「米屋農園」小川 達也 / 日本では珍しい!古木のオリーブの魅力について

大曽根百代

大曽根百代

公開日 :

普段聞けない生産者さんの現地の声をお届け!ボタニカルピープルの生産者さんを紹介する企画「生産者に聞く」。

今回は、神奈川県横浜市でスペイン産の樹齢100年を超える古木のオリーブや、国内産のオリーブ、その他個性的な樹形の木や珍しい種類の木を多数取り揃えている『米屋農園』さんにお伺いしました。日本ではあまり見かけることが少ない【オリーブの古木】を取り扱いされているということで、米屋農園4代目の小川達也さんにお話を聞きしました。

プロフィール

■名前:小川 達也
■場所:神奈川県横浜市
■生産歴:13年(創業は大正6年から)
■面積:30,000㎡
■主な取り扱い品:ヨーロッパ産古木のオリーブ、国内産オリーブ、その他常緑樹、落葉樹

とても貴重なオリーブの古木をお取り扱いしている米屋農園さん。

 

太くずっしりとした幹は樹齢100年を超えるものがほとんど。デコボコとした幹の表皮から、古い年月が刻まれているのを確認できます。国内にあるオリーブで、ここまで幹の太い木はまずないでしょう。まるで大きな盆栽のような木は神秘的な魅力を感じます。

 

このオリーブ達は1本1本を小川さんがすべて選び、現地のスペインへ買い付けに行かれています。

 

国内のオリーブもございます。沢山枝分かれしたボリュームのある株のオリーブ達は、小豆島産です。

一般的に取り扱われている普通の木、売れ筋の木ばかりを持っていてもつまらないと、個性的な樹形の木や珍しい種類の木を多く取り揃えている米屋農園さん。なかでも輸入のオリーブは非常に魅力的な商品です。

 

古木のオリーブについて教えてください

↑ 現地のオリーブ畑の様子

古木を取り扱うことになったきっかけはなんですか?

10年以上前に父である社長が「こういうオリーブがあるよ」と知り合いから紹介を受けました。「ちょっと入れてみようか」ということになり、取り入れ始めたのがきっかけです。うちは造園屋さんなどに植木を販売する『材料屋』、植木屋さんです。オリーブばかりだけでなく落葉樹、常緑樹なども扱っており、その中のアイテムの一つとしてオリーブを取り扱っています。

 

↑ 現地のオリーブ畑の様子

どのように運ばれていくのですか?

実際にスペインに行き、畑にずらーっと並んでいるオリーブを1つ1つ見て選別していきます。そして選ばれた木は、船便で1か月かけて日本へ運ばれてきます。日本に到着→検疫検査→検査クリア→米屋農園へといった流れになります。

 

土も葉もすべて落とし、根っこ部分にピートモスを敷き詰めた状態でここに運ばれてきます。そして到着したオリーブたちは農場に地植えして管理をします。その時、植えつけやすいよう出っ張っている根を切り落とします。切り落とした根は遊びで植物を植えたりしています。

 

これは今年の木ですね。今年買い付けた木には、乾燥を防ぐために初夏頃まで白い布を巻きます。

 

幹と根だけの状態で運ばれてきたオリーブは、3か月ちょっとすると芽が少しずつ出てきます。

 

選別の基準はなんですか?

主に品種ではなく樹形、幹の形で選んでいます。このように幹に大きな穴がある木、ねじれている樹形など様々な形があるので、直感的に魅力を感じた木を選んでいます。

 

納品先は主にどんなところですか?

個人のお庭だったり、写真スタジオ、結婚式場、ショッピングモールとその他様々な場所へ植えていただいています。

 

オリーブの管理のポイントを教えてください

オリーブは、基本的に育てやすい木ですが、まず庭に地植えしたときや大きな鉢に植えたときなどは、株元をスッキリさせましょう。落ち葉を溜めたり、見た目が淋しいからといって植物はなるべく植えないでください。あとウッドチップや化粧砂を敷くのもやめた方がいいですね。なぜかというと植物が成長して陰になりますよね、そういった部分は風通しが悪くなり害虫が溜まりやすくなるため、木が枯れる原因となってしまいます。もしお花を植えたり芝を敷きたいのであれば、根っこの淵に。気になるようであれば市販のスミチオンを散布しましょう。

また、日当たりと風通しは良くして管理するのがポイントですね。

それと移植するときは根っこを多少切るので、その分枝も抜いてあげるといいです。根っこが少ないのに上が生い茂った状態だと弱ってしまいます。ちょっと調子が悪いなと感じた時は、中途半端に葉っぱを残すのではなく全部思い切って落としてしまった方が、その後の回復が早いし綺麗になりますよ。

石灰などは撒いた方がいいのでしょうか?

そこまで神経質にならなくていいと思います。日当たりが良く水はけがよい土であれば問題なく育ちますよ。

 

変わった樹形の木がたくさん

この大きな木はなんだと思いますか?低木でよくみかける「シルバープリペット」なんです。実はこんなに大きく成長するのです。ここまで大きいのを見たのは初めてで、個人的にかなり驚きました。いい反応だったのか、小川さんはご満悦の表情(笑)

 

他には、曲がった樹形のソテツやモミジもありました。

まっすぐ上に伸びたソテツはよく見かけしますが、こちらにあるソテツは個性的でとてもユニークな形をしています。ちなみに『A-2』と表示してあるのは、畑の場所がわかりやすいようアルファベットと番号で場所を区別しています。

 

木登りをしやすそうなモミジ。モミジ以外にも自然が作り上げた樹形の木が多く立ち並びます。

 

そして、最近人気のメラレウカを見せていただきました。

 

大きなメラレウカは木肌もカッコいい。

 

「畑はディスプレイだと思っています。畑での見せ方によって木の印象も全然変わってきますし、お客さんを直接農場へ案内するので見せ方は大事にしています。」とおっしゃる小川さん。畑は雑草も生えておらず、常に綺麗な状態にされているのがよくわかります。そして、あまり密植していないので管理もしやすく、見学の方も見やすい、木も元気に育つ、といったメリットも兼ね備えています。

個性的な木がたくさんあって楽しいですね

そう言ってもらえるとすごく嬉しいですね。よそにあまり置いていない木を仕入れてきて、それを気に入ってもらえ、さらに購入していただけた時はもちろん嬉しいですし、楽しさを実感します。先ほどのシルバープリペットのリアクションもそうですけど「えー!?」っと驚く姿を見ると「よっしゃー!」という気分になります。

あのお客さんの目に止まるだろうな~と想像しながら仕入れた木を、その通りドンピシャで気に入ってもらえた時など、やはり喜んだ顔を見ることができるとやりがいを感じますね。

 

最後に一言お願いします!

木を購入する時って、最初はどこに何を植えたらいいのか全くわからないと思います。絶対にこれを植えたい!など既に目的の木があるならば別ですが、もしわからなければ参考程度でも良いので是非うちへ気軽に来園下さい!それと、いっぺんに完成させたい気持ちが先走ってしまいがちですが、いきなり沢山植えるのではなく、少しずつ植えて一つ一つの木の個性や魅力を楽しんでもらいたいですね。また、ちょっとずつ増やしていく楽しみも感じてほしいと思います。

 

——小川さんありがとうございました。

初めて見た古木のオリーブは非常に格好良く、只者でない雰囲気を醸し出していました。スペインから遥々やって来たオリーブは、日本でもまた新しい年月を刻み、長く生きていってほしいですね。個性的な植木をお求めの方は、ぜひ米屋農園さんに足を運び実際にご覧になって下さい。園主の小川さんは、とても気さくで木に愛情を持った方です。きっとお気に入りの木が見つかることと思います。

 

 
 

▼関連ワード

「「米屋農園」小川 達也 / 日本では珍しい!古木のオリーブの魅力について」の記事をみんなにも教えてあげよう♪

LINE@
大曽根百代
大曽根百代

千葉大学園芸学部を卒業後、園芸店に勤め、販売だけなく植物をきちんと理解したいと思い、千葉大の苗生産部にて植物の生産業(花苗)に従事。その後、多肉植物の生産を経験。現在は多肉植物の販売サポートやバラの管理業務をしています。多肉だけでなく植物全般好きで、宿根草なども育てています。最近はマイクロ胡蝶蘭とバンダにも挑戦中。より植物の魅力を感じ、皆様にもその魅力と生産者情報を記事としてこれからも発信していきます。

おすすめ