秋は種まきの季節!初心者におすすめの秋まきで春に花咲く一年草6種

金子三保子
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種から育てたことがない方にとっては、「種まきってなんだか難しそう……」と思われている方も多いのではないでしょうか。
今回は初めて種から草花を育てる方におすすめの種まき方法「直まき(じかまき)」で種をまける秋まきで春に開花する一年草をご紹介します。
目次
直まき(じかまき)って?
種のまき方の「直まき」とは、花壇やプランターなどに、種を直接まいて発芽させる方法です。比較的、大きめなサイズの種や、移植を嫌う性質の植物の種まきに向いている種のまき方です。発芽したばかりの細かい芽を移植するという繊細な作業がないので、初めて種から花を育てたい方におすすめしたい種まき方法です。
種まきの時期は、地域によって異なりますが、大きく分けて年に2回。東京のような温暖地だと、春の花は秋に種をまき、夏の花は春に種をまくというスケジュールです。つまり、来年の春に向けての種まきの時期は、ちょうどこれからの9月~10月です。
直まきの注意点
草花の種をまくうえで、気を付けたいことがあります。それは、種をまく草花が、嫌光性種子か、好光性種子かということです。あとはそれぞれの草花には発芽の適温というものがあるので、それぞれお住いの地域によって、同じ草花でも種をまく時期が違います。それぞれの地域にあった時期に種をまくと発芽率が高まります。
嫌光性種子……発芽するのに光を遮る必要がある→種に土をかけて種から光を遮ります。
好光性種子……発芽するのに光が必要である→種に土はかけない、もしくは薄くかけます。
種の袋って大切!
はじめて種まきをする方は、日本の種苗メーカーから販売されている種をおすすめします。地域によっての種まきの時期、覆土のしかた、移植のタイミングなどなど、種の裏に必要な情報が詰まっています!種を買ったら是非裏の説明書きに注目してみてください。
直まきできる!秋まきで春に開花する花
ヤグルマギク
別名コーンフラワー。9月~10月が種まきの時期です。もともとのオリジナルのヤグルマギクはブルーですが、最近は品種がとても豊富になりました。高性タイプは1メートル前後の草丈になりますが、20センチ前後の丈の低い品種もあります。切り花として使いたい方は、高性タイプの品種を選びましょう。色は、ブルー、ピンク、白が定番ですが、最近はとても素敵な複色系やシックな色、なんとも表現のしがたい淡い色のものもあります。ヤグルマギクは直根性の草花なので、もともと移植を嫌う性質があり、直まきがおすすめです。
矢車菊(ヤグルマギク)
- 矢車菊(ヤグルマギク)は、春から初夏に開花するキク科の一年草。花びらの形は矢車に似て放射状に広がっています。以前はヤグルマソウと呼ばれていましたが、別の植物で山間部などに自生しているユキノシタ科の「矢車草」が存在することから、最近は矢車菊(ヤグルマギク)と呼ばれるようになりました。 新品種が続々と登場し、青、白、ピンク、紫系濃淡、黒、ダークレッドなど、花色がとても豊富な草花です。草丈は1m位まで生長する高性種から矮性種まであり、ガーデニング素材としてポピュラーな草花の一つになっています。花は切り花になり、ドライフラワーにしても美しく色が残り、流通もしています。 矢車菊(ヤグルマギク)はハーブの一種で、ハーブ名(英名)では「コーンフラワー」と呼ばれ、古くから薬用、食用、染料用、観賞用として利用されています。コーンフラワーのcornは穀物を意味し、麦畑で見かける花ということから名づけられました。
ワスレナグサ
青い小さな花が地面一面に咲く様子は、とても見事です。ワスレナグサの種まきは10月、開花は3月~5月です。性質が強いので、環境に合うとこぼれ種でも発芽する可能性があります。暑さや蒸れに弱いので、日本では一年草として扱われています。定番のブルーの他、ピンク、白があります。最近は、高性タイプもあり、生花としても出回っています。
ネモフィラ
ネモフィラは、国営ひたち海浜公園をはじめとした公共施設などの広い空間で植栽されて有名になったことから、ご存知の方も多い草花ではないでしょうか。
ほふく性で這うように生長するので、狭いスペースはもちろん、広い空間のグランドカバーとして種をまくと、春にはブルーのカーペットのようになります。ネモフィラは直根性で移植を嫌う性質なので、直まきにはおすすめの草花です。
色は定番のブルーの他、黒、白、など、数品種あります。ネモフィラの種まきは9月~10月、開花は3月~5月です。
ネモフィラ
- ネモフィラは、鮮やかな青色の花、可憐な斑点の黒花、水玉模様の白花など、愛らしい花が特徴の春に咲く一年草です。乾燥や寒さに強いことから、初心者向けの丈夫な花でもあります。切れ込みの入った葉っぱがこんもりと生い茂る姿は、花に負けず劣らず魅力的です。ネモフィラは、プランター、ハンギング、露地への直まきなど多様な条件で栽培でき、横に広がる性質を持つためグランドカバーとしても人気があります。ネモフィラは種まきや移植など、育て方のポイントを知れば、初心者でも簡単に育てることができる草花です。 ネモフィラは、国営ひたち海浜公園をはじめとした公共施設などの広い花壇で植栽されて有名になったことから、ご存知の方も多い草花ではないでしょうか。広大な敷地がネモフィラの花で一面覆いつくされる風景は、今では春の風物詩となっています。
ギリア
ギリアは春から初夏に咲く一年草。品種によって色々な花の形があります。どれも花丈は40~50センチくらいにはなるので、切り花としても利用できます。
ギリアは品種がいくつかあって、ギリア・カピタータやギリア・レプタンサは、ブルー系の花です。
ギリア・トリコロール
英名でBird’s eyesという名前もあります。鳥の目玉みたいだからでしょうか。花姿がとてもかわいい草花です。ゆらゆらと咲く姿は繊細そうですが、性質はとても強く、環境があえばこぼれ種でも発芽します。種まきは9月~10月です。
▼ギリア・トリコロールは色々な色があります。
ポピー、花菱草
ポピーや花菱草(カリフォルニアポピー)などケシ科の花は、直根性で移植を嫌うので直まき向きの草花です。
花菱草
ポピーと同じケシ科の花ですが、花の形はポピーとはまったく違う花姿。花色は、定番のオレンジの他、クリーム色、アイボリー、アプリコット、赤、ピンクなど年々新品種がでてきています。
一重の他、八重咲き種もあります。花菱草はお日様とともに花が開き、夜は花が閉じます。晴れた日にキラキラした花びらがお日様に向かって咲く花姿はとても見事です。広い空間の花畑などにも使われることがあります。種まきは9月~10月です。
アイスランドポピー
アイスランドポピー
- アイスランドポピーは、細い茎の先に、薄紙のような花びらの花を咲かせます。切り花の「ポピー」という名で出回っているものは、このアイスランドポピーです。 アイスランドポピーはケシ科の多年草で、寒冷な気候の地域に分布し、山岳地帯の岩場、砂地の草原などに自生しています。日本には大正時代初期に渡来し、春の花壇を彩る花として親しまれています。本来は多年草ですが、日本の夏の高温多湿にとても弱く枯れてしまうため、秋まきの一年草として扱われています。 アイスランドポピーはシベリアで発見されたことにより、シベリア雛罌粟(シベリアヒナゲシ)と呼ばれていましたが、アイスランドポピーが発見されたシベリアの気候がアイスランドに似ていることから、アイスランドポピーと呼ばれるようになりました。 同じケシ属の近縁種には、ヒナゲシ(シャーレーポピー)やオリエンタルポピーがあります。アイスランドポピーは寒冷地に分布していることから、それらの近縁種より開花する時期が早いのが特徴です。ヒナゲシは茎を分枝させて花を咲かせるのに対して、アイスランドポピーの茎は分枝せず、一本の茎に一輪の花が咲きます。また、ヒナゲシには伸びた茎に葉が付きますが、アイスランドポピーは分枝せずに株元から茎を伸ばすため、茎に葉がありません。 国内にはアイスランドポピーの花畑が観光名所となっているところもあります。カラフルな色のアイスランドポピーが一面に咲いている姿はとても美しく見事な光景で人気です。
シャーレーポピー
その他の直まきできる草花
一部をご紹介しましたが、まだまだあります。
例えば……
アグロステンマ、スイートピー、ニゲラ、キンギョソウ、スカビオサ、千鳥草(ラクスパー)、シレネ、オンファロデス・リニフォリア、リナリア、スターチス、カンパニュラ、レースフラワー、アリッサム、ナデシコ、ビスカリア、ノースポールなども直まきができる草花です。
種の袋に「移植を嫌う」とか「直根性」などと書かれている場合は、直まき向きです。
▼直根性についてご紹介しています。
種まき後の注意点
直まきでの種まきの仕方は簡単。地面にパラパラと偏りがないように種をまいていきます。まいた草花が嫌光性か好光性によって土をかける、かけないを決めましょう。
地面に直まきした後は、その地面を踏まように注意しましょう!「種まき中」などの札をつけたり、柵やひもで種まきしたスペースに立ち入らないようにして発芽を待ちます。
ビスカリア
パラパラと種をまいたあとは発芽を待つのみ。手に入りやすい種なら、1袋200~300円くらいで手に入ります。芽が出てくるまで、発芽した瞬間、初めての一番花から満開になる過程と、苗から育てた時とは違った喜びを味わえます。
もし発芽しなかったら?……年明けから上記の苗が出回ります!気軽な気持ちで、まずは直まきの種まきをチャレンジしてみませんか?
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