映画『ちはやふる』でおなじみ!写真で見る百人一首の植物【中巻】

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写真で見る百人一首の植物【上巻】はお楽しみいただけましたか?

同じ「桜」を詠んだ和歌でも、まったく違う風景が描かれていることがわかるかと思います。今回は百人一首34番~66番までの歌をご紹介します。【上巻】にあったものと同じ名前でも、違う意味や風景をもつ植物が出てきます。描かれる風景の違いをお楽しみください。

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おさらい:百人一首とは

「百人一首」とは、呼んで字のごとく100人の優れた歌人の歌を一首ずつ選んだ歌集です。歌を選定した人物には諸説ありますが、藤原定家だと言われています。なじみ深い「小倉百人一首」の名前は小倉山にある定家の山荘のふすまの色紙に歌が書きつけられていたことから生まれたそうです。

 

百人一首のなかの植物

※番号は百人一首の歌番号です

老松

34.誰(たれ)をかも しる人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに

詠み人:藤原興風

老松を見て、同じく年老いた自分は誰を友としたらよいのだろうか……と孤独感を募らせています

35.人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香(か)ににほひける

詠み人:紀貫之

ふつう和歌で「花」と言えば桜のことを指しますが、この歌の「花」は梅のことです。「人の心は移り変わってしまうけれども、梅の香りは昔と変わらないんだなぁ」と感慨にふけっている歌です

草葉の露

37.白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

詠み人:文屋朝康

草葉の露が風に吹かれているのが、まるで糸で繋いでいない宝石のようですね

八重むぐら

47.八重(やへ)むぐら しげれる宿の さびしさに 人こそ見えね 秋は来にけり

詠み人:恵慶法師

八重むぐらとはつる性の雑草の総称。雑草の茂った住処はさびしくて、人は誰も来ないけれど秋だけは来た……というような意味です

さしも草

51.かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな もゆる思ひを

詠み人:藤原実方朝臣

「さしも草」とはお灸に使うヨモギのこと。ヨモギのように燃える恋を表しています

58.ありま山 ゐなの笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする

詠み人:大弐三位

笹の葉が風に揺れるように身勝手な恋人。でも私はあなたを忘れないわ、と女性の恋を歌っています。

八重桜

61.いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重(ここのへ)に にほひぬるかな

詠み人:伊勢大輔

九重とは宮中のこと。当時珍しかった八重桜が奈良から京都へ献上されたときに詠まれた歌です

山桜

66.もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし

詠み人:前大僧正行尊

作者が孤独な修行に耐えていたある時、ふと山桜を見つけて詠んだそうです。美しい桜にどれほど心が癒されたことでしょうか

いかがでしょうか?和歌の世界では、植物のある風景を描くことで嬉しさや寂しさなど人間のさまざまな心の動きを表現しています。引き続き、【下巻】でも百人一首のなかの植物をご紹介しますので、ぜひ美しい和歌の世界をお楽しみください!

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