園芸業界最大級のイベント「フラワー&プランツEXPO」をレポート!
LOVEGREEN編集部
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10月11日(水)~13日(金)に幕張メッセで開催された「国際フラワー&プランツEXPO」にてLOVEGREENがメディアパートナーとして参加。LOVEGREEN・Botapii・MIDOLASが初出展。
出展されていた素敵なブースや会場の様子、今回初出展のLOVEGREENブース、代表の石塚が登壇したトークショーの様子をご紹介します。
開催概要
第14回国際フラワー&プランツEXPO IFEX
-花と植物の総合展-
会期:2017/10/11(水)-13(金) 10:00-18:00 13日のみ17時終了
会場:幕張メッセ
主催:リードエグジビジョンジャパン株式会社
出展ブースをご紹介!
IFEXに出展されていたブースの中から、LOVEGREEN編集部が気になったブースをご紹介!
52KOKE PROJECT
島根県江津市発、苔のもつ癒しを世界へと広めていくプロジェクト。
苔を使った、テラリウムや苔玉などのかわいらしい商品や、苔専用の畑で育てられている美しい苔が並べられていました。
日本ヴォーグ社
自分で植物標本がつくれる試験管風樹脂標本キット、押し花ボールペンキットなどが展示され、美しい・可愛いがたくさん詰まったブース。ブースの壁には美しい押し花の標本がたくさん飾られていました。
LOVEGREENブースから近かったこともあり、スタッフが続々と覗きに行っては「欲しい!」と口々に話していました。
豊楽園
人気の観葉植物がずらっと並ぶ豊楽園さんのブース。最近はかわいらしいハンギングの植物が人気とのこと。植物だけでなく季節商品のピックやおしゃれでかわいらしい鉢もたくさん並んでいました。
宮本肥料店
農家の方から家庭菜園まで幅広い層に支持され、創業から60年以上の技術でおいしい野菜づくりを応援する宮本肥料店さん。質の良い肥料を作られています。
ナメクジ・ミミズが来なくなるという天然のサポニン粕のサンプル配布・ブースでの実演も。頂いたサポニンは家庭菜園の記事にて使用させていただきました!
LOVEGREENのブース
LOVEGREENブースのラックには、Botapiiの最新号がずらり。
今回のイベントのために作られた各事業部のトートバッグにBotapiiをたくさん入れ、スタッフが持ち歩いていました。
今年の新商品やリニューアルした商品などを本当に多くの会社が展示。会場は3日間で4万人以上の人が通路や各ブースにあふれ、製品や各社のパンフレットを見たり説明を聞いたりしながらメモを取り、今後の園芸業界の発展のために様々な商談がされていました。
トークショー〜花と植物で暮らしを豊かに!
最近の顧客ニーズについて~花や植物のある暮らしとは
司会進行:(株)ストロボライト 代表取締役 石塚 秀彦
「植物と暮らしを豊かにする」ことを目的に、植物業界を盛り上げようとLOVEGREEN(WEB)、Botapii(フリーペーパー)やMIDOLASという実際にお客様の庭の施工を行っている(株)ストロボライトの代表石塚の司会進行でこのトークショーは始まりました。
フラワースタイリストの前田さん、パーカーズのブランドマネージャーの梅澤さん、ユニバーサル園芸社の執行役員の平田さん。様々な立場のプロの方に、最近の花・園芸業界の顧客ニーズの動向についてお尋ねしました。
~石塚
我々植物を提供する側と、顧客のニーズはどのように変わっているのでしょうか?
~前田さん
最近人気のネイティブフラワーに対しての、お客さまの反応が違うということを肌で感じています。今まで花を買ったことのない若齢層や男性層が、花屋でネイティブフラワーを手に取るという現象がここ最近続いています。
ここ数年お洒落なアパレルショップに、ネイティブフラワーなどの植物が飾られていることから、興味を持ちだしたのがきっかけのようです。
このネイティブフラワーは、枯れてからもドライフラワーとして楽しむことができます。インテリアとして長く楽しめることから、植物を暮らしに取り入れる入り口として最適な植物になっています。
~平田さん
the Farm UNIVERSALは、従来の売るだけの植物を扱う店舗ではなく、大人から子供まで全ての人が植物を愉しむためのガーデンセンターになっています。お客様は植物を体感しながら、ご自身にあった植物との出会いの場を求めているのです。
そのため、ただ植物を売るだけの存在になることなく、緑に囲まれたカフェ、迫力の植物園、植物を愉しむための充実したツールやスポットなど、植物のある環境を体験できるような「場」つくりが求められています。
~梅澤さん
人々の環境意識への高まりを感じています。従来のようなオフィスのエントランスに、植物を大々的に展示するというような「話題作りの緑」から、私たちの住環境にもたらす「寄り添う植物」としてのニーズの高まりを感じています。
例えば、植物にどのくらいのお金をかけたら、私たちの生活にどのような効果をもたらすかということを、数値化していく動きが見えています。植物が人間にもたらす効果効能を数値化できれば、さらに植物へのニーズが高まり、業界の収益も増すことにもなるでしょう。人間の健康状態が分かる仕組みと連動させて、オフィスの緑化・設計に取り入れる流れがあります。
~石塚
いわゆるIoTですね。
※IoTとは、インターネットに接続されていなかった多くの「もの」が、インターネットに1日中接続されることで、データや情報が日常生活において常時表記可能になる仕組みをIoTといいます。
このIoTの機能的な要素から、付加価値を付ける動きがどの業界も増えてくると思います。社内でも話すのですが3年以上前から、IoTについては考えていました。
例えば「鉢」がIoTにつながっていて、自動的に植物の水やりや土の酸度が図れるようなシステムが可能になると考えてはいましたが、やはり海外の方がIoTに対してより進んでいるのが現状です。
日本でも今後このようなIoTが、花・園芸業界にもどんどん入ってくると思います。
今後の集客やプロモーション戦略について
~梅澤さん
私たちはこのことを考えるとき、植物マニアをターゲットにしていません。植物のデザイン性、効果効能、機能を伝えることによって、植物に興味を持っていなかった方に、植物マニアになっていただくという流れを作っていきたいと考えています。
そのためには「植物のブランド力」ということが必要になってくると思います。その戦略の一環として、不定期でオープンセミナーを開催し、様々な業界からアイディアをいただいて、植物環境の可能性を広げていきたいと考えています。
その啓蒙活動をたくさんの人に広めていくためにも、メディアと組むことはやはり重要なポイントです。
~平田さん
顧客のニーズに応えられているか、顧客のさらなる満足度に応えられるように、植物を生活に取り入れている方に向けて新たな取り組みを始めています。
~前田さん
花を買う人が少なくなっているといわれるこの時に、どれだけ自分たちから発信していくかが重要なポイントになると思います。
お花を買いにきてもらうことを待つだけでなく「こちらからお客さまを迎えに行く」ということが大切になってきます。SNS等の発信、例えばインスタを活用した個々の「ブランドイメージ」を高めることも効果的だと思います。
様々なメディア媒体である出版、ネット業界の方へ自ら宣伝していくことで、異業種でも同じ考えを持っている方とつながり、いろんなイベントを重ねること、ワークショップなどを開催する「体験型花屋」として顧客を獲得していくことを考えています。
~石塚
SNSを有効に取り入れることは重要ですが、なんとなくSNSをやっているだけでは効果がないということを、花・園芸業界を見渡した際に実感していますが、前田さんは上手に取り入れていますね。
フリーペーパーなどの紙媒体、LINE、Facebook、WEB、Instagram、Twitterなど各々の媒体の違いで、伝える方法、伝わる相手も違ってくるということを理解しなければなりません。
どこに向けて、何を発信するかを、しっかりとふまえた上での戦略が不可欠なんです。
花・園芸業界の課題解決方法とは
~平田さん
効果的な露出の仕方を考えた、ITとブランディングの構築が今後の課題になってくると思います。
植物は箱詰めできない変化するものであり、規格化されない魅力があります。均一化できる商品とは違い、この規格化できない植物を、今後どのように整備していくのか。物流の効率化で金銭面を整備するだけにとどまらず、いかにITを交えて乗り越えていくのか考えていかなければなりません。
また、植物業界が盛り上がっているこの流れの中で、いかに流されることなく適正価格で勝負していくのかが課題になってきます。
~前田さん
花好きの人にだけ、この業界の魅力を伝えていくには限界があります。いかに、それ以外の方に植物に興味を持っていただき、この花・園芸業界を広げていくことが当面の課題となります。
この広げる相手を異業種とコラボレーションすることで、植物業界以外の方と一緒に「面(めん)」で押すことが有効であると考えています。
例えば、コーヒーショップを花屋に呼び出店してもらうことで、今までと違うお客様が来店してお花を買ってくれたり、写真展を開催すると、写真に興味がある方が、新たに花に興味を持って下さる。この他にも、スイーツ、ファッションなど様々な異業種と組むことによって、大きなお店ではなくても、広げていくことがいくらでも可能だと思うのです。
~梅澤さん
異業種の方も植物業界とつながることを求めています。異業種の方と組んだ時、植物を真ん中に据えて、どのような折り合いをつけていくかが、今後の発展の課題にもなってくると思います。
植物の価値が低くみられ、100円でも植物を購入するかどうか迷っている現状から、もっと植物の価値を高める啓蒙活動をするべきだと考えています。
花・園芸業界の今後の展望について
~平田さん
時代が加速する空気感の中でも、植物を扱う「職人さんの存在を大切にする」ということを忘れてはいけないと思っています。ネットで植物が買える時代ではありますが、ボタンを押したら植物が出てくるものではありません。植物の適正な価値を守るためにも、良いものを作るためにも、ブレずに植物を作ること、作る人の基本軸を持たなければならないと痛切に感じています。
これからの子供たちにも、生活の中に植物を取り入れる勉強する場を常に届けたいと思っています。
~前田さん
お花のストーリーを伝えることで、植物の価値を高めていきたいですね。花の価値、素晴らしさを、その花がここにたどり着くまでのストーリーを伝えることで、価値を知ってもらいたいと思っています。
花をもってどんどん出かけて、お客様にも、異業種の方にも、生産者の方にも出会って、まだまだ知られていない植物の価値を広めていきたいです。
~梅澤さん
生産者さんのモチベーションを高めることも、植物業界を高める一つのポイントとなります。生産者さんが作る植物が、社会にどんな影響を与えるのか、あまりにも知られていないからです。自分たちの作る植物が、社会に対してどのような影響を与えることができるのかを実感してもらいたいと思っています。
フランスの2050年パリ市の都市計画では、まだ構想段階ではありますが、都市の中に植物の緑化がふんだんに提案されています。このような植物を環境に取り入れる傾向が世界であります。
今後のオリンピックや万博で、この緑化の流れは実現されることでしょう。(植物が緑化される中にも、ビルの間に風力発電などのスマートシティとしての機能が盛り込まれている。)
人間の体が植物を求めているということを世界の人々が認知し、現実空間にとどまらす、宇宙空間や仮想空間、全ての空間が植物で満たされるようにしたいと考えています。
今回のトークショーを総括して
~石塚
植物に対しての各々の立ち位置によって、いい意味でこれからの展望や問題も異なると思います。今回参加していただいた方にも、植物における様々な立場における問題点の点と点を結んで、解決を模索していく中で、これからの新しい認識を深めていただきたいと思います。
厳しいことをいうようですが、他の産業と違って「植物っていいでしょう」ということで、度々我々の思考が止まっていることが多い現状は否めません。植物の魅力に甘えるだけでなく、数値化できるところは数値化して、仮説検証することで、植物業界全体を底上げにしていかなければなりません。
そのためには、顧客のニーズに対してマーケティングや新しい試みをシビアに続けていくことは、発展していくためにどうしても欠かせないことだと痛感しています。
今回のように皆さんとディスカッションをすることで、皆さんの問題解決のヒントになり、皆さんが良いビジネスの方向に向かい、植物業界全体の活性になることを、心から望んでいます。
この言葉で、このトークショーは結ばれました。
次回「国際 フラワー&プランツEXPO」開催概要
会場:幕張メッセ
会期:2018年10月10日[水]~12日[金]
IFEX HP:http://www.ifex.jp/
※商談を目的とした展示会のため、一般の方の入場は出来ませんのでご注意ください。
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