矢車菊(ヤグルマギク)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- 矢車菊(ヤグルマギク)
- 学名
Centaurea cyanus
- 英名
- Cornflower
- 和名
- ヤグルマギク
- 別名・流通名
- コーンフラワー
- 科名
- キク科
- 属名
- ヤグルマギク属
- 原産地
- ヨーロッパ地方一帯
矢車菊(ヤグルマギク)の特徴
矢車菊(ヤグルマギク)は、春から初夏に開花するキク科の一年草。花びらの形は矢車に似て放射状に広がっています。以前はヤグルマソウと呼ばれていましたが、別の植物で山間部などに自生しているユキノシタ科の「矢車草」が存在することから、最近は矢車菊(ヤグルマギク)と呼ばれるようになりました。
新品種が続々と登場し、青、白、ピンク、紫系濃淡、黒、ダークレッドなど、花色がとても豊富な草花です。草丈は1m位まで生長する高性種から矮性種まであり、ガーデニング素材としてポピュラーな草花の一つになっています。花は切り花になり、ドライフラワーにしても美しく色が残り、流通もしています。
矢車菊(ヤグルマギク)はハーブの一種で、ハーブ名(英名)では「コーンフラワー」と呼ばれ、古くから薬用、食用、染料用、観賞用として利用されています。コーンフラワーのcornは穀物を意味し、麦畑で見かける花ということから名づけられました。
矢車菊(ヤグルマギク)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
---|---|
草丈・樹高 | 30~100cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白、青、ピンク、紫、ダークレッド、黒、複色 |
開花時期 | 4月~7月 |
矢車菊(ヤグルマギク)の種類・品種
園芸店などにある矢車菊(ヤグルマギク)の多くは八重咲きですが、原種は一重咲きの品種です。最近は青の他、白、ピンク、黒、ダークレッド、ラベンダー色など様々な花色があります。
矢車菊(ヤグルマギク)のドライフラワーの作り方
矢車菊(ヤグルマギク)はドライフラワーでも楽しむことができます。茎をつけたまま、直射日光の当たらない風通しの良い部屋に花を下にして天井や壁に吊り下げておくと、数日~1週間程度でドライフラワーになります。
花首だけをシリカゲルを使ってドライフラワーにすることもできます。
用意するもの
- ドライフラワー用のシリカゲル
- 完全に密封できる蓋つき容器(タッパーや大きな空き缶)
- 矢車菊(ヤグルマギク)、花首だけでも少し茎をつけてもお好みで
作り方
容器の半分位までシリカゲルを入れ、矢車菊(ヤグルマギク)を上にのせ、上から残りのシリカゲルをかけます。蓋をして、涼しい所に置いておくと3~4日位でドライフラワーになります。
矢車菊(ヤグルマギク)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
開花 |
矢車菊(ヤグルマギク)の栽培環境
日当たり・置き場所
矢車菊(ヤグルマギク)は、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。品種が豊富にあり、品種によって草丈がまったく違います。丈を調べて植栽する位置を決めましょう。
用土
用土は水はけの良い土が適しています。市販の草花用培養土やハーブ用の土でも問題なく育ちます。
矢車菊(ヤグルマギク)の育て方のポイント
水やり
矢車菊(ヤグルマギク)は乾燥気味を好みます。多湿にならないようにするのが水やりのポイントです。
地植えの矢車菊(ヤグルマギク)は、根付いてからの水やりの必要はありません。
鉢植えは、土の表面が乾いてきたらたっぷりとを目安に水やりをしましょう。
肥料
地植えの矢車菊(ヤグルマギク)は、肥料の必要はほとんどありません。
鉢植えは、草花用の肥料を少なめに与える程度で十分育ちます。
病害虫
矢車菊(ヤグルマギク)は、立枯病やアブラムシに注意が必用です。立枯病対策としては、毎年同じ場所で育てないことが大事です。
立ち枯れ病:初期症状は葉枯れ病とほとんど同じで、葉に円形や楕円形の赤褐色の小斑点ができ、斑点の中心部はやや淡い褐色となってくぼんでしまいます。カビが原因の病気です。株全体が萎れてしまい、根元近くからだんだんと黄色く変色してやがて腐ってしまいます。葉には紫褐色の病斑が現れて枯れ落ち、花が咲く前に蕾の状態で褐色になり枯れ死してしまいます。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
矢車菊(ヤグルマギク)の詳しい育て方
選び方
3月頃になると矢車菊(ヤグルマギク)の苗が出回ります。葉っぱが生き生きとした緑色で、茎がしっかりした株を選びましょう。これから咲く若い苗のうちに定植したほうが根付きやすくなり、たくさんの花を楽しむことができます。
種まき
矢車菊(ヤグルマギク)の種まきは9月~10月が適時です。直まきにするか、育苗ケースなどにまいて本葉が6~8枚程度になったら移植します。ポットに数粒まいて良い芽を残して育苗すると移植の手間が省けます。
植え付け
庭に秋のうちに植え付けると、冬の間、じっくりと根が張るので春にたくさんの花を咲かせます。鉢への植え付けは、いつでも可能です。ポット苗はそのままにせず、早めに定植しましょう。
矢車菊(ヤグルマギク)は直根性です。植え付けるときは根をいじらないようにしましょう。
直根性とは
根っこが地中深く枝分かれすることなく、まっすぐに伸びていく性質のことをいいます。そのため直根性の植物は、太い根を少しでも傷めてしまうと植物のダメージが大きく、うまく根付きません。
仕立て方
丈の高い品種の矢車菊(ヤグルマギク)は、風などで倒れることのないように早めに支柱などで支えましょう。
花
矢車菊(ヤグルマギク)は4月ごろから梅雨入りくらいまで開花します。終わった花がらはこまめに摘み取り、種をつけないようにした方がたくさんの花を楽しめます。
収穫
矢車菊(ヤグルマギク)は切り花やドライフラワーとしても利用でき、流通しています。
エディブルフラワーとして飲食用に矢車菊(ヤグルマギク)を利用する場合は、食用として育てられている苗を購入しましょう。
観賞用と食用では、生産過程で使用する薬剤が違うことがあります。食用可能と確認できたもの以外は、観賞用として利用することをおすすめします。また、食用にしたい場合は、必ず確認して購入しましょう。
夏越し
矢車菊(ヤグルマギク)は梅雨前までの一年草なので、夏越しの必要はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
矢車菊(ヤグルマギク)は種で増やすことができます。環境に合うとこぼれ種でも発芽するほど性質は強健です。