縁起のいい木25種。玄関や庭木におすすめの種類からご神木まで

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山田智美

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縁起のいい木とは?理由から庭や玄関におすすめの種類、ご神木にされているものまで25種類の縁起のいい木を紹介します。

目次

縁起のいい木とは?

縁起のいい木とは?

縁起のいい木とは、昔から日本で霊力がある、幸せを呼ぶ、金運が上がる、魔除けになる、邪気を払うなどと信じられて大切にされてきた木のこと。縁起がいいと言われる理由は神話や伝承、語呂合わせなど様々です。

縁起のいい木は、庭に植えるほか、魔除けのおまじないにしたり、お飾りにしたりと、私たち日本人の生活の中で身近な存在でした。

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玄関におすすめの縁起のいい木5種

アジサイ

玄関におすすめの縁起のいい木|アジサイ

アジサイアジサイ科の落葉低木。日本原産の庭木です。

小花が集合して大きな毬のような花になることから「一家団欒」という花言葉を持っています。

また、「アジサイを玄関に植えておくとお金が貯まる」「アジサイの花を入口に吊るしておくと魔除けになる」などの言い伝えがあります。

アジサイ(紫陽花)

  • アジサイは、日本原産の落葉低木です。日本原産のガクアジサイが西洋に渡り品種改良を重ねられ、西洋アジサイとして日本に逆輸入されてきました。 最近は西洋アジサイ、ガクアジサイともに、品種、形、色の種類が豊富にあります。次々に新品種が登場してくるので、追いつけないほどです。アジサイの育て方は、翌年も花を咲かせるための剪定にコツがありますが、基本的には簡単です。一度植え付ければ、長い間花を楽しめる寿命の長い植物で年々花数が増えて見事な株になります。 最近ではアジサイは鉢花、切り花の他、ドライフラワーとしても人気があります。

ボタン

玄関におすすめの縁起のいい木|ボタン

ボタンボタン科の落葉低木。

昔の中国ではその優美な花姿から「花の神にして百花の王」と言われ、高貴な花として城中で育てられていたそうです。邪気を払う、縁起のいい花とされています。

牡丹(ボタン)

  • 牡丹と芍薬の花はよく似ていますが、芍薬は草本、牡丹は木本の落葉低木です。春になると新芽が芽吹き、先端に花径15~40cm程の花をつけます。花形は一重、八重、千重、万重、獅子咲きなど、種類が多い植物です。 一般的には春咲きの春牡丹ですが、春牡丹より小ぶりで、春と初冬の年二回咲く寒牡丹という種類もあります。その他、冬牡丹と呼ばれている牡丹は、春牡丹を温度管理によって人工的に冬に咲かせたものです。 牡丹の花色は白、桃、紅、朱赤、黄、絞りや複色など種類が豊富です。中国原産の花木で、奈良時代に薬用木として渡来し、その後改良が進んだ結果、中国の品種とは異なる独自の品種群がつくりだされました。欧米で改良された品種群にフランスボタン、アメリカボタンがあります。

ダイダイ

玄関におすすめの縁起のいい木|ダイダイ

ダイダイはミカン科の常緑樹。

名前を「代々」とかけて、「玄関にダイダイの木を植えると繁栄する」という言い伝えがあります。

ダイダイの英名はビタースウィート。苦味のある柑橘類なので生食には不向きですが、香りが良いので果実酒や料理の香りづけに使用します。また、ダイダイの花はネロリと呼ばれ、アロマオイルや香料として人気があります。

ヒイラギ

玄関におすすめの縁起のいい木|ヒイラギ

ヒイラギは葉の縁がギザギザと尖っているのが特徴のモクセイ科の常緑樹。

昔から日本ではこの葉が鬼の目を刺すと信じられてきた縁起のいい木です。イワシの頭とあわせて節分の魔除けにも使用します。「ヒイラギを家の入口に植えると魔除けになる」と言われ、縁起のいい木とされています。

ナンテン(南天)

玄関におすすめの縁起のいい木|ナンテン

ナンテンはその名前が「難を転ずる」を連想させることから、縁起のいい木とされています。

「ナンテンを植えると幸せになる」「ナンテンが茂ると家が栄える」「ナンテンにたくさんの実がなると豊かになる、財産が増える」など、たくさんの言い伝えがあります。他にも「墓地で転んだらナンテンの枝に触ると良い」など、難を転ずるという名前にあやかった言い伝えもあります。

日本全国でも縁起のいい庭木として人気。特に玄関や庭に植える木として好まれています。またお正月飾りに使用されます。

南天(ナンテン)

  • 南天(ナンテン)は、赤い実がお正月の花材として欠かせないメギ科の常緑低木で、古典園芸植物の一つです。日本では関東以西で自生し、栽培も容易です。初夏に白い花が開花しますが、一般的には赤い実の季節の冬が鑑賞期で、もっとも目立つ時期です。 南天(ナンテン)は、冬でも濃い緑が茂る様子や赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ、古くから魔除け、厄除け、無病息災を願い、多くの家庭で栽培されてきました。 和名の「南天」は、難を転じる「難転」や「成天」の意味合いで、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。 南天(ナンテン)は観賞するだけでなく、実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めや喉の痛みなどの民間薬として利用されてきたほか、「南天のど飴」として販売されています。 お赤飯や煮物、魚など、料理の上に乗せられる南天(ナンテン)の葉は、縁起物としてだけではなく、防腐や殺菌を目的として使われています。

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庭木におすすめの縁起のいい木13種

庭木におすすめの縁起のいい木|梅

梅はバラ科の落葉高木。

まだ寒い早春から香りの良い花を咲かせるので、希望を連想させることから縁起のいい木として好まれてきました。他にも紅白の花を咲かせることから縁起がいいとされています。

また、「庭に梅を植えると災難除けになる」「鬼門に梅を植えると悪神除けになる」という言い伝えもあります。

梅(ウメ)

  • 梅(ウメ)は、初春のまだ寒い時期に香りのよい花を咲かせる落葉高木です。日本には中国からかなり古い時代に薬用として渡来しました。梅(ウメ)の樹高は10mに達しますが、3~5m程度で管理され、古くから花、香り、果実の3拍子揃った春を告げる落葉花木として全国各地で植栽され広く親しまれています。 梅(ウメ)の枝は広く張り、葉は長さ5~8cm程度で二重鋸歯があります。花は2年枝の細く短い枝に2.5センチ程度の花をつけます。梅(ウメ)は品種によって開花期に違いがあります。性質上、野梅性・緋梅性・豊後性・杏性の4系統に分けられますが園芸上は花を観賞する梅と果実の収穫を目的とする梅に分けられます。 果樹としては各地に産地があり、観賞樹としては庭や公園に春を告げる木として好んで植えられます。また、梅(ウメ)は花もの盆栽の代表格です。

桃

桃はバラ科の落葉高木。桃は昔の中国では霊力のある木とされていました。

日本でも桃の果実がお尻を連想させるということから、安産、多産の象徴としてひな祭りに飾られたという説もあります。「桃を鬼門に植えると魔除けになる」という言い伝えもあります。

もも(桃)

  • もも(桃)は、バラ科サクラ属の落葉中高木で、樹高は2~4mに達し花が美しく、果実は、ほのかな紅色をし甘くみずみずしさがあります。植え付けから数年で成木になり大きな実を収穫できますが、病害虫が多く栽培には摘果や袋かけ、薬剤散布の手間と技術が必要です。極早生種から晩生種までさまざまですが初心者は早生種の方が栽培しやすいです。中国では3000年以上前から食用として栽培されていたといわれており、禍を避け福を招く縁起のよい木と考えられています。ヨーロッパには紀元前に伝わっておりローマ帝国の書物にも登場します。日本に伝わった時期は不明ですが縄文遺跡から種が出土しています。

ジンチョウゲ(沈丁花)

庭木におすすめの縁起のいい木|沈丁花

ジンチョウゲは初春に爽やかな芳香を放つ常緑低木。

その香りから人気の庭木です。ジンチョウゲは中国名を「瑞香」と言います。「瑞」は吉兆を意味する言葉。その名前から縁起のいい木とされています。

沈丁花(ジンチョウゲ)

  • 沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます。沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に小さな花が毬のような塊になって枝先に咲きます。花が白い品種を「シロバナジンチョウゲ」、花の外側が淡紅色になっているものを「ウスイロジンチョウゲ」と言います。ちなみに、葉の外側に斑が入っているものを「フクリンジンチョウゲ」と呼びます。 沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴と言えば香り高い花。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。沈丁花(ジンチョウゲ)の原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。 沈丁花(ジンチョウゲ)の樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。沈丁花(ジンチョウゲ)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。日本で流通している沈丁花(ジンチョウゲ)の多くは雄株なので、実を見る機会はめったにありませんが、赤い可愛らしい実を付けます。ただし、実は猛毒ですので口に入れないように注意しましょう。

マンサク(万作)

庭木におすすめの縁起のいい木|マンサク

マンサクは梅が咲く頃に開花する落葉低木。

マンサクはその名前が豊年満作(実り豊かでたくさん収穫できること)を連想させることから縁起のいい木として好まれます。

マンサク(満作)

  • マンサク(満作)は、まだ寒さが残る2月頃から、はっとするような黄色い花を咲かせ、いち早く春の訪れを教えてくれる日本原産の落葉低木。日本各地の山林にも自生していて、紅葉も美しい樹木です。 花びらは長さ約2㎝ほどの線形で、遠くまで良い香りが漂います。葉より先に花が咲くため、満開時は木一面を花が覆いつくします。派手さはありませんが、あたりの木々がまだ落葉している中での花はとても目立ちます。 マンサク(満作)は生長が遅く、狭い場所への植え付けにも向きます。耐寒性に優れ、病害虫の害も少なく育てやすいため、庭木のほか街路樹としても植栽されています。 マンサク(満作)の名は、春一番に咲く「まず咲く」という言葉が変化してつけられたと言われています。また、マンサク(満作)はたくさんの花をつけるので、作物の豊年満作を占う植物として古くから親しまれてきました。そのことから豊年満作を祈願して名前が付けられたとも言われています。

ツツジ

庭木におすすめの縁起のいい木|ツツジ

ツツジは春に明るい色の花を咲かせる常緑低木。

その花付きの良さは見事で、満開の季節には葉が見えなくなるほどです。

ツツジはたくさんの花が咲き続けることから、良いことが続く縁起のいい木と言われています。

ツツジ(躑躅・つつじ)

  • ツツジ科ツツジ属の植物。花のピンク色がとても鮮やかで印象的な植物です。学校の生垣などとしても使われています。花の奥には甘い蜜があり、蜜を吸った思い出がある方も多いのではないでしょうか。種によって違いますが、毒があるので注意。

マンリョウ(万両)

庭木におすすめの縁起のいい木|万両

マンリョウはサクラソウ科の常緑低木。

晩秋から冬に真赤な果実を実らせます。マンリョウという名前がお金を連想させるということから、富を招き寄せる、金運が上がるなどと言われ、縁起のいい木として好まれます。

万両(マンリョウ)

  • つややかな赤い実と常緑の濃い緑色の葉がお正月の縁起植物として定番のマンリョウ(万両)。千両(センリョウ)と並んで古くから庭木として愛されています。 よく似た両者ですが、万両(マンリョウ)の方が実が大きいため、額の多い万両と名づけられました。 マンリョウ(万両)は日本の暖地に自生しています。寒さにそれほど強くないので、関東地方以西であれば庭植えで育てられます。 樹高1mほどとコンパクトにまとまり、剪定はほとんど必要なく、葉が落ちて間延びした枝を切り詰める程度です。やや日陰でも生長し、とても育てやすい植物です。

センリョウ(千両)

庭木におすすめの縁起のいい木|千両

センリョウは秋から冬に赤やオレンジ、黄の実を付ける常緑低木。

センリョウはマンリョウと同じく名前がお金を連想させるということから、富を招き寄せる、金運が上がると言われ、縁起のいい木として好まれます。

特にお正月には欠かせない花とされていて、毎年12月には花き市場で千両市が行われます。

センリョウ(千両)

  • センリョウ(千両)は、山林の湿った半日陰地に自生し、晩秋に赤い実をつけるセンリョウ科の常緑低木です。極端な乾燥には注意が必要ですが、丈夫で育てやすい樹木です。 初夏に新梢の先端に穂状に小さく黄緑色の花が咲いたあと、直径5~6mmのツヤツヤした実をつけ、晩秋に赤く熟します。別名「草珊瑚(クササンゴ)」と呼ばれるほど鮮やかな色合いの実は、花が少なくなる冬に、庭木として明るい彩りを添えてくれます。 古くからナンテン(南天)やマンリョウ(万両)とともに縁起の良い木として親しまれ、お正月用の生け花の花材にも使われてきました。全国の花の卸売市場では、12月の半ばごろ、年に一度「千両市」というセリが行われ、そこで仕入れたセンリョウ(千両)が12月後半から店先に並びます。 センリョウ(千両)は、もともと仙蓼(センリョウ)と呼ばれていましたが、江戸時代に千両へと変わりました。その理由は、同じ赤い実をつける縁起の良いマンリョウ(万両)に似ているものの、マンリョウ(万両)より実つきが少ないためセンリョウ(千両)と呼ばれるようになったと言われています。

ヤブコウジ(十両)

庭木におすすめの縁起のいい木|ヤブコウジ

ヤブコウジは寒い時期に赤い実を付ける常緑低木。

別名十両と呼ばれ、その名前がお金を連想させることから縁起のいい木として好まれ、庭植えやお正月の飾りに好まれます。

ヤブコウジ

  • 濃い緑の葉と、赤い実のコントラストが美しいヤブコウジは、グランドカバーとして用いられる他、お正月飾りとしても古くから親しまれてきた常緑性の低木です。 這うように枝を広げ、高くても30cmほどまでしか成長しないので、樹木の株元に多く植えられています。実や葉を観賞する目的で、鉢植えに仕立てることもあります。実はとても長持ちします。 直射日光に気をつける以外は、寒さや過湿に強く、育てやすい植物です。葉に斑の入った品種は種が採りにくい傾向がありますが、株分けで容易に増やすことができます。好みの葉を持った品種を探してみてください。

クロガネモチ

庭木におすすめの縁起のいい木|クロガネモチ

クロガネモチは秋から冬の間、真赤な実を付ける常緑高木です。

その名前が「苦労のない金持ち」を連想させるとして、縁起のいい木として人気があります。

クロガネモチ

  • クロガネモチは関東以西の山林に自生する常緑高木です。公園や街路樹、庭などあらゆる場所で利用されています。秋から冬にかけて、たわわに実る真っ赤な実の季節はとても目を引きます。色彩の少なくなる冬に真赤な果実を付けることと、葉が常緑であることのほか、名前が「苦労のない金持ち」を連想させるとして、縁起の良い庭木としても人気があります。 クロガネモチの葉は5~10㎝と大きめで光沢があり、よく繁ります。初夏に小さな白、あるいは薄紫色の花を咲かせますが、高木で上のほうの枝に咲くため目立ちません。雌雄異株なので実の観賞を楽しむのであれば雌株を選ぶ必要がありますが、市販のクロガネモチは一つの木に雌雄の枝が接ぎ木されていることがほとんどです。購入前に確認するようにしましょう。

ネムノキ(合歓木)

庭木におすすめの縁起のいい木|ネムノキ

ネムノキは夏にピンク色の羽毛のような花を咲かせる落葉高木。

日が落ちると葉を合わせるように閉じることから、中国では「合歓木」と呼ばれ、夫婦円満を象徴する縁起のいい木とされています。

ねむの木(ネムノキ、合歓木)

  • ねむの木(ネムノキ)はマメ科ネムノキ属の落葉高木です。地植えにしておくと10mくらいにまで大きくなります。日本の風土に良く合い丈夫なことから、庭木の他、公園や寺社などにも好まれて使用されます。山野に自生していることもあります。 ねむの木(ネムノキ)の特徴は、水鳥の産毛のようなふわふわとした花と、葉の就眠運動です。花は花芯近くの白から、花びらの先端に向かって淡いピンクへとグラデーションが付いているのが印象的です。ふわふわとした淡いピンク色の花が高木の上の方の枝に咲いている姿は愛らしく、いつまでも眺めていたくなります。 もう一つの特徴である葉の就眠運動とは「ねむの木(ネムノキ)」の名前の由来にもなっているものです。ねむの木(ネムノキ)の葉は、鳥の羽に似た形状の羽状複葉(うじょうふくよう)です。羽状複葉とは葉柄の両側に小さな葉が羽のように広がっている様子を言います。ねむの木(ネムノキ)の名前、は夜になるとこの葉を眠るように閉じることから付けられたと言われています。「合歓木」という漢字も、中国ではこの葉を閉じる様子を夫婦円満に見立てて名付けられたと言われています。

ザクロ

庭木におすすめの縁起のいい木|ザクロ

ザクロは秋に宝石のような果実を実らせる落葉樹。

ザクロにまつわる神話伝承は多く、特にギリシャ神話のペルセポネーや、鬼子母神の話は有名です。

たわわに果実を実らせることから、日本でも豊穣や子孫繁栄を象徴する縁起のいい木とされています。

ザクロ(石榴・柘榴・ざくろ)

  • ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。夏に咲くオレンジ色の花も、秋に熟す果実も観賞用とされています。果実は食用にもなります。生食ができる他、ジュース果実酒にして楽しめます。 私たちがよく見かけるザクロの実は、直径5~10cmほどのオレンジ色のボールのような果実ですが、これは熟れる直前のものです。木に実るザクロは熟すと果実がはじけ、果皮が裂けて果肉が見えるようになります。中には小さな種子を包む半透明で赤紫色の果肉がたくさん入っています。この小さな果肉は一つの果実に多いと800粒も含まれていると言われています。 果実ばかりが注目されますが、ザクロの花も観賞価値があります。花は緋色のようなオレンジ色で一重咲きから八重咲まであります。また、淡い黄色がかった白い花が咲く品種もあります。 ザクロは落葉性小高木に分類されますが、大きなものは5m以上にもなります。反対にヒメザクロや一才ザクロのように、小さなままで開花、結実する品種もあります。 意外と知られていないことですが、ザクロの木には鋭いトゲがあります。枝に触れるときには気を付けるようにしてください。

キンカン(金柑)

庭木におすすめの縁起のいい木|キンカン

キンカンはミカン科の常緑低木。

冬に黄色の丸い果実を実らせます。キンカンは黄色の果実が黄金を連想させると言われ、縁起のいい木とされています。明るい色が好まれ、お正月の飾りやお正月料理にも利用されます。

キンカン(金柑)

  • キンカンはミカンの木に似ていますが葉はミカンの葉より小さく、7月から8月頃に小さな白い花が咲く樹木です。常緑低木なので樹丈が1~2m位です。楕円形の形をしているキンカンの葉は、冬の間でも付いています。キンカンの実はミカンのようにオレンジ色で、鶉の卵位の大きさです。実の中には種が入っており キンカンの一番の特徴は、家庭の庭で簡単に育てて楽しむことができ、果物の生る樹木であることです。実だけでなく、皮まで食べられます。耐寒性があるので育てやすく、病害虫にも比較的強い果樹です。キンカンの種類は沢山ありますが、鑑賞用と食用に分けられます。

カリン(花梨)

庭木におすすめの縁起のいい木|カリン

カリンは春にピンク色の花を咲かせ、秋に梨のような果実を実らせる落葉高木。

名前を「借りぬ」にかけて、お金を借りることなく豊かに生活できることを連想させる縁起のいい木とされています。地方には「カリンとダイダイを家の東、カシを表に植えると良い」「カリンを家の前、カシを家の裏に植えると良い」という言い伝えもあります。

カリン

  • カリンは山野に自生する落葉高木です。少し前までバラ科ボケ属とされていましたが、現在はバラ科カリン属に分類されています。似ている植物にマルメロという落葉樹があります。カリンとの違いは、マルメロの果皮には産毛が生えていて、果実にはガクが残ります。カリンの果実は生食はもちろん、ジャムや甘露煮にすることも出来ません。マルメロは柔らかく煮込んだジャムが有名です。カリンの果実は生食には出来ませんが、芳香があり、果実酒として人気です。春、桜より少し遅れてカリンの花は咲きます。色はピンクでリンゴの花に似ています。

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ご神木にされる縁起のいい木7種

ツバキ(椿)

ご神木にされる縁起のいい木|椿

ツバキはツバキ科の常緑樹。

冬でも緑を絶やすことなく、美しい花を咲かせるツバキは古くから魔除けや繁栄の霊力を持つ木と信じられてきました。今でも日本の各地で神木として植えられています。

椿(つばき)

  • 椿(つばき)は日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。椿(つばき)は日本の書物、万葉集に記述があるほか、縄文時代の遺跡からも椿の種などが発見されており歴史の古い樹木です。常緑高木で照葉を一年中楽しめ、昔から盛んに園芸品種の作出が行われ、花色、花形、葉の形など多様な品種が栽培されています。特に花の少ない冬に見事な美しい花を咲かせることから、茶花(ちゃばな)の中でも格の高い花で「茶花の女王」とも称されます。また、その種子から採られる「椿油」は髪や肌に良いことから様々な化粧品に用いられています。椿(つばき)の木材は強度が高く質が均一であることから、印鑑や漆器、彫刻の材料として用いられており文化的にも重要な樹木の一つです。

ご神木にされる縁起のいい木|桜

桜はその優美さからか、昔から神聖視されてきた木です。特に日本の女神、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の象徴とされ、ご神木として各地に植えられています。

桜(サクラ)

  • 桜(サクラ)はバラ科サクラ属の総称です。 日本の春の花代表である桜(サクラ)は種類が多く、日本に自生している種類だけでも10種類前後、園芸用に品種改良された桜(サクラ)は300品種以上もあります。民家の庭から公共施設の公園や街路にも植えられている樹木です。早咲きの桜(サクラ)は2月くらいから、それに続くように3月から4月にかけて多くの種類が次々と咲き続けます。さらに秋に咲く品種もあります。 桜(サクラ)は非常にバリエーションが豊富で、花色は白から薄桃色、濃い桃色、薄黄色やグリーンなどがあります。咲き方も一重のものから八重咲まで多様です。サクランボが実る西洋実桜(セイヨウミザクラ)も桜(サクラ)の一種です。 春のお花見シーズンに華やかに咲く桜(サクラ)は染井吉野(ソメイヨシノ)という品種です。この染井吉野(ソメイヨシノ)は若木でも花を咲かせる特徴があり、戦後日本中に植えられました。今では日本の桜(サクラ)の代名詞のようになっています。

オガタマノキ

Adobe Stockオガタマノキの花

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オガタマノキはモクレン科の常緑高木。庭木で人気のカラタネオガタマは同属別種です。

オガタマノキのオガタマとは「招霊」に由来するとされています。神事に使用される木で、神社や寺院に植えられている縁起のいい木です。

ホオノキ

ご神木にされる縁起のいい木|ホオノキ

ホオノキはモクレン科の落葉高木。

白く香りの良い花を咲かせます。ホオノキは神様が宿る木と言われ、昔から神聖視されてきました。ホオノキをご神木としている神社や寺院も多くあります。

ご神木にされる縁起のいい木|松

松は冬でも緑を絶やさない常緑樹であることから、長寿を象徴する木とされてきました。また、神様が宿っていると信じられ、古来より神聖視されてきた樹木です。お正月には玄関に松を飾る習慣があります。

黒松(クロマツ)

  • 黒松は、葉は細長く、葉や樹皮が他の松に比べて硬いところが特徴です。4月から5月ごろにかけて、黒松の新芽は出てきます。この新芽はつくしに似ています。幹肌は荒々しい感じがあるので、若木でも古木感が出やすいです。庭木に植えてある黒松は、松の葉が密集しやすくなってしまいます。 黒松は、日本全国の沿岸にはほとんど自生している常緑針葉高木であることです。海の潮風や夏の暑さにも比較的強く大気汚染や公害にも強いので、防風林や街路樹としても活用されています。また、黒松は本の盆栽の代表的な存在です。黒松は樹勢も強いので針金掛けがしやすいため、盆栽の樹形がつくりやすい樹木です。

イチョウ

ご神木にされる縁起のいい木|イチョウ

イチョウは秋に黄色に色づく葉が美しい落葉樹。

その生命力の強さと雄大さから、昔から神聖視されてきました。今でも多くの神社や寺院でご神木として植えられています。

イチョウ(銀杏)

  • 扇型の葉をしている落葉高木のイチョウ(銀杏)は、全国で街路樹としてよく使われています。黄色く色づく紅葉の景色はとても見事で、イチョウ(銀杏)の街路樹は秋の観光スポットとしても人気があります。イチョウ(銀杏)の実であるギンナンは料理の素材として人気がありますが、実がなる季節はなんとも言えない匂いが発生するため、街路樹として植栽されるのは雄株のイチョウ(銀杏)が多いようです。 東京の木は、都民投票で「イチョウ(銀杏)」に決定し、 昭和41年11月14日発表されました。 大正12年に発生した関東大震災では、一面焼け野原となった東京で奇跡的に生き残ったとして、今も大手濠緑地で大切に育てられているイチョウ(銀杏)の木があります。

ボダイジュ(菩提樹)

Adobe Stock菩提樹の黄色い花

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ボダイジは、「釈迦がその下で悟りを開いた木」ということから、寺院に好んで植えられています。正確には、釈迦と縁があるのはインドボダイジュ、日本でボダイジュとして植えられているものとは別種です。

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縁起のいい木は身近なところにたくさんあります。周囲を見回して、縁起のいい木を探してみませんか。意外と身近なところにあるかもしれません。

 

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山田智美

植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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