- ミツバウツギは、日本の山林に自生するミツバウツギ科の落葉高木。三葉空木という名前の由来は、葉が3枚の小葉からできていて、ウツギと同じ時期に花が咲くことによります。ウツギと名に付きますが、ウツギの仲間ではありません。アジサイと同じく、日本の梅雨に咲く花の一つです。 ミツバウツギは、枝から細く伸びた葉柄に3枚の先の尖った卵型の葉を対に展開させます。花が咲かない無花枝と咲く有花枝とがあり、有花枝は先端に白い小花を集合させて房状に咲かせます。一つ一つの花は1cm程度と小さく、全開しません。開きかけのようなフォルムで少しうつむくように咲く花は、楚々とした風情があり、見ていて飽きません。花には芳香があるので、木の下で花を眺めていると、ふわりと爽やかな香りが漂ってくることがあります。 花の後にできる実は風船状に膨らんでいて、中心で二つに分かれたような変わったフォルムをしています。秋に熟すとさやが割れて、種を落とします。冬になって落葉してもさやだけが枝に残っている姿を見かけることがあります。 幹は灰褐色で堅く、木釘や串の材として利用されてきました。また、春の若い葉にはごま油のような香りがあり、芽を摘んで和え物や天ぷらにして食べることができます。