みんなが楽しみにしているクリスマス。クリスマスはいったいどのように始まったのでしょうか? 多くの方は、「キリストが12月25日に生まれたから、それをお祝いしたんじゃないの?」と思うかもしれませんね。
しかし実際は、クリスマスのもととなった行事はキリストが生まれるよりも前から行われていました。有名なのがミトラ教やゲルマン民族の冬至の祭(ゲルマンの祭は「ユール」と呼ばれます)です。当時から常緑樹やリボンを飾るような、クリスマスに近い催しはあったようです。キリスト教が広まっていく際、こういった行事が取り込まれていって現在のクリスマスができあがったのでしょう。
12月24日をクリスマスイブ、25日をクリスマスと呼びますね。いったいどちらが本当のクリスマスなのでしょうか? 答えは、「どちらもクリスマス当日」です。昔のヨーロッパでは一日のはじまりを“日が沈む時”と考えていました。今で言うと、“12月24日の日没から12月25日の日没” までがクリスマス当日になります。「クリスマスの夜(夜=イブ)」が先に来て、昼間は後に来るなんて少し不思議ですよね。
またポスターなどではクリスマスのことを「Xmas」とか「X’mas」と書きますよね。Xを「Christ(キリスト)」の替わりに使った表現です。「mas」は「祝日」「祭日」という意味。「X’mas」は書き間違いだ、という方もいるようですが、「’」は必要ではないものの必ずしも間違いとは言えないようです。
クリスマスイブに私たちが眠った後、靴下のなかにプレゼントを入れていってくれるサンタクロース。彼はいったい何者なのか? 子供のころ、誰もが一度は考えた疑問ですよね。サンタクロースのモデルとなったのは聖ニコラウスだと言われています。現地では「聖」を「セント」というので、「セント・ニコラウス」が縮んで「サンタクロース」になったのでしょう。聖ニコラウスにはこんな逸話があります。
『あるとき、貧しさのせいで3人の娘を身売りさせなければならない家があり、ニコラウスはその家の窓からこっそり金貨を投げ入れた。金貨は吊るしてあった靴下のなかに落ち、この金貨のおかげで、貧しい家族は娘を身売りさせずにすんだ』というお話です。
私たちが楽しみにしているサンタさんのプレゼントによく似たお話ですね。
小さいころ、「いい子にしていないとサンタさんが来ないよ」と言われたことがある方は多いでしょう。一見しつけのための言葉のようですが、コレ、あながちウソではありません。
ドイツでは、クリスマスに来るサンタクロースは2人いると考えられてきました。一人は聖ニコラウスのような優しいサンタさん。もちろん、いい子のところにはサンタさんが来てプレゼントをくれます。しかし悪い子のところには、クネヒト・ループレヒトという黒いサンタがやってきます。そして袋や棒で叩いたり、石のような嬉しくないプレゼントを渡すのだそうです。日本の「なまはげ」のようなものでしょうか。なんとも恐ろしいクリスマスです。
—- 日本 —-
様々なスタイルがあると思いますが、多いのは以下の4つではないでしょうか。—- ヨーロッパ諸国 —-
ヨーロッパ諸国のクリスマス当日は、なんとほとんどのお店や交通機関がお休み。日本とは対照的に街はとても静かになります。ヨーロッパの国々の方にとってクリスマスとはあくまで家族と過ごす日。店員や駅員も仕事を休んで家族のもとに帰るのだそうです。—- イギリス —-
イギリスのクリスマスに欠かせないのがクリスマスプディングです。「プディング」という名前ですが私たちがよく食べる「プリン」とは全然違うもの。たっぷりのドライフルーツと小麦粉、パン粉、牛脂、卵などを混ぜて蒸し焼きにした大きなスイーツです。クリスマスプディングにはこんなジンクスがあります。—- ロシア —-
ロシアのクリスマスはなかなかユニーク。そもそも12月25日ですらありません。1月7日です。これはロシアの宗教と暦に理由があります。ロシア正教では長くユリウス暦という暦を使っていて、ユリウス暦の12月25日は私たちにとっては翌年の1月7日なのです。—- 赤 —-
赤はキリストが流した血の象徴。—- 緑 —-
クリスマスに飾るヒイラギやモミの木の色です。これらは冬でも葉を落とさない常緑樹なので、キリスト教の謳う永遠の命を象徴していると言われています。—- 白 —-
純潔の象徴。罪を許された、という意味もあるようです。—- 金 —-
「繁栄」「豪華」といったイメージの色ですが、クリスマスカラーとしての金は、キリストが生まれたときに輝いたと言われるベツレヘムの星の色と言われています。—- クリスマスリース —-
どうしてリースは丸い形をしているのか知っていますか。丸い形は、途切れるところがないので、「永遠」を意味していると言われています。またリースの材料には常緑樹を使うことが多いですよね。それは常緑樹のもつ強い生命力のイメージから魔除けの効果を期待したからです。—- スワッグ —-
最近にわかに人気のスワッグ。LOVEGREENでも簡単な作り方をご紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。スワッグもリースと同じく、魔除けとして昔から用いられていた飾りです。—- 星 —-
クリスマスツリーのてっぺんのお星さまは、ベツレヘムの星を表しているそうです。—- キャンディ —-
クリスマスツリーのオーナメントには、杖のような形をしたキャンディがあります。昔は違ったそうですが、現在は縞模様のものが多いですね。杖の形をしているので「キャンディケーン」と呼ばれています。キリスト教で大きな意味をもつ「羊飼い」の象徴だという説のほか、聖ニコラウスの司祭杖を表しているという説もあります。—- くつした —-
サンタクロースのモデルとなった聖ニコライの逸話から生まれたのでしょう。—- ボール —-
クリスマスツリーに飾る金や赤のボールは、アダムとイヴが食べた知恵の実を表しているそうです。実際にリンゴを吊るすこともあります。—- ポインセチア —-
赤と緑が鮮やかなポインセチア。冬に多く出回るクリスマスの代表的な花ですよね。じつは花のように見える赤い部分は苞葉(ほうよう)といって、葉が花を守るために変化したものです。またクリスマスによく見るポインセチアは小さな鉢物のことが多いですが、原産国のメキシコや日本でも宮崎県などでは、地植えにされ5m程度の大きさまで育っているのが見られます。—- クリスマスツリー —-
じつはクリスマスツリーに使われる樹木には種類があります。また日本と西洋でも少し違いがあります。詳しいことはP2『本格派必見。今年は本物のクリスマスツリーで飾り付けを楽しもう』をチェック!—- ヤドリギ —-
地に根を張らずとも、冬でも青々とした葉を茂らせているヤドリギ。その生命力から北欧などにはさまざまな神話があります。クリスマスにまつわるヤドリギのすてきな逸話としては、「クリスマスの夜、ヤドリギの下でキスをする」というものがあります。クリスマスにヤドリギの下にいる女性はキスを拒んではならないというものです。—- ヒイラギ —-
クリスマスリースに使われているヒイラギは、濃い緑の葉と真っ赤な実が印象的ですね。これはセイヨウヒイラギ(モチノキ科モチノキ属)という種類で、日本でよく見るヒイラギ(モクセイ科モクセイ属。黒い実が付く)とは違うものです。—- リンゴ —-
旧約聖書でアダムとイヴが食べてしまった知恵の実を表しているそうです。—- アドベントカレンダー —-
アドベントカレンダーは、クリスマスまでの日数を数えるカレンダーです。オーソドックスなのは、日付の書かれた小窓のなかにお菓子が入っているというもの。12月1日からはじまるアドベントカレンダーが多いようです。小さな封筒を紙で作ってガーランドのように吊るせば、オリジナルのアドベントカレンダーを作ることもできますよ。—- クリスマスカード —-
12月のヨーロッパでは、クリスマスカードが飛び交っています。日本でいうと年賀状のようなものでしょうか。最近は日本の百貨店などでもクリスマスカードがたくさん売られていますよね。今年はぜひ、親しい人たちにクリスマスカードを贈ってみたいですね。—- シュトーレン —-
シュトーレンはドイツの甘いパンです。たっぷりのラム酒付けドライフルーツやナッツ、マジパンなどが入っています。このパンをドイツの人はクリスマスの4週間も前に作り、クリスマス当日まで少しずつ食べるのだそう。粉砂糖で覆われた真っ白な見た目が、生まれたばかりのキリストとおくるみのようだと言われています。—- プレゼント —-
プレゼントが一人に一つだけなんていったい誰が決めたのでしょう。実際ヨーロッパでは、一人のために何個もプレゼントを用意するのが普通です。なかには、半年も前からいろいろなプレゼントを集めているひともいるようですよ。大切な人には大きなものから小さなものまで、たくさんのプレゼントを探しにいきませんか。