金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の違いと見分け方

秋に香りの良い花を咲かせる金木犀と銀木犀。この2つの花の特徴や、違いと見分け方、花言葉、英語の名前、似ている種類などを紹介します。

うっとりするような秋の香りの良い花について、ちょっと詳しくなってみませんか。

目次

• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）とは？
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の違い
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の見分け方
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の香りの違い
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）に似ている種類
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の花言葉
• 金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の英語の名前

金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）とは？

金木犀

金木犀、銀木犀とは、モクセイ科モクセイ属の常緑高木。秋に葉の脇から小さな芳香のある花を咲かせる花木です。

金木犀と銀木犀、それぞれの基本情報と特徴をお伝えします。

金木犀（キンモクセイ）の基本情報

• 学名：Osmanthus fragrans var. aurantiacus　
  　　　Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino
• 科名・属名：モクセイ科モクセイ属
• 分類：常緑高木
• 花期：9月～10月
• 花色：オレンジ色

金木犀（キンモクセイ）の特徴

金木犀は、秋に香りの良いオレンジ色の小花を枝いっぱいに咲かせる常緑高木。金木犀の香りはとても印象的で、香りに気がついて周囲を見渡すと花が咲いていたというくらいです。

金木犀の葉は楕円形で光沢があり、椿のような厚みと硬さがあります。花は直径4～5mm程度と小さく、オレンジ色で4枚の花びらが合着したようなフォルムをしています。

雌雄異株ですが、日本には雄株しか存在しないので、クローンで増やされています。

銀木犀（ギンモクセイ）の基本情報

銀木犀

• 学名：Osmanthus fragrans var. fragrans
• 科名・属名：モクセイ科モクセイ属
• 分類：常緑高木
• 花期：9月～10月
• 花色：黄色がかった白か淡い黄色、黄色

銀木犀（ギンモクセイ））の特徴

銀木犀は、秋に香りの良い花を咲かせる常緑高木。銀木犀の花には控えめな芳香があります。葉は楕円形で光沢があり、椿のような厚みと硬さがあります。

花は直径4～5mm程度と小さく、花色は白、淡い黄色、黄色などの変異があります。銀木犀という名前ですが花色は銀色ではありません。公園や庭園など身近な場所で見かけます。それほど珍しい庭木ではありません。

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の違い

金木犀と銀木犀の違いは、同じモクセイ科モクセイ属の異なる種であるということです。

学名から確認できるように、金木犀は「Osmanthus fragrans var. aurantiacus」、銀木犀は「Osmanthus fragrans var. fragrans」と、種小名が違います。

var. というのは変種のこと。金木犀の aurantiacus はラテン語で「オレンジ色や橙色」という意味、銀木犀の fragrans は同じくラテン語で「香る」という意味です。

つまり、金木犀と銀木犀の違いは、花色が違う同種の植物ではなく同属異種、つまり近縁種だということです。

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の見分け方

金木犀と銀木犀を見分けるポイントは、花色、葉の特徴、それから香りです。

花が咲いている時期であれば、花色と香りで見分けられます。花色がオレンジで強い芳香があれば金木犀、花色が白や黄色で芳香があれば銀木犀です。

葉で見分けるなら、葉の幅が狭く薄く鋸歯がないのが金木犀、葉に厚みがあり先端に鋸歯があれば銀木犀です。

ただし変異も多いので、葉だけで見分けるのは難しいと思います。

金木犀と銀木犀の見分け方のポイントを整理したので、ご参考までにご覧ください。

金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の花の見分け方ポイント

• 金木犀：オレンジ色で強い芳香がある
• 銀木犀：白に近い黄色や淡い黄色、黄色で、控えめな芳香がある

金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の葉の見分け方ポイント

• 金木犀：銀木犀に比べて幅が狭く薄く、鋸歯はない
• 銀木犀：厚みがあり全体あるいは先端にギザギザとした鋸歯がある

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の香りの違い

金木犀と銀木犀の香りの違いは、香りの強さです。

金木犀は、香りでその存在に気づくくらいの圧倒的な芳香を周囲に放ちます。金木犀の香りで秋が来たことを実感することも多いほどです。

対して銀木犀の香りは控えめ。香りは似ていますが、鼻を近づけて確認しなければわからないくらいです。

どちらも花らしい華やかな香りですが、金木犀の香りのほうが熟れた果物を思わせるような豊潤さを感じます。

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）に似ている種類

ウスギモクセイの果実

金木犀、銀木犀に似ている種類で、ウスギモクセイ（薄黄木犀）やヒイラギモクセイ（柊木犀）があります。

ウスギモクセイは、秋に淡い黄色の花を咲かせる常緑高木。花には控えめな芳香があります。ウスギモクセイは雌雄異株で、花が咲いた翌春にオリーブに似た楕円形の果実を実らせます。

ヒイラギモクセイは、葉の縁にヒイラギのような鋸歯があるモクセイ科の常緑高木です。ヒイラギと銀木犀の変種だといわれています。花色は真白で芳香があります。銀木犀よりも少し遅れて開花します。

金銀ときたら銅もあるのでは……と考えてしまいそうですが、残念ながら銅木犀という植物は今のところ存在しません。

ウスギモクセイ（薄黄木犀）基本情報

ウスギモクセイ

• 学名：Osmanthus fragrans var. thunbergii
• 科名・属名：モクセイ科モクセイ属
• 分類：常緑高木
• 花期：9月～10月
• 花色：淡い黄色

ヒイラギモクセイ（柊木犀）基本情報

ヒイラギモクセイ

• 学名：Osmanthus × fortunei
• 科名・属名：モクセイ科モクセイ属
• 分類：常緑高木
• 花期：10月～11月
• 花色：白

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の花言葉

金木犀（キンモクセイ）の花言葉

金木犀（キンモクセイ）の花言葉は「謙虚」「初恋」です。

銀木犀（ギンモクセイ）の花言葉

銀木犀（ギンモクセイ）の花言葉は、「初恋」「高潔」「あなたの気を引く」「初恋」です。

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金木犀（キンモクセイ）、銀木犀（ギンモクセイ）の英語の名前

金木犀も銀木犀も英語の名前は、Fragrant olive のようです。モクセイの仲間はオリーブに似た果実を実らせるものが多くあるので、香りの良い花を咲かせるオリーブに似た木という意味合いから、この名前がついたのではないかと想像できます。

または、学名の Osmanthus がそのまま英語の名前として使われているようです。海外から入ってきている金木犀の香水や精油など、Osmanthus（オスマンサス）という名前で流通しています。

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金木犀と銀木犀は花色や香りに違いのある近縁種。どちらも香りの良い花を咲かせる花木です。この機会に、金木犀と銀木犀の違いを観察してみてください。花の色を確認したり、香りを楽しんだり。

秋はお散歩が気持ちの良い季節、ゆっくり時間をかけて花を眺めてみてはいかがでしょうか。

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植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。