唐辛子の保存方法(乾燥・冷蔵・冷凍)、調味料になる保存食の作り方
山田智美
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唐辛子の保存方法、乾燥、冷蔵、冷凍の3種と簡単にできる保存食の作り方や唐辛子の種類を紹介します。保存ができて、用途も豊富な便利な野菜。たくさん手に入ったときに参考にしてみてください。
目次
唐辛子とは?基本情報
- 学名:Capsicum annuum
- 科名・属名:ナス科
- 分類:カプシカム(トウガラシ)属
唐辛子(トウガラシ)の特徴
唐辛子はナス科の多年草。中央・南アメリカ原産の辛みが特徴の野菜です。原産地では多年草ですが、日本では一年草として栽培されています。
初夏に小さな白い花を咲かせ、夏から秋にかけて赤や黄色に熟した果実を実らせます。この果実はカプサイシンという成分を含んでいて、これが唐辛子の辛みのもととなっています。
唐辛子は、世界中で数十種類存在すると言われています。さらに食用に多くの栽培品種が作られています。栽培品種には辛みの少ない品種と辛みの強い品種があります。実はピーマンは唐辛子の仲間で、辛みが少ない生食用の栽培品種です。
唐辛子は、料理に辛みと香りをつけるために欠かせないスパイス。和食を始め、中華やエスニック、ヨーロッパ、アフリカと、世界中の料理で重宝されています。
唐辛子の種類
唐辛子(Capsicum annuum)の種類
鷹の爪(タカノツメ)
鷹の爪は日本で作られた栽培品種。辛みが強いのが特徴です。日頃見かけるのは乾燥したものですが、生の鷹の爪も流通しています。
ハラペーニョ
辛い唐辛子の代表のような品種。肉厚で辛みが強いのが特徴です。
シシトウ
辛みの少ない唐辛子の1品種。熟す前の青い果実を食用にします。揚げたり炒めたりするほか、生でも食べられます。
ピーマン
辛みの少ない唐辛子の1品種。その独特な苦味から苦手とする子供や大人も多い緑黄色野菜の代表種で、明治以降にできた品種だと言われています。唐辛子の仲間であることはあまり認識されていません。
キダチトウガラシ(Capsicum frutescens)の種類
キダチトウガラシは熱帯アメリカ原産。熱帯地域では多年草です。
タバスコ
酸味の効いた辛さが魅力のタバスコソースは、このタバスコという品種から作られたものです。
島唐辛子
大きさ3cm程度と小さいながらも辛みの強い品種。沖縄の島唐辛子を泡盛に漬け込んだ、コーレーグースという調味料が有名です。
キネンセ種(Capsicum chinense)の種類
キネンセ種は、中央アメリカからカリブ海諸島原産。熱帯地域では低木になります。和名はつけられていないようです。
ハバネロ
激辛で有名な品種。卵型の果実を実らせます。
唐辛子の乾燥保存方法
唐辛子は自然乾燥させて保存することができます。
唐辛子の茎をしっかりと結び、直射日光を避けた風通しの良い屋外に2週間~1か月程度吊るしておくだけ。唐辛子の表面にシワができ、降ると中のタネがカサカサ動くような音がしたら出来上がりです。雨や湿気が多い日は取り込んでください。カビが生える心配があります。
唐辛子は乾燥するにつれ、茎が痩せて抜け落ちてしまうことも。少量ならザルに広げて天日干しもできます。その場合はできるだけ重ならないように広げてください。束で干す際にはワイヤーなどを使って、きつく結びつけると抜け落ちにくくなります。
乾燥唐辛子の保存期間
完全に乾燥させた唐辛子は、密閉できる容器に入れて直射日光を避けて保存します。冷蔵庫での保存がおすすめです。環境にもよりますが、おおむね半年から1年程度で使い切るようにしましょう。
唐辛子の冷蔵保存方法
生の唐辛子は冷蔵保存で楽しめます。しっかりと水分をふき取ってから密閉できる容器や袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。余計な水分は、カビの原因となるので注意しましょう。
ヘタが黒ずんでいたり、カビが生えているようなものがあったら見つけ次第処分してください。他の唐辛子にも伝染してしまいます。
冷蔵唐辛子の保存期間
冷蔵した唐辛子は1週間を目安に使い切りましょう。
唐辛子の冷凍保存方法
生の唐辛子は丸のままでも、カットしても冷凍保存が可能です。丸のまま冷凍する場合は、冷凍焼けを避けるためにも1つずつラップで包んでからフリーザーバッグなどに入れて冷凍庫で保存します。
カットした唐辛子は、少量ずつラップで包み、フリーザーバッグなどに入れて冷凍庫で保存します。どちらの場合もしっかりと水気をふき取ってください。
冷凍した唐辛子は、生と同じようには使用できません。炒め物や煮込みなど加熱調理に向いています。調理の際は凍ったまま料理に加えるようにしましょう。
冷凍唐辛子の保存期間
冷凍保存した唐辛子は2~3か月を目安に使い切るようにしてください。
唐辛子の保存食の作り方4種
唐辛子のオイル漬け
材料
- 唐辛子適量
- ニンニク 適量
- オリーブオイル 適量
作り方
- 唐辛子は輪切り
- ニンニクはみじん切り
- 唐辛子とオリーブオイルを密閉容器に入れ、ひたひた強程度のオイルを注ぎ、しっかりと蓋をする
- 一晩寝かせて香りが移ったら出来上がり
唐辛子とニンニクの香りが移ったオイルは、オイル蒸し、料理の仕上げの香りづけ、ドレッシングと、様々な料理に使用できます。オイルは時間が経つと酸化してしまうので、保存は冷蔵庫で。固まっても常温に戻せば問題なく使用できます。
唐辛子でハリッサ
材料
- 唐辛子 15~20g
- にんにく 1片
- コリアンダーシード 小さじ1
- キャラウェイシード 小さじ1
- パプリカパウダー 小さじ1/2
- 白ワインビネガー 小さじ1/2
- オリーブオイル 大さじ2と1/2
- 塩 少々
作り方
- 唐辛子はお湯に浸けて戻しておく
- すべての材料をペースト状になるまですりつぶしたら出来上がり
ハリッサとは、唐辛子をベースにニンニクやハーブを混ぜ合わせたペースト状の調味料のこと。唐辛子は生でも乾燥でも、どちらでも問題ありません。
すり鉢がなければ、唐辛子、にんにく、スパイスをすべてみじん切りにして他の材料と混ぜ合わせても作ることができます。少し粗いハリッサが出来上がります。
お肉料理、魚料理の薬味やディップに。香りと辛みのある香辛料です。
唐辛子味噌
材料
- 唐辛子 15~20g
- 味噌 200g
- にんにく 1片
- ごま油大さじ 1
- みりん大さじ 2
作り方
- すべての材料をすりつぶして混ぜ合わせたら出来上がり
すり鉢がなければ、唐辛子とにんにくをみじん切りにして他の材料と混ぜ合わせても作ることができます。少し粗い唐辛子味噌が出来上がります。
味噌はお好きな種類で。麦味噌や信州味噌を混ぜて使用するのもおすすめです。みりんはお好みで調整してください。
お豆腐料理の薬味や野菜のディップなど、日々の料理のちょっとしたアクセントにどうぞ。
唐辛子の醤油漬け
材料
- 唐辛子 適量
- 醤油 適量
- 昆布 容器に入るサイズにカット
作り方
- 唐辛子を小口切りにする清潔な密閉容器に入れ、唐辛子がひたひたになる程度の醤油を入れる
- 昆布を入れたら、冷蔵庫で1晩寝かせて出来上がり
唐辛子の辛みのきいた醤油は使い勝手の良い調味料。酢とごま油を混ぜてドレッシングにしたり、野菜の浅漬けに使用したり。淡白な白身魚のお刺身にもよく合います。ちょっと刺激が欲しいときなど、日々の料理に活用してください。
唐辛子は保存のできる便利な野菜。上手に保存すれば長く楽しめます。日々の食卓が豊かになりますように。
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