初夏に咲く香りの良い花木13種
金子三保子
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たくさんの草や木が開花を迎える初夏。その中から香りの良い花を咲かせる木をご紹介します。
目次
初夏とは
ホオノキ
初夏とは5月の上旬の立夏ごろから6月の上旬くらいまで、もしくは梅雨入りくらいまでの時期をさします。
湿度はまだ低めですが、春に比べると少しずつ日差しが強くなり、新緑の若葉が日を追うごとに真夏の強い日差しに耐えられるように厚みを増し、青くなっていく時期。
今回は、5月~6月に開花を迎える香りの良い花木をご紹介します。
初夏に咲く香りの良い花木13種
ハクウンボク
ハクウンボクは、5月~6月に香りの良い白い花が鈴なりに開花する落葉高木。公園や街路樹として植栽されているのをよく見かけます。花がかわいいハクウンボクですが、つぼみも目を引くかわいさです。雨だれ型のつぼみがぶら下がるようにして、開花の時を待っています。丸くて面積のある葉も魅力的で、明るい緑色の葉と白い花との色合いがとても爽やかな印象です。英名はFragrant snowbellという素敵な名前がついています。
エゴノキ
エゴノキは、5月~6月に香りの良い白い花が鈴なりに開花する落葉高木。日本にも広く分布している他、庭木としても親しまれています。
ハクウンボクとエゴノキは、両方ともエゴノキ科エゴノキ属で一見似ていますが、ハクウンボクより花は小さめです。また、大きく違うのは葉で、ハクウンボクは手のひらサイズの大きな葉ですが、エゴノキの葉は5cm前後なので見分けるのは簡単です。
エゴノキ・ピンクチャイム
ピンクの花が咲く品種もあります。
フジ
フジは、マメ科の落葉性のつる植物。晩春から初夏に薄紫や白の香りの良い花を咲かせます。藤棚などに這わせた高い位置で咲くため、鼻を近づけて香りを確認するのは難しいかもしれませんが、木の下にいるとふんわりと香りが漂ってきます。
カラタネオガタマ
カラタネオガタマは、5月~6月が開花時期のモクレン科の常緑小高木。花がバナナのような香りがすることから、バナナブッシュあるいはバナナツリーとも呼ばれます。実際の香りは、バナナよりももっと爽やかで甘いフルーティーな香りです。
花が小輪なため、木によっては初夏に出てくる新しい葉に隠れてしまい目立たないこともあり、花より先に香りで存在に気付くこともあります。
ホオノキ
ホオノキは、日本全国に自生するモクレン科の落葉高木で、マグノリアの一種です。樹高が30m以上になるため、庭木としてより公園や植物園などで見かけることが多い木です。初夏に香りの良い大輪の白い花を咲かせます。
この木は、どちらかというと花より葉の方が有名です。殺菌作用や防カビ効果があり、包むと良い香りが移る大きな葉は、現在でも朴葉寿司(ほおばずし)や朴葉焼きなどの郷土料理に利用されています。
タイサンボク
タイサンボクは、樹高が20mにもなるモクレン科の常緑高木で、マグノリアの一種です。初夏に白く大きな香りの良い花を咲かせますが、とても高い位置に花が付くことが多いため、下から見上げても気付かないことがあります。たくさん種類があるマグノリアですが、香水の原料や化粧品の香料のマグノリアはタイサンボクのことです。艶のある深い緑色の葉は裏が茶色く存在感があり、最近はマグノリアリーフの名で枝物として流通しています。
バイカウツギ
バイカウツギは、初夏に香りの良い白い花を咲かせる落葉低木。枝分かれして生長し、ブッシュ状の樹形になります。英名のMock orangeとは「オレンジまがい」という意味で、花がオレンジに似た香りがすることが由来です。花の中心にほんのりと赤みがある‘ベルエトワール’は、とくに香りの強い品種です。
スイカズラ
スイカズラは、春から初夏に香りの良い花を咲かせる半落葉性つる植物。花は、咲き始めは白、次第に黄色と変化します。多くの園芸品種が作出され、最近は豊富な花色があります。
生育力が強く、あたりの木々などに絡みついてい生長します。英名のHoneysuckle(ハニーサックル)の名で精油もあり、アロマテラピーや香水として利用されています。
テイカカズラ
テイカカズラは、日本原産のつる性の常緑低木。5月~6月頃、芳香のある花をたわわに咲かせます。
葉は光沢のある明るいグリーンで、生長力が旺盛で、茎の途中からも気根を出して塀や他の樹木に張り付くように伸びるのを生かし、フェンスやトレリスに這わせたり、生垣としても使われます。
ライラック
ライラックは、春から初夏に開花する落葉小高木。フランス語では、リラと呼ばれます。花は円錐形で、小さなかわいい花が集合してひとつの花となっています。爽やかで優しい香りは、香水やアロマオイルとしても人気があります。
センダン
センダンは、センダン科の落葉高木。とても大きくなる木のため、個人宅の庭木というよりは、広い通りの街路樹や公園樹として植栽されています。
初夏にほんのりと甘い香りがする花が開花します。かなり高い位置で花が開花するので、木の下にいても香りはさほど気にならない程度です。花びらの外側としべのあたりが紫色、花びらの内側が白なので、つぼみの時は木一面が紫色、開花ともに淡い紫色に見た目の色合いが変化していきます。
クチナシ
初夏の香りの良い花の代表的な存在のクチナシは、6月~7月に白い花を咲かせる常緑低木。花弁はフェルトのような優しい風合いで、開花中は甘い香りを周囲に漂わせます。
ブッドレア
ブッドレアは、初夏から秋にかけて小さな花が集まって円錐状の形をした花を咲かせる落葉低木。香りと蜜に誘われ蝶が集まることから、欧米では「バタフライブッシュ」と呼ばれています。開花中は、ほんのりと優しい香りが漂います。
新緑が美しい初夏に、花とともに香りで私たちを楽しませてくれる木をご紹介しました。見かけたら香りを味わってみてください。近づきすぎて大量に嗅ぐとむせてしまうことがあるので、木の下で深呼吸をするつもりで香りも楽しむのがおすすめです。
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