベリー)もツルコケモモ(クランベリー)も、ツツジ科スノキ属の植物です。両種とも高温多湿が苦手で、酸性土壌を好み、痩せ地でもよく育ちます。初夏に花を咲かせ、秋に直径1cm程度の赤い実を付けるところもよく似ています。

クランベリーは別名ツルコケモモとも言う、ツツジ科の常緑低木です。低木といっても植えには伸びません。初夏に白からピンクの花を咲かせ、秋に真赤な可愛らしい果実を実らせます。クランベリーの果実は残念ながら生食はできません。湿った半日陰でよく育ちます。

ツルコケモモ(クランベリー)

 

コケモモ

コケモモ(リンゴンベリー)

見分け方は、コケモモ(リンゴンベリー)は匍匐(ほふく)するように枝葉を広げて伸びていくのに対し、ツルコケモモ(クランベリー)はつるを伸ばして生長していきます。

もう一つの大きな違いは花の形状です。コケモモ(リンゴンベリー)はブルーベリーのような釣鐘型の花を咲かせるのに対し、ツルコケモモ(クランベリー)は花びらが後ろに反り返ったような花を咲かせます。

 

コケモモ(リンゴンベリー)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
開花
収穫

コケモモ(リンゴンベリー)の栽培環境

日当たり・置き場所

コケモモ(リンゴベリー)は夏以外は日当たりの良い場所~半日陰程度の場所での管理が適しています。真夏の強い日差しや西日が当たるような場所での管理は避けましょう。

高温多湿を嫌うため、暖地では鉢植えで栽培して、夏は鉢を移動させて管理する方が無難です。

用土

ツツジ科のコケモモ(リンゴンベリー)は、ブルーベリーと同じく酸性土壌を好みます。

赤玉土(小玉)、鹿沼土、ピートモスを4:4:2の割合でブレンドするか、市販のブルーベリー用の培養土でも栽培可能です。

コケモモ(リンゴンベリー)の育て方のポイント

水やり

コケモモ(リンゴンベリー)は加湿が苦手です。水のやり過ぎに注意しましょう。鉢の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。

肥料

コケモモ(リンゴンベリー)は痩せ地でも育つ植物です。過肥の必要はありません。鉢植えは、春と秋に緩効性肥料を与えましょう。

病害虫

目立った病害虫の害はありません。

コケモモ(リンゴンベリー)の詳しい育て方

選び方

株元まで葉が茂り、実つきの良い鉢を選びましょう。

植え付け

日本のような高温多湿の環境を好まないため、暖地では鉢植えで季節によって鉢を移動して管理する方がよいでしょう。

地植えにする際、アルカリ土壌の場合は、ピートモスや鹿沼土等を混ぜ込んでから植え付けましょう。

仕立て方

寒冷地ではロックガーデンの植栽として利用できます。

暖地では鉢植え栽培が向いているため、ポット苗は寄せ植えの素材として利用されています。

剪定・切り戻し

自然と低くまとまる樹形なので、特に剪定の必要はありません。広がり過ぎた場合や込み合った枝は、株元で剪定しましょう。剪定は収穫後の10月頃が適期です。春に剪定すると花芽を切ってしまい、実がつかないので注意しましょう。

植え替え・鉢替え

コケモモ(リンゴンベリー)の植え替えは、2月~3月の初春に行います。1~2回り大きな鉢に植え替え、植え替え後はたっぷりと水を与えます。

コケモモ

コケモモ(リンゴンベリー)は、初夏の6月~7月頃に、白または淡いピンクの釣鐘型の花を咲かせます。

収穫

コケモモ

コケモモ(リンゴンベリー)の実は、9月~10月頃が収穫時期です。実が真っ赤に熟したら収穫しましょう。酸味が強い果実は生食には向きません。ジャムやジュースにして楽しみます。

夏越し

コケモモ(リンゴンベリー)は夏の高温多湿に弱い性質なので、真夏は風通しの良い半日陰に移動させましょう。

冬越し

コケモモ(リンゴンベリー)は耐寒性が強い常緑低木です。特に冬越しのために必要な作業はありません。花芽をつけるには、冬は戸外で寒さに当たる必要があります。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

コケモモ(リンゴンベリー)は株分けで増やせます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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