イエソト空間の達人たち⑥|私の家は小さな熱帯。植物と動物が共存するアーバンジャングルができあがるまで
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住まいの形にとらわれずに、室内やインナーバルコニー・ベランダなどで自分なりの「庭」空間の楽しみ方を紹介する取材連載「イエソト空間の達人たち」。
今回は、長崎の戸建住宅で500株以上(!)の観葉植物を育てる、みなりんさんのご自宅を紹介します。
5人家族&10匹以上の動物たちと暮らす、個性が光る唯一無二のイエソト空間とは?
初めての一鉢は、中学生のときに出会ったドラゴンフルーツ

玄関からリビングに足を踏み入れると、植物に囲まれたボタニカルな空間がお出迎え。たくさんの植物に加え、アヒルやイグアナ、モモイロインコなどの動物たちものびのびと暮らす空間は、さながらアーバンジャングルのよう。
ーー現在500株以上の観葉植物を育てているとのこと。植物に魅せられたきっかけを教えてください。
初めて自分で植物を買ったのは中学生の頃です。旅先で立ち寄った温室で、寒天培地に植えられ、試験管に入ったドラゴンフルーツを見つけて、「これを育ててみたい!」と思ったのがきっかけでした。
試験管がいっぱいになるまで生長を見守り、その後ピンセットで取り出して植え付けたのを今でも覚えています。
ーー中学生でドラゴンフルーツの寒天培養に目を付けるとは!植物を本格的に増やしはじめたのは7年前、家を建ててからだったそうですね。
家を建てて初めて迎えた植物は、ドラセナ・コンパクタでした。
はじめはインテリア感覚で買っていたのですが、もともと植物が好きなうえに収集好きの性格が高じて、インテリアを通り越して好きな観葉植物を好きなだけ育て始めるようになりました。毎日新しい植物を迎えていた時期もあります。
ーー植物や動物のお世話もしながら、お子さん3人の育児も。毎日時間をどのように作っているのか気になります。
私自身、フルタイムで仕事もしているので、時間に追われているときも多いんです。家事や育児は夫と協力しながら頑張っています。
平日は朝早起きして植物や動物たちのお世話をしたり、インスタグラム用の写真を撮ったりと、誰も起きてこない時間を活用してゆっくり過ごすようにしています。

ーー忙しい生活を送るなかで、ふと一息つける時間があると心が休まりそうですね。
そうですね。毎日の忙しさの中の癒やしみたいな感じで楽しめるのが、良い息抜きになっています。ペットたちと遊んだり、植物の新芽を見つけたり……特別なことをしなくても、好きな植物や動物がいる空間でゆっくり過ごすことが、私にとって癒やしの時間です。
動物と植物が共存する、アーバンジャングルをめざして

ーー「小さな熱帯生活」というインスタグラムのコンセプトの通り、家の中にいながら亜熱帯のような自然を感じることができる素敵なお部屋だと思いました。自宅を亜熱帯のような雰囲気にしようと思ったきっかけを教えてください。
実は「亜熱帯の家にしよう!」と最初から決めていたわけではありません。私はもともとコレクター気質で、好きなものを見つけると集めたくなる性格でして。
植物もかわいいもの、珍しいものを見つけたらどんどん迎えているうちに、気がついたら植物園や動物園のように。家というよりはアーバンジャングルのような空間になっていました。
そこに動物たちも加わった結果、”生き物が暮らしている場所”という感じが強くなって、今のような「小さな熱帯生活」ができあがったのかなと。
ーー一緒に暮らす動物たちも、自然の中で生き生きしているように感じます。
トカゲなどの爬虫類はリビングに面する部屋でケージに入れて育てていますが、モモイロインコ・アヒル・イグアナはリビングや庭に放している時間もあります。
緑の多い空間に動物たちが加わることで、より生命感のある雰囲気になっているかなと思います。

ーー動物たちが植物と上手に共存するために、心がけていることはありますか?
「動物にとって植物は基本的に全部毒」ぐらいの気持ちで、とにかく食べさせないことを徹底しています。
ケージの外に出すときは絶対に見張るようにしているのと、もし植物に興味を持ちそうだったら、別の食べて良いものやおもちゃを与えるようにしています。
あとは植物を置く場所を、手の届かない高さにしたり、ハンギングにしたりして、物理的に触れにくくなるように意識しています。それでもイグアナが鉢を倒してしまったりすることは全然あるのですが(笑)。
ーー動物と暮らす人におすすめしたい植物の種類があれば教えてください。
ハンギングできる環境なら、エスキナンサスやポトス、スキンダプサスなどは育てやすくておすすめです。
ガラスケースなどで管理できるのであれば、アンスリウムやアロカシアなど、湿度のある環境を好む植物を楽しむのも良いと思います。
コレクター魂をくすぐられる、スキンダプサスの魅力

ーー今お話に上がったスキンダプサスは、とくにたくさんコレクションされているそうですね。
そうなんです。昔インスタグラムで、とてもタイプなお家にビカクシダやモンステラに混ざって、スキンダプサスが素敵に飾ってあるのを見て、こんなにおしゃれに飾れるんだ!と思ったのが集めるようになったきっかけです。
日本にまだ流通がほとんどなかった頃から好きだったので、当時は海外から輸入していました。正確な数はわかりませんが、スキンダプサスだけで確実に100株は超えています。
ーーみなりんさんが思う、スキンダプサスを集める魅力とは?
スキンダプサスは、似ているようで少しずつ違う種類や葉の表情があるんです。同じように見えても、斑入りだったり、斑が入っていなくてもベースの模様が違ったり。つい集めたくなるコレクター心をくすぐられる植物ですね。
育てやすいところも魅力でした。葉が少し丸まってしまっても、水をあげれば元に戻ってくれますし、比較的増やしやすいと思います。

少しずつ違う種類や葉の表情が魅力的なスキンダプサス
ーーアンスリウム・アロカシアなど、サトイモ科のアロイド系植物もお好きだとか。
アロイドは、「私を見て!!」と言わんばかりの模様や質感と美しさに魅せられてコレクションを続けています。圧倒的な主役感が抜群に素敵だなと。あとは、ハート形の葉など、かわいくて女子力の高い感じも好みです。

ーー惹かれる植物にはどんな共通点がありますか?
基本的にアロイドが好きで、特に斑入りの植物には弱いです。共通点という意味では、葉の形や模様が個性的なものに惹かれますし、反対に、シンプルな植物でも大きく立派に育った姿を見ると魅力的だなと感じます。
普通とはちょっと違う、個性がある植物に惹かれる傾向があるのかもしれません。
インテリアのための植物から、植物のためのインテリアに

ーー植物を飾るときに工夫しているポイントがあればぜひ教えてください。
純粋なインテリア好きの人より雑多ですし、適当な部分も多いのですが……。床に鉢を直置きせず、少し高さを出すようにしたり、プラスチックの鉢が丸見えにならないようにカゴに入れてみたりというのは意識しています。
あとは、植物の密度が濃い部分と、ちょっと薄い部分がありながらも全体的に植物があるという感じになるように工夫していますね。
どこを見ても緑が目に入る空間が良いなと。時にはAIに頼ってレイアウトを組んでもらうこともあります。
ーー植物が増えるにつれて、買い足した家具や設備も多いとか。
昔の写真を見返すと、植物が増える前と後で、部屋のイメージが大きく変わったなと思います。
植物のための棚もいっぱい買いましたし、育成ライトやハンギング用のフックなども前はなかったので。
ーーご自宅の写真を拝見して、IKEAのMILSBO(ミルスボ)やRUDSTA(ルードスタ)をアレンジして植物用の温室にしているのがとても印象的でした。
海外の方がIKEAのコレクションケースを温室にアレンジしているのを見て、良いなと思って真似しました。
マグネットがくっつくので上にパネルライトを付けたり、潅水スポンジのアクアセルを置いて腰水管理にしたりと工夫しています。

IKEAのコレクションケースにはお気に入りの植物がたくさん
ーー実際に取り入れてみて、植物の状態に変化はありましたか?
最初は、単純に「おしゃれだな」「植物の養生にも使えそうだな」と思って始めたのですが、実際に使ってみると、湿度を保ちたい植物の管理がしやすくなりました。ここに入れた植物は生長が早いなと感じています。
ーーたくさんの植物を元気に育てるために、とくに気を付けていることはありますか?
頑張ってお世話するというよりも、無理なく続けられることを大切にしたいので、できるだけ日々のお手入れが楽になるように意識しています。
全部を細かく管理するのは大変なので、植物に合った置き場所を考えたり、風が通るようにしたり、水やりしやすい環境を作ったり……。
あとはちょっとした葉の変化や新芽などに早く気づけるように、毎日必ず植物を見るようにしています。
ーー水やりも時短できるように工夫されているとか。
鉢の数が多いので、置き場所によって何となく植物をグループ化して、「今日はこの棚」「今日はハンギング」というようにローテーションを組んで水やりしています。
ポータブルシャワーを使ったり、腰水できる植物は腰水にするなど、手間がかからない方法も積極的に取り入れています。水やりは1日30分以内に収めるのが目標です。

ーー手に入れるのが難しいレアな品種も多く、特別な思い入れがある植物たちだからこそ、お世話をする愛着も人一倍湧きそうです。
そうなんです。もはやコレクターとして集めているので、絶対に枯らしたくないなと思いますし、捨てたくないなと。上手く育った時の喜びもとても大きいです。
ーー植物が身近にあることで、暮らしの質がどのように変化したと思いますか?
昨日まではなかった新芽が出ていたり、葉が少し大きくなっていたりと、毎日、植物の生長を楽しめるようになりました。育てていると、日常の中に小さな発見がたくさんあります。
家に帰ってきたときにたくさんの植物が目に入るだけでも嬉しいですし、その景色を眺めながらお茶を飲んだり、動物たちとのんびり過ごす時間も増えました。
家が「ただ生活する場所」ではなく、自分の好きなものに囲まれて過ごせる場所になったと思っています。
みなりんさんプロフィール

長崎県在住、5人家族。爬虫類や鳥類などの動物10匹以上と暮らす、植物に囲まれた亜熱帯のような雰囲気の自宅がインスタグラムで注目を集めている。育てている植物は500株以上。自宅にミニ温室を作るなど、植物と上手に暮らす工夫を発信中。







































