ローズマリーを挿し木で増やそう!失敗しない挿し木方法、時期や冬越し
山田智美
このライターの記事一覧
ローズマリーは挿し木で簡単に増やせるハーブです。ローズマリーの挿し木について、方法、注意点、時期、用土、鉢上げのタイミングなど細かく説明しています。この機会にチャレンジしてみませんか。
目次
- ローズマリーとは?基本情報
- ローズマリーの失敗しない挿し木の方法
- ローズマリーを挿し木する時期
- ローズマリーの挿し木の用土は?バーミキュライトって本当?
- ローズマリーの挿し木は水耕栽培できる?室内は?
- ローズマリーの挿し木を鉢上げするタイミング
- 挿し木したローズマリーの冬越し
ローズマリーとは?基本情報
ローズマリーの特徴
ローズマリーは、地中海地方原産のシソ科のハーブ。濃いグリーンの葉は常緑で、こんもりとブッシュ状になります。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、化粧品、香料として人気。
品種によって花期に違いがありますが、枝の先に青みがかった薄紫色の小さなかわいらしい花を咲かせます。別名は海の雫。ローズマリーの花の色から名付けられたとされています。この花から採れる蜂蜜も有名です。
ローズマリーの生長の仕方は、真直ぐ上に枝を伸ばしていく木立性と、地面を這うように枝を伸ばすほふく性、両者の中間的な半ほふく性があります。景観に合わせて選ぶとよいでしょう。ローズマリーは乾燥に強く、育てやすいハーブです。
ローズマリーの失敗しない挿し木の方法
挿し木とは?
挿し木とは枝の一部を切り取り、発根させて増やすことを意味します。種まきや株分けと同じように植物を増やす方法の1つです。挿し木の他に、挿し芽、茎挿しなどとも呼ばれます。
挿し木のメリットは種まきよりも早く大きくなることと、親株と同じ株、つまりクローンを育てられることです。
ローズマリーの挿し木の方法
用意するもの
- ローズマリーの枝10cm程度
- 排水用の穴の空いた小さなポット
- 未使用で清潔な用土
挿し木の方法
- 病害虫の被害のないローズマリーの枝を10cmほど切り取る
- 枝の下半分くらいの葉を落として挿し穂を作る
- 挿し穂の枝の切り口をできるだけ大きく斜めにカットして、1~2時間水に浸け、しっかりと吸水させる
- ポットに用土を入れ、十分に湿らせておく
- 吸水させたローズマリーの挿し穂を5cm以上土に埋まるように挿す
- 風通しの良い半日陰で管理し、発根するまでは土を乾かさないように毎日水やりを行う
ローズマリーの挿し木で失敗しない注意点
ローズマリーは植え替えを嫌うのに、挿し木は簡単に発根するちょっと変わった植物。そうは言ってもいくつかの注意点があります。
先端の方の枝は避ける
挿し木にする枝は、あまり先端の方の柔らかいところは避けましょう。水が落ちやすいので失敗してしまう心配があります。触ってみて茎がしっかりと硬くなっている部分がおすすめです。
枝を挿すときには葉を落とした部分を思い切って深く挿しましょう。茎の中の養分やホルモンの働きで発根するので、茎は長い方が発根しやすくなります。
肥料は必要ない
発根させる過程で肥料は必要ありません。発根促進剤を塗布する際は、記載されている使用方法の通りに使ってください。
1か月は抜かない
ローズマリーの挿し木は発根するまでに1か月ほどかかります。この間、どんなに気になっても、むやみに挿し穂を抜いて根を確認するようなことはしないでください。ローズマリーにストレスがかかってしまいます。
ローズマリーを挿し木する時期
ローズマリーの挿し木をする時期は、真夏と真冬を避けた気候の良い時期です。春から初夏、晩夏から秋の暖かいうちに挿し木を行うようにしましょう。
真夏と真冬は植物にとっても過ごし辛い季節。特に発根してすぐの枝は赤ちゃんのようなものなので、猛暑や極寒といった強いストレスで枯れてしまいます。
春や秋の剪定のタイミングで挿し木をすれば、剪定した枝を捨てることもなく、時期もぴったりなのでおすすめです。
ローズマリーの挿し木の用土は?バーミキュライトって本当?
ローズマリーの挿し木の用土
ローズマリーの挿し木は、あまり用土を選びません。バーミキュライトに赤玉土小粒や酸度調整済みのピートモスを等量で混ぜたもの、肥料の入っていない園芸用培養土などで問題なく挿し木できます。
ローズマリーの挿し木にはバーミキュライト?
バーミキュライトは、蛭石を高温で焼いたもの。軽くて水はけが良いのが特徴です。つまりバーミキュライトは、乾燥しやすい用土ということになります。
バーミキュライトのみでも挿し木はできますが、発根するまでは水切れのないように管理したいので、バーミキュライトに赤玉土小粒やピートモスを混ぜたものをおすすめします。
ローズマリーの挿し木は水耕栽培できる?室内は?
結論からお伝えしますと、ローズマリーの挿し木は、水耕栽培はできません。水に挿しておけば根は出ると思いますが、それ以上水だけで育てるのは難しいでしょう。
ローズマリーはしっかり大地に根を張って、日光、風、水を必要とする植物です。水耕栽培で根が出たら土に植え替えて育てるようにしてください。
ローズマリーの挿し木は室内でもできる?
ローズマリーの挿し木は、室内では育てられません。ローズマリーは、地中海地方原産の植物。風と太陽の光を必要とします。室内では発根する前に葉が黒くなって枯れてしまう心配もあります。ローズマリーの挿し木は、屋外で管理するようにしてください。
ローズマリーの挿し木を鉢上げするタイミング
早ければ2週間、大体1か月ほどで発根します。発根したかどうかは挿し穂の先端から新芽が出てきたかどうかで判断します。
新芽が確認できたら、ポットからそっと取り出して鉢に植え付けます。この時の用土は市販の園芸用培養土やハーブ用培養土で問題ありません。
挿し木したローズマリーの冬越し
挿し木から鉢に植え付けしたばかりのローズマリーは、まだ根が安定していない可能性があります。真冬の寒さはローズマリーにとっても辛いもの。霜が当たらないような日当たりの良い場所で管理しましょう。
冬の間の水やりは、表土が乾いたらたっぷりとを目安に、できるだけ午前中に行ってください。午後の遅い時間に水やりすると、土のなかの水分が夜の間に凍ってしまい、根を痛める原因になります。
ローズマリーは植え替えを嫌うのに、挿し木で簡単に根付く植物。伸びて地面に付いてしまった枝の途中から根を出していることもあるくらいです。
ローズマリーは、フレッシュでもドライにしても使い道がたくさんあります。挿し木で増やして、周囲の人に配ってみるのも楽しいのではないでしょうか。
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