【フラワートライアルジャパン】注目の植物がずらり!秋の園芸商談会レポート

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LOVEGREEN編集部

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園芸業界の来シーズンに向けての展示商談会「フラワートライアルジャパン2023秋」が、9月26日~28日に開催されました。長野県と山梨県をまたぐ八ヶ岳周辺の6会場で紹介された注目の植物・資材を一部ご紹介します。

目次

フラワートライアルジャパンって?

フラワートライアルジャパンは、毎年9月に長野・山梨をまたぐ八ヶ岳山麓に点在する会場をつないで開催される、園芸の一大展示商談会です。国内の主要種苗メーカーや園芸資材メーカーが一堂に会し、来シーズンに向けての商品を披露する場。新型コロナウイルスの影響により2020年、2021年はWEBでの開催でしたが、昨年からリアル開催を再開し、今年も全6会場にたくさんの園芸関係者が訪れました。

 

会場にはYouTubeで人気のカーメン君の姿も

各会場では、現在販売されている植物・資材をはじめ、来春以降に店頭に並ぶ新商品も多く紹介されました。会場で見つけた新商品や注目所品の一部を、ひと足早くご紹介します。

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会場で見つけた注目植物

ハクサン|全世界に先駆け日本で先行発表されたシクラメン「イリュージア ピンクラテ」

PWブランドを展開するハクサンの会場では、全世界に先駆けて日本で先行披露された注目植物があります。

それが、2024年秋 正式に販売を開始するシクラメン「イリュージア ピンクラテ」。一般的なシクラメンと違い上向きに咲く花は、ぷっくりとしたつぼみも愛らしく、咲き始めのチューリップのような咲き姿から、上向きに輝き放ちながら咲く姿まで、多彩な表情を見せてくれます。一輪の花もちが良く、次から次へと花が咲くため、咲き進むにつれてブーケのように満開の姿になるそう。

こうした個性的なシクラメンは生産面のハードルの高さから高嶺の花になりがちでしたが、「イリュージア ピンクラテ」は種子での安定生産が可能になったことが大きなポイント。ワンコイン価格で気軽に買えて、花壇や寄せ植え、室内での鉢花など、カジュアルに楽しむことができる次世代のシクラメンとして注目を集めました。

 

同じく花苗感覚で楽しめるシクラメンとして、SNS等でも人気の「ジックス」に新色のピンクが登場。ピンクの花弁と白く整った萼(がく)とのコントラストが印象的で、次々と花が咲き、美しい姿を長く観賞できます。こちらも正式な販売は2024年秋の予定になります。

 

ハクサン会場では上記のシクラメンやPW品種に加え、ディッキア、ユッカ、コルジリネなど、暑さに強くローメンテナンスなロックガーデン向け植物の提案もされていました。

サントリーフラワーズ|ユーザーから名前を募集したサフィニア登場!

サントリーフラワーズのブースでは、一般ユーザーから名前を募集したサフィニア アートの新品種「ブルーモーメント」が紹介されました。

「ブルーモーメント」とは「夜明け前と日没後のわずかな隙に訪れる、辺り一面が青い光に照らされてみえる景色」を指す言葉。名前の通り夜明け直前の空のような美しいグラデーションが印象的なサフィニアです。自分が名付け親になった植物が全国で販売されるのは、ユーザーにとってもワクワクする取り組みですね♪

 

ブルーモーメントの花色は、涼しい時期はクリーム色の面積が多く、気温が上がるにつれて紺色の部分が多くなる色変わりも魅力。空模様と同じく時期によってさまざまな表情を見せてくれます。

 

夏のつる植物として人気のマンデビラ「クライミング サンパラソル」には、新色の「ピーチオレンジ」が登場。ビビットな花色が多くなりがちな夏花のなかで、ふんわりとした柔らかさと透明感のある明るさを備えた花色は貴重です。

ちなみにマンデビラの花色は赤や白が基本ですが、こうした黄色~オレンジ系の柔らかな花色を出せるのはサントリーフラワーズ独自の育種手法によるもの。来夏の庭やベランダにぜひ取り入れたい注目品種です。

 

サントリーフラワーズのブースでは他にも、花弁にかすり状の模様が入ったカリブラコア「ミリオンベル アンティークピーチ」や・・・

 

手のひらサイズでたくさん収穫できる「甘小丸スイカ」など、本気野菜シリーズの野菜苗も新たに紹介されました。

S&Bのハーブ苗に注目!

どど~んと目立つディスプレーでひときわ目を引いたのが、エスビー食品が展開するハーブ苗のコーナー。

 

写真のトッピングバジルは来春4月からの発売予定(写真の苗ラベルは仮デザインです)

スパイスや調味料の専門メーカーが、ハーブを使ったレシピとともに提案する各種ハーブ苗がずらり。ラベルや店頭POPにあるQRコードからハーブレシピを見ることができ、「ハーブの使い方がいまいちわからない」という方を親切にナビゲートしてくれます。

香りや風味が良く育てやすいハーブ苗14品種をラインアップしており、順次ホームセンターの店頭などに並ぶ予定です。

高松商事|「SO EASY」シリーズがホームセンターで入手しやすく

LOVEGREENのモニター企画でも大人気だった高松商事の「SO EASEY」シリーズは、来年から大手ホームセンターでの販売が決定。上写真のようなディスプレーで店頭に並ぶので、最寄りのホームセンターでも見つけやすくなります。

丈夫でローメンテナンスなミニバラやアジサイ、アガパンサスなどをラインアップした「SO EASEY」シリーズは、名前の通り誰でも簡単に育てられるのが最大の特長。一鉢で家周りの風景を変えてくれる存在感のある植物が多いので、「忙しくてこまめにお世話ができないけれど、植物のある暮らしを送りたい」という人にこそ試してもらいたいシリーズです。

エム・アンド・ビー・フローラ|室内で楽しめるミニバラ

エムアンド・ビー・フローラ会場では、コンパクトで育てやすく、日陰に強く丈夫なミニバラ「ゼプティ」が、光が少ない室内でも楽しめるミニバラとして紹介されました。

 

「花衣-はなごろも-」のリニューアル色「藍染-あいぞめ―」

ほかにも、優美な着物の重ねを想起させる手毬状の八重咲ペチュニア「花衣-はなごろも-」も来場者の注目を集めました。

タキイ種苗|ハロウィン気分を盛り上げるのは?

タキイ種苗のブースで目を引いたのが、観賞用とうがらし「TF994(オニキスマジックオレンジ)」。黒葉の上にオレンジと紫の実が交じりあって実る姿はまさにハロウィンカラー。一鉢おうちにあるだけで、ハロウィン気分が盛り上がること間違いなし。来年の10月に要チェックの一鉢です。

有力生産者の一押し植物もチェック!

種苗メーカーのほかにも、国内の優良生産者の出展も多くみられました。クリスマスローズ「氷の薔薇」で有名な童仙房ナーセリー&ガーデンは、秋の花として西洋大文字草を紹介。9月~10月にかけて開花する花はもちろん、バラエティー豊かな葉の質感はカラーリーフとしても楽しめます。

 

童仙房ナーセリー&ガーデンでは、夏から秋まで色を変化させながら咲き続ける「パニキュラータ」も紹介。8月~9月に日本の野山に花を咲かせるニノリウツギを原種として交配した品種で、現代の気候に対応した夏秋咲きのアジサイです。

 

長野県富士見町と愛知県春日井市の2農場で、花、多肉植物、ハーブ、野菜苗などの生産を行うH&Lプランテーションは、センペルビウムの人気シリーズ「チックチャームス」の新色ゴールドナゲットを披露。秋が深まるにつれて紅葉が進み、多肉植物のなかでもひときわ鮮やかな発色で目を楽しませてくれます。

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会場で見つけた注目資材

会場のひとつ、茅野市民館会場では多くの園芸資材メーカーが出展しました。

オーガニック肥料「土の薬膳」などを製造販売する金澤バイオ研究所では、粉砕した瓦を原料とした培土を参考出品していました。瓦の多孔質な特性を生かし、保水性と排水性を両立した土で、土自体は無機質なためコバエなどが発生する心配も軽減されます。また、完熟有機肥料の「土の薬膳」があらかじめブレンドされているため元肥いらず。テーブルサイズのインドアグリーンなどにうってつけの土として発売が期待されます。

 

生産用プラポットの製造をする一方で、珍奇植物の販売やその周辺アイテムの開発にも精力的なアライ・サンズは、植物の植え付け・植え替え時に使用するお手入れツールを紹介。植え付け・植え替え時に土の隙間をつついて埋める専用スティックで、植物の根を傷めないように先端にカーブをつけてあります。その高級な質感は土に挿して置いておくだけでも絵になり、趣味性の高い塊根植物などのファンから高い支持を得ています。

 

ドイツ発のチェーンソーのトップメーカー・STIHL (スチール)社の一押しは、片手サイズのハンディカッター。充電式のチェーンソーで、庭木などを楽にカットすることができます。本格的なチェーンソーは一般ユーザーにはハードルが高いですが、これぐらいの手軽さであれば一家に1台持っておきたくなりますね。

 

ユニチカトレーディングは、オーストラリア発のレイズドベッド「Vegepod」と、「Vegepod KitchenGrden」(上写真)を紹介。

「Vegepod KitchenGrden」はスマートフォンで操作する高性能LEDライトを搭載した室内向け野菜栽培キットで、来年の国内販売に向けて日本マーケットに合った仕様に最終調整中。キッチンで採れたて野菜を収穫できるのはもちろん、光量が必要なインドアグリーン用プランターとしても活躍するかも!?

 

ハイポネックスジャパン、アース製薬、プロトリーフの3社合同で展開する観葉植物のケアシリーズ「BotaNice」も、ますます充実。観葉植物専用の錠剤肥料や液体肥料、コバエ・病気対策アイテム、インドアグリーンの土など、BotaNiceシリーズだけで観葉植物のひととおりのケアができるようになっています。観葉植物初心者の方は、まずはBotaNiceシリーズで資材をそろえて育て始めるのもおすすめです。

 

肥料・培養土・堆肥・土壌改良剤など、ガーデニングの土台を支える資材一式を製造するsoware(旧社名:創和リサイクル)では、人気ユーチューバ―「カーメン君」監修の資材が充実。ニームオイルやニームペレット、土の中の有効微生物や善玉菌を増やして植物が育つ土壌を作るキトサンプラスなど、土壌環境を整えて植物自体に元気になってもらう観点から開発された資材がシリーズ化しています。

 

今回ご紹介したのは、膨大に展示された中のほんの一部。来シーズンに向けてここでは紹介しきれなかった魅力的な植物や資材が目白押しの3日間でした。

LOVEGREENではこれからも、こうした業界内の展示会レポートもお伝えしながら一歩先行くガーデニング情報をお届けしていきますので、お楽しみに!

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