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はじめての庭リノベ|庭の暑さ対策編

記録的な酷暑となった今年の夏。残暑も長く厳しいものになると予想されます。
これだけ暑くては、夏の庭に出るのもためらってしまいますよね。そこで、外構工事の視点から人気の庭の暑さ対策について、庭施工のプロにお聞きしました。

目次

庭に日陰をつくる方法

最も手軽で効果的な庭の暑さ対策が、日陰をつくることです。庭への直射日光を遮るだけで地面の温度が5℃~10℃下がることもあります(※)。
※環境や条件によって異なります。

また、窓辺やエアコンの室外機周辺に日陰を設けると、室温の上昇を軽減して、冷却効率をアップさせることで冷房費の節約にもつながりますし、直射日光に弱い植物を日陰で守ることで、ストレスなく育てやすくなりますよ。

それでは、庭に日陰を作る方法をいくつかご紹介します。予算と実用性のバランスを考えて目的に合った方法を見つけましょう。

シェードで日陰を作る

シェードとは窓辺に取り付ける日よけや雨よけのことです。キャンバス地などのシートをロール式や折りたたみ式で展開・収納でき、季節や天候、時間帯に応じて自由に日陰を調節することができます。

シェードには大きく分けて、「自分で取り付けるタイプ」と「取付工事が必要なタイプ」があります。

自分で取り付けるタイプのメリット・デメリット

▼メリット
・ホームセンターなどで安価に購入することができる
・業者に頼まなくても自分で手軽に取り付けができる

▼デメリット
・巻き取りや折り畳みなど収納が面倒
・劣化が早く何年も使えないことが多い

昔ながらのよしずも風情があります。1年で使い切ると割りければ良い選択かもしれません

取付工事が必要なタイプのメリット・デメリット

▼メリット
・耐用年数も高く、紫外線防止や日よけ効果が高い
・ロールカーテンのようにワンタッチで収納できる
・スタイリッシュに設置できて見た目が美しい

▼デメリット
・プロによる取付工事が必要
・DIYより設置価格が高い(参考相場7万円前後※)
※商品タイプや面積によって異なります。

プロに取り付けてもらう固定式のシェードは使い勝手がよく長く使える

プロに取り付けてもらう固定式のシェードは初期費用が高くなりますが、景観を崩さず、何年も安定して日陰を作りたいと考えている人にはおすすめです。

自分で取り付けるタイプは手軽で安価な反面、耐用年数が低く毎年の買い替えが必要であったり、取り付け時の見た目が良くなかったり、使わないときの収納が面倒といった点があることを考慮しましょう。

パーゴラで日陰を作る

オーニングよりさらに本格志向の方にお勧めなのが、パーゴラによる日陰づくり。パーゴラ(柱や梁)を設置して、そこにシェード等を取り付けて日陰をつくります。空間を区切ることで、庭でありながらちょっとしたお部屋感も感じられ、チェアーやテーブルなどを置くことで憩いのスペースとして楽しむことができます。

シェードの取り付け以外にも、柱や梁があることを生かしてつる性植物を這わせても涼しげですし、ミスト散水器などを設置して「日陰+ミスト」の冷却効果を狙うこともできますよ。

パーゴラにシェードとミスト散水器を取り付けた例

暑さが和らぐ秋には、パーゴラに下でお庭パーティーを楽しむのも素敵ですね。

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庭の照り返しを軽減する

夏の暑さは空からの直射日光だけではありません。庭のコンクリートの照り返しは気温以上に「むわっ」とした熱気を感じさせます。また、コンクリートの上に植木鉢を置いている人も要注意。照り返しによる熱がダイレクトに植物にダメージを与えます。

照り返しの軽減策としてポピュラーなのが、人工芝を敷くことです。

人工芝のメリット
コンクリートや砂利よりも照り返しがやわらぎます。特に白系の砂利やコンクリートと比べると、人工芝の方が日差しのギラつきが少なくなります。

人工芝のデメリット
コンクリートや砂利に比べれば照り返しは軽減できますが、天然芝と違って蒸散作用がないため、直射日光下では表面温度が高温になることも。また、樹脂なので熱を蓄えやすく、照り返し熱がゼロにはなりません。

照り返し軽減のための、人工芝の効果的な使い方をご紹介します。

1. 木陰(広葉樹やシェード)と組み合わせる

人工芝の弱点は直射日光での高温化なので、日射を遮るのが効果的です。
広葉樹を近くに植えたり、シェードで日陰を作ることで、人工芝による照り返し軽減効果を最大化できます。

2. 部分的に天然素材を混ぜる

人工芝だけだと蓄熱しやすいので、天然芝やグラウンドカバー植物を部分的に混植。蒸散作用で地表温度が下がり、照り返しも和らぎます。

3. 敷地の周囲に反射率の低い素材を使う

人工芝の端をウッドチップやバークチップ、腐葉土マルチで囲むと、反射熱の「跳ね返り」を減らせます。特に西日側や壁際は効果的。

4. 色と素材選び

市販の人工芝でも暗めの緑・遮熱タイプを選ぶと蓄熱が抑えられます。

 

人工芝とパーゴラの日よけを組み合わせた暑さ対策のお庭。植物鉢を置くエリアだけでも人工芝を貼ることで、照り返しから植物を守ることができる

庭全面を人工芝にしなくても、庭木の木陰の下や、植木鉢を置くエリアだけなど部分的に人工芝を取り入れて、上手に照り返し対策を試してみましょう。

ちなみに人工芝をきれいに敷くには、地面を平らにし、雑草防止シートを敷くなど念入りな準備が必要です。DIYでは少々ハードルが高いため、プロにお願いすることをおすすめします。

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落葉樹でも庭の暑さは軽減します

落葉樹のヤマボウシ

庭の暑さ対策として落葉樹を植えることは、見た目の涼しさもさることながら、実際の涼感効果があります。以下に庭に広葉樹を植えるメリットを挙げてみます。

1. 夏は日差しを遮る「天然のひさし」

落葉樹は夏に葉が茂り、強い直射日光を遮ってくれます。
木陰では地面の温度が日なたよりも5〜10℃低くなることもあります。
家の南側や西側に植えると、壁や窓の温度上昇を防ぎ、室内の冷房効率アップが期待できます。

ちなみに落葉樹は冬に落葉するため、冬は葉がなくなり日射が室内まで届くというスグレモノでもあります。

2. 蒸散作用で気温を下げる

木の葉は根から吸い上げた水を「蒸散」させます。蒸発時に周囲の熱を奪うため、周囲の体感温度を下げるクーラー効果があります。特に湿度と風通しが適度にある環境では効果大。

3. ヒートアイランド現象の緩和

庭の舗装面や外壁は熱をため込みますが、広葉樹の影で直射を防ぐことで蓄熱を減らせます。夕方以降の「放射熱」によるムワッと感を和らげます。

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自動潅水で植物の水枯れを軽減

夏の庭の困りごとといえば、水やりも忘れてはいけません。
夏の水やりは朝に行うのがセオリーでしたが、災害級ともいわれる近年の酷暑では、早朝でないと水やりができる涼しさではありません。でも、毎日朝早くに水やりのために起きるのは難しいですよね。そこで関心が高まっているのが自動潅水による水やりです。

自動潅水は、庭にある水道にタイマーをセットし、そこから水やり用のノズルがついたホースを花壇や鉢植えに這わせて、セットした時間に自動で水やりを行うシステムです。

▼自動潅水のメリット
・水やりの手間が省ける
・水やりをタイマーでセットするので水やり忘れがなくなる
・旅⾏などで家を空けるときでも水やりができる

▼自動潅水のデメリット
・水やり頻度が⼀律のため、植物の状況や天候に合わせて加減はできない
・潅水用ホースの届く範囲しか対応できない。
・機器の不良、劣化、破損による漏水や、電池切れによる水やりミスのリスク

決まった時間に自動で水やりをしてくれるので便利ですが、一方で、自動潅水にすべてを任せすぎてしまうと、植物を枯らしてしまうことも。自分でも植物の様子を見ながら水やりの加減を調整しつつ、補助的に使うことをお勧めします。

自動潅水システムは、市販のキットを自分で設置もできますし、広範囲であればプロに頼んで設置してもらうこともできます。ただし、プロに依頼すると面積にもよりますが、小規模なものでも10万円以上の費用が必要になります。

植物の配置換えに応じて都度設置場所の変更などが必要なこともあり、市販のキットを購入して自分でカスタマイズするほうが自由度が高く、導入コストも安価で済みます。よほど広範囲を本格的に自動潅水化するのでなければ、まずはDIYでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

以上、夏の暑さ対策の一例をご紹介しました。

9月はまだまだ残暑も厳しいですし、来年以降も夏は災害級の暑さが続くことが予想されます。人も植物も少しでも快適に過ごせるように工夫して、夏のお庭を楽しみましょう。

庭リノベを相談する>>

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▼お話を聞いたのはこちら
ガーデンプラス

全国1450店で高品質&低価格の外構・お庭プランを提案・施工までトータルでサポート。「お庭を家の付属物ではなく、家族の笑顔が生まれる場所としてプロデュースする」ことを大切にし、ライフステージに合わせた提案を行っている。

 

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