横山園芸 横山直樹さん|ずっと育てたいと思ってもらえるクリスマスローズを作りたい
更新
公開

「出荷する花を選ぶとき、可愛くて外に出したくなくて、全部残して親株にしたいと思っちゃうんです。(笑)」育種について朗らかにお話ししてくれたのは、東京都清瀬市にある園芸農家、横山園芸の代表 横山直樹さん。
横山さんは、日本を代表するクリスマスローズの育種家・生産者で、お花を必需品に!「お花よろこぶチカラコブ」をキャッチフレーズに、テレビ出演や講演会活動、YouTubeやSNSなどで植物の育て方や魅力を明るく真摯に伝えています。そんな横山さんに、クリスマスローズの育種に携わるようになったきっかけ、育種への想い、大切にしていることなどについてたくさんお聞きしました。
撮影協力/横山園芸
目次
今のお仕事に携わるようになったきっかけは何ですか?

編集部:
横山さんが育種家・生産者になったきっかけを教えてください。
横山さん:
代々野菜農家だったのですが、父母の花好きが高じて横山園芸を立ち上げたんです。ちょうど僕が生まれた頃からスタートしたので、温室のベンチの上でオムツを替えられたり、遊ばされていたり……。常に花がそばにありました。
家で育てた花を幼稚園や学校に持って行くとみんなが喜んでくれて、人に花をプレゼントすると喜んでもらえるんだという成功体験が最初のきっかけなのかなと思います。

横山さん:
本格的に仕事をするきっかけになったのは、イギリス研修時代に、自分で育てたものを人に渡し届けたときにみんなが喜んでくれる姿を見たり、自分が育てるという自己表現を認められたときの喜びや楽しさを他の人と共有できたことが一番大きかったと思います。
跡継ぎということに関しては、農家の仕事は暑いし、寒いし、休みが無いし、本当はなりたくなかったのですが(笑)、でも、イギリスの研修時代に自分の中に「植物を育てる楽しみ」が増して、植物を本当に好きになり、21歳のときに就農しました。それから両親と並走して働き、10年前くらいから僕が方向性を決めたりしてきて、3年前くらいに代表を代替わりしました。
普段のお仕事について

編集部:
いつもは、どんなお仕事をされているのでしょうか?
横山さん:
基本はクリスマスローズをはじめとした植物に触れて育てる仕事です。水やり、植え替え、シーズンには育種をして交配をするなどの園芸作業、そして営業から出荷まで色々です。
今の時期(取材は1月)は、花も咲いているし、発芽もしてるし、植え替えなきゃ、交配もしなきゃで、やることがいっぱい凝縮しています。(汗)
あとは、植物を育ててくれている人に対しての情報発信を行っています。イベントや講演会活動だったり、YouTubeやSNSでも随時、植物情報をアップしています。毎年2月には池袋サンシャインシティで開催される「クリスマスローズの世界展」にも出店しています。
クリスマスローズの育種への想いを聞かせてください

編集部:
品種改良は、どのように行うのですか?
横山さん:
こういう花を作りたいとイメージして、親と親を人工的に花粉をつけて交配させて、子どもをとって、また子どもをとって、世代を繰り返して創りたい形に近づけていきます。
編集部:
品種改良のやりがいは、どんなところにありますか?
横山さん:
人が作っていない新しいものを生み出すことが、やりがいであり生きがいで、楽しみです。そして、それを見て楽しんでくれたり、喜んでくれたり、人が認めてくれて、幸せな気持ちを共有してくれると嬉しさもひとしおです。
品種改良は、自己表現みたいなもので、作った花には人柄みたいなものも出るのかなと思うので、それを認めてもらえることは自分も認められているようで本当に嬉しいことです。

プチドール®
横山さん:
あとは、花が咲いているのを一苗ずつ確認して出荷準備をするのですが、その確認をするときの出会いが一番だなあ。いやー。この子なんて、ほんとに優しいピンクだよね~。白なの?ピンクなの?っていう感じの。ふわっと淡く色が入るのがとてもいい! ってね。見入ってると仕事にならないので急いでやらなきゃなんですけど。(笑)
編集部:
品種改良をするときに大切にしていることはありますか?
横山さん:
品種改良をするにあたって、原点を知りたいというところで、自生している原種を見に行ってインスピレーションを受けることからがスタートでした。
原種は自生地の環境に根付いているものなので、日本では育てにくいものが多いのですが、原種の良さをいかしながら日本の環境に合うものを作りたいと思ってやってきました。丈夫さに加えて、可愛らしさや珍しさも大事に考えています。
最新のクリスマスローズを教えてください

プチドール®
編集部:
横山園芸さんの最新のクリスマスローズでお気に入りはありますか?

プチドール®
横山さん:
うちの看板商品のひとつに、プチドール®という、小輪がたくさん咲いて、コンパクトに鉢でも育てやすいクリスマスローズがあるんですが、最近はさらに小さい子を作りたいと思って頑張っています。ちっちゃい子たちが可愛くて可愛くて……。プチドール®のさらに小さい子たちを安定して出荷できるようになりたいなと考えています。

プチドール®
横山さん:
イギリスでは、庭に植えて映える華やかで大きいものが良いとされがちですが、日本では誰もが大きい庭をもっているわけではないし、鉢で育てる人も多いので、イギリス研修時代からずっと、小さい花があってもいいよね。と考えていたんです。クリスマスローズに山野草のような可愛い要素を入れたいなと思っていました。それで誕生したのが、小さくてたくさん花が咲く「プチドール®」シリーズです。
今は、さらに交配を繰り返してだんだん小さくなっていて、どれだけ小さいのが作れるか極めたい気持ちと、クリスマスローズらしさを残しながら、育てやすさと可愛らしさの究極のバランスなどを模索しているところです。
今後の育種について
編集部:
今後はどんなクリスマスローズを作っていきたいですか?

横山さん:
クリスマスローズは、寒くても閉じることをしない花なので、基本的には下向きに咲く花が多いんですが、品種改良によってちょっとずつだんだん横向きにするのを目標にしています。あんまり上を向いて咲くと雨を受け取ってしまうので、横向きに。みんなに少し表情をチラ見せする感じでね。

ストロベリームーン®
シンプルさや、シングル咲きの清楚さも忘れたくなくて、どちらかというと奇をてらったものよりも、見ていて安心するようなもの、飽きが来ない、育てていて楽しくて、ずっと育てたいなと思ってもらえる愛着がわくようなクリスマスローズを作っていきたいと思っています。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………….
横山直樹さん、ありがとうございました。
大好きなクリスマスローズ(プチドール®)を大切そうに抱えてからの、チカラコブポーズをいただきました! 「お花で、元気に、明るく、楽しく、笑顔に」をモットーに活動されている横山さんは、植物を慈しむ気持ちが体全体からあふれていて、お話を聞いて心が元気に癒されました~。
~横山直樹さんのご紹介~

横山園芸・代表。1978年生まれ。先代より親子2代に渡ってクリスマスローズ、原種シクラメンなどの育種、生産を手掛ける。近年はエディブルフラワーの生産も。全国各地で講演会を行うほか、NHK「趣味の園芸」講師、英国シクラメン協会日本支部代表、などの活動やYouTubeやインスタグラムなどのSNS発信を通じ、『お花よろこぶチカラコブ』をキャッチフレーズに植物の楽しさや魅力を伝える。【お花は必需品】をモットーに植物で人を笑顔にすることがライフワーク。
▼横山園芸さんに聞いた!クリスマスローズを上手に育てる6つのポイントはこちら
▼横山園芸さんに聞いた!クリスマスローズの色々な咲き方とおすすめ品種はこちら
横山直樹さんは著書「新版 クリスマスローズ」にて、クリスマスローズの育て方はもちろん、クリスマスローズのあらゆることについて詳しくお話しされています。公式オンラインショップから購入すると横山さんのサイン入りだそうですよ。(^^)
▼編集部のおすすめ








































