バーミキュライトの使い方や使用量、5つの優れた性質について
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
ガーデニングで使う用土には、培養土や土壌改良用土、堆肥など様々な種類があります。今回は、この中から土壌改良用土や種まき用として使用される「バーミキュライト」についてご説明します。
目次
バーミキュライトとは
植物を育てている方ならバーミキュライトについてはご存知の方も多いかと思いますが、それが一体なんなのか知っている方は少ないかもしれませんね。
バーミキュライト=苦土蛭石
バーミキュライトとは、天然のケイ酸塩鉱物です。
原石を急に高温で加熱することで、バーミキュライトに含まれる水分が水蒸気になるため、石がアコーディオン状に膨張し、容積が10倍近くまで膨れ上がります。その膨れ上がる様子が蛭(ヒル)に似ていることから、苦土蛭石とも呼ばれています。
カイロの原料にも使われる
アコーディオン状の隙間に水を蓄えられる性質を利用して、カイロの原料としてもバーミキュライトは使われています。
カイロの原料
活性炭、鉄粉、塩類、水、そしてバーミキュライトです。
原理として、カイロをもむ→バーミキュライトに含ませた食塩水→鉄粉と反応→発熱。
エコな発熱方法で、私たちを温めてくれる原理なんです。
バーミキュライトの5つの優れた性質
このバーミキュライトが園芸用の用土として優れている5つの性質についてご紹介します。
保水性
アコーディオン状の隙間にたくさんの水分を含むことが可能なため、保水性があります。
この特性を生かして、園芸では保水性をアップするために土壌改良材として用います。
無菌性
バーミキュライトを生成する際に、高温で処理するため無菌状態です。
無菌状態の土は、作物を育苗をする際や挿し木などをする時に、病害虫の発生の確率を減らす目的で使用されます。
軽量
中が空洞になっているため非常に軽いバーミキュライトは、運搬したり、ハンギングバスケットなどの際に最適な資材です。
断熱性
中が空洞になっていることで熱が伝わりづらいという性質もあります。
つまり、土壌が暑すぎる真夏の土温は高くなりづらく、気温が下がる冬の土温は冷えづらいということになり、作物の根に優しい資材となります。
保肥性
バーミキュライトには、塩基置換容量といって土中に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムを保持する能力が高いため、肥料が無駄に流れ出ない性質があります。
日頃の水やりで肥料分が流出しがちなプランター栽培に適した土壌改良材といえますね。
バーミキュライトの使用量
メーカーや品質にもよりますが、バーミキュライトの販売価格はだいたい40Lあたり2,000円前後です。腐葉土などの植物質堆肥の1.5~2倍くらいに当たります。
畑などの土壌改良で大量の改良資材を使用する際は、土壌改良の目的と予算金額に応じた使用量と配合を考えましょう。
使用量
家庭菜園〜畑の目安
庭の土などの用土(6):腐葉土などの植物質堆肥(2):バーミキュライト(2)の割合を目安にして使用しましょう。
家庭菜園〜プランターの目安
使用している土に対して、バーミキュライトを2割ほど。
バーミキュライトによる過去の被害報告
一時期、一部のバーミキュライトに含まれるアスベストの被害が報告されました。
主に建物の塗装にバーミキュライトが使用されたもので、1960~1980年頃に製造されたアメリカの地方のバーミキュライトにアスベストが不純物として含まれていることがわかり国で規制及び管理されました。
現在日本で使用されているバーミキュライトは、南アフリカ産などのアスベストを含んでいない安全性の高いものが販売されています。
バーミキュライトの購入について
バーミキュライトは園芸店やホームセンター、インターネット、100均で購入することができます。
容量も2Lから60L位までありますので、必要に応じた容量でお求め頂けます。とても軽量なので、女性でも持つことができるところがバーミキュライトの魅力です。
お値段もバーミキュライトの品質にもよりますが、安いもので2Lで100円前後です。鉢植えに使用する分量ならお求めやすいお値段ですね。
みなさんもバーミキュライトを賢く取り入れてみてはいかがでしょうか。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「バーミキュライトの使い方や使用量、5つの優れた性質について」の記事をみんなにも教えてあげよう♪