気持ちを束ねる代々木上原の花屋『mugihana』
青沼綾乃
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代々木上原にお店を構えて11年半になる『mugihana』。商店街の坂道を少し上った場所にある店舗は、遠目からでも元気な緑が溢れている外観が特徴的。堀川英男(ほりかわひでお)さん、堀川麻(ほりかわあさ)さんご夫婦でお店を経営されています。この日は、主に堀川麻さんにお店について伺いました。
お店の始まりは移動販売から
実は、最初から代々木上原にお店を出していたわけではないmugihana。移動販売がお店の始まりだそうです。(※現在は店舗のみ)
「色んな場所に行ってみたんですけど、やっぱり街の雰囲気とか、どういう人がいるかそれぞれ違うんですよね。その中で、代々木上原って昔から住んでる人や若い夫婦とか、色んな人がちょうどいいバランスでいるんです。あと下町感や人懐っこさもあるから、新しいものを柔軟に受け入れてくれて、面白がってくれる人が多かったです。」と、当時の様子を語ってくれた堀川さん。お二人が開きたい店舗の雰囲気と代々木上原の雰囲気が、ぴったりだったとか。
入口の折れ戸を開くと、所狭しと並べられたお花が迎えてくれます。大ぶりなものがこの日は多かった印象。とってもいい匂い。
足下にも、この日はルリタマアザミやペンペン草が。店内をじっくり見てみると、「こんなところに!」という発見もあるので、探検している気分になります。
「お花が好き」という最初の気持ちを大事に、幅広く
「珍しい植物やお花ももちろん良いですけど、『これ可愛い』っていう最初の気持ちを大事にしたいなって。」お花選びについての質問に、こう答えて下さいました。初心者の方から、珍しいもの好きのこだわりがある写真家まで、幅広い層のお客さんが来店するmugihana。そのため英男さんのアレンジメントも、幅が広いことが魅力だと麻さんは言います。繊細に甘く甘くすることもできれば、斬新さにも対応してくれるからこそ、色んな人が住む代々木上原で愛されているのだと思いました。
画像提供:mugihana
物語が詰まった花屋
お話を伺う中で、mugihanaにはさまざまな物語が詰まっていることを感じました。付き合い始めた記念日、プロポーズ、結婚式のブーケまで全てmugihanaのお花だった女性。結婚式当日、遠方に住んでいるけれど、どうしてもmugihanaのお花が良い!という新婦のために、式の当日東京駅までお花を受け取りに来た新郎。そんな物語が、注文票とともに貼られている写真やお手紙から伝わってきます。
こんな感じで、いつもお花の中から顔を出して挨拶する堀川さん。その親しみやすさから、ランドセルを披露しにわざわざお店に来てくれた近所の子供もいるのだとか。
さいごに
堀川さんは、花束のことを「気持ちを束ねるもの」と表現していました。「相手の方の好みも大事だと思いますけど、贈る方がどういう気持ちで贈るものなのかということを、お話しながら汲み取って、作っていくことも大事にしています。一緒にお花を選んでいると、お客さんがふわって明るい表情をする時があるんですよ。その表情を、できるだけ引き出すようにしたいです。」と、嬉しそうにさいごに語ってくださいました。
日常生活の中でも、イベント事でも、言葉では表現できない想いを形にしたいとき、mugihanaへ足を運んでみてください。きっとその時にぴったりのお花と植物を揃えて、待っていてくれるお店だと思います。
『 mugihana』ショップ詳細はこちらから↓
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