クリスマスローズとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
クリスマスローズ
学名

Helleborus

英名
Hellebore, Christmas rose
和名
寒芍薬
別名・流通名
レンテンローズ
科名
キンポウゲ科
属名
ヘレボルス属
原産地
ヨーロッパ、西アジア

クリスマスローズの特徴

クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。

日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。

他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。

クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。

クリスマスローズ・ニゲル

クリスマスローズ・ニゲル

クリスマスローズの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 30~60cm
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
耐陰性 強い
花色 白、ピンク、緑、紫、黄、黒、アプリコットなど
開花時期 1月~4月

クリスマスローズの種類

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有茎種

有茎種のクリスマスローズは、茎が立ち上がって葉を展開し、その頂部に花を咲かせます。根茎は未発達で細い根が生えます。

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無茎種

無茎種のクリスマスローズは、葉柄と花がらが根茎から別々に直接出ています。根茎は丈夫で太い根が生えます。

クリスマスローズには園芸品種名がない?

クリスマスローズは株分けで大量に増やすことはできません。そのため、種で増やしています。しかし、種で増やしても花色、花形、花の模様が安定せず、同じ花が咲きません。それがクリスマスローズの最大の特徴であり、最大の魅力です。そのため、園芸品種をつけられないのがこのクリスマスローズなのです。 同じ花が咲かないからこそ、好みの花を見つけて、育て、新しく交配する楽しみができることがクリスマスローズの魅力の一つとなっています。

クリスマスローズを切り花で楽しむ。

クリスマスローズを切り花で楽しむときは、一番花が咲いてすぐに切ってはいけません。二番花が咲き出すまで、切り花は我慢です。切ったクリスマスローズはバケツや花瓶などに40度位のお湯を入れ、花の下から茎全体をたっぷり浸し、そのまま冷めるまで入れておきます。クリスマスローズならではの湯上げです。湯あげをしたら、花瓶にたっぷり水を入れ深く水に浸かるように生けて下さい。

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クリスマスローズの花言葉

 

クリスマスローズの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
増やし方
剪定
肥料
開花

クリスマスローズの栽培環境

日当たり・置き場所

クリスマスローズ(ヘレボルス)は明るめの日陰、半日陰を好みます。日なたでも育ちますが、真夏の直射日光が長時間当たる場所は避けましょう。

用土

クリスマスローズを植える土は、水はけの良い土壌が適しています。酸度は弱酸性から中性が望ましいです。

クリスマスローズの育て方のポイント

水やり

鉢植えのクリスマスローズの水やり

クリスマスローズの生育期にあたる10~5月までは、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は夕方に水を与えると、夜間の冷え込みのため根が凍結してしまうこともあるため、晴れた日の午前中に行いましょう。 6~9月は高温多湿になるため根腐れを起こしやすい時期です。この時期は、乾燥気味に育てた方がよいでしょう。

庭植えのクリスマスローズの水やり

夏に何日も雨が降らない時を除いて、基本的に水やりの必要はありません。

肥料

1回目の施肥の時期

10月から11月初旬の生育が始まる時に、緩効性肥料を与えましょう。この時期施肥することで、クリスマスローズの花付きが良くなりますので忘れずに与えましょう。

鉢植えのクリスマスローズは、庭で育てている場合と違い、水やりや降雨によって肥料分が流されてしまいます。10~5月までの間、不足するようでしたらリン酸分の多い肥料や液肥で補いましょう。

2回目の施肥の時期

クリスマスローズの花期が終わった4月にお礼肥の追肥をしましょう。ゆっくりじっくり効くように1回目同様、緩効性肥料を与えましょう。

肥料不足のクリスマスローズの見分け方

葉が黄色い

窒素不足…葉全体が黄色くなって、根の機能が低下して生育不良になる。

カリウム・マグネシウム不足…葉縁、葉脈間など葉の一部分が黄変する。

このように、葉の状態を見て、肥料不足かどうか判断することもできます。反対に窒素肥料過多になってしまうと、葉ばかりが茂って花付きが悪くなり、かえって株自体が軟弱となり、病気や害虫に弱い体質になってしまいます。むやみやたらと肥料を与えることはくれぐれもやめましょう。

病害虫

灰色かび病: 花、茎、葉に灰色のカビがついて褐色になります。枯れたり腐ったりした茎や葉・花などをそのままにしておくとさらに病気の元となります。病葉はできるだけ早くに取り除きましょう。

ハダニ:気温が高いところや乾燥している場所に発生します。暖かい時期に発生しやすく植物の葉から栄養を吸収して弱らせます。また、弱った植物はハダニの被害に遭いやすく、被害も大きくなりやすいです。数が増えて被害が大きくなってくると、葉緑素の不足によって光合成ができなくなり、生長不良になったり、植物自体が枯れていきます。

クリスマスローズの詳しい育て方

選び方

クリスマスローズの苗の種類

販売されているクリスマスローズの苗は、今シーズン咲くものと、来期以降咲くものなど大きく分けて3つの種類があります。

販売されているクリスマスローズの苗は、今シーズン咲くものと、来期以降咲くものなど大きく分けて3つの種類があります。

開花株

種類…初花が咲いている状態で出回る5~6号ポットの苗。
出回る時期…早ければ12月、通常は1~3月の開花時期。

開花見込み株

種類…シーズンを迎えると初花を咲かせる予定の主に3年生株で、開花株と同じ5~6号ポットの苗。葉の付け根が太く、秋になった時点で新葉が少ない開花見込み株は数か月後に開花する確率が高い。

ポット苗

種類…2~3号ポットの2年生の苗。1年以上育ててからでないと開花しません。
出回る時期…10月頃から。

クリスマスローズの苗の選び方のポイント

クリスマスローズの苗は、どのようなポイントに注意して選べば良いのでしょうか。  芽と葉の数は少ないが、芽が太く充実しているもの  クリスマスローズの芽と葉の数は多いが、小さな芽しかないものは花が咲きにくく、芽と葉の数は少ないが、芽が太く充実しているものは花が咲きやすいようです。  花や葉に黒いしみなどの変色や、縮れのなもの  クリスマスローズがべと病などに侵されていると、葉の表面の病班が黒色となることから、健全に生育していて、花や葉に黒いしみなどの変色や、縮れのなものを選ぶように注意しましょう。  実生苗とメリクロン苗  市販されている苗の多くは※実生苗(みしょうなえ)です。種で増やしたクリスマスローズは1株ごとに個性があるので、咲いた状態で苗を選ぶと好みの花を入手することが出来ます。  ※実生苗とは、植物を種から育てた苗のことです。特にクリスマスローズは、種子一つずつ花の色や形が異なります。  そのため、花が咲く前に好みの花の種類を選びたいときは、固定した花の色、花の形が必ず咲く※メリクロン苗を購入することをお勧めします。  ※メリクロン苗とは、新芽から生長点を取り出し、無菌状態で培養して増やした苗で、同じ形や色の花を咲かせます。

芽と葉の数は少ないが、芽が太く充実しているもの

クリスマスローズの芽と葉の数は多いが、小さな芽しかないものは花が咲きにくく、芽と葉の数は少ないが、芽が太く充実しているものは花が咲きやすいようです。

花や葉に黒いしみなどの変色や、縮れのなもの

クリスマスローズがべと病などに侵されていると葉の表面の病班が黒色となることから、健全に生育していて、花や葉に黒いしみなどの変色や、縮れのなものを選ぶように注意しましょう。

実生苗とメリクロン苗

市販されている苗の多くは実生苗(みしょうなえ)です。種で増やしたクリスマスローズは1株ごとに個性があるので、咲いた状態で苗を選ぶと希望の花を入手することが出来ます。
※実生苗とは、植物を種から育てた苗のことです。特にクリスマスローズは、種子一つずつ花の色や形が異なります。

そのため、花が咲く前に希望の花の種類を選びたいときは、固定した花の色、花の形が必ず咲くメリクロン苗を購入することをお勧めします。
※メリクロン苗とは、新芽から生長点を取り出し、無菌状態で培養して増やした苗で、同じ形や色の花を咲かせます。

種まき

クリスマスローズの種まきは5月ごろ採取した種をすぐまく「とりまき」と、種を保存して秋にまく「秋まき」があります。

どちらも半日ほど種子消毒用の殺菌剤につけてから作業を行います。

発芽するまでの間は日陰で管理します。種を乾燥させると発芽率が悪くなりますので、乾かさないように注意しましょう。

植え付け

庭への植え替えは花期の前である10~12月、花期の最後である3月頃が適しています(お礼肥をあげる前)。

クリスマスローズは暑さが苦手です。夏に直射日光が当たる場所は避けて植え付けましょう。庭植えにする際は、開花するまでに時間がかかるため、出来るだけ開花株か開花見込み株を植えましょう

1.鉢植えの時と同様に、根鉢を軽くほぐし、古い土を落とします。

2.水をはったバケツに根鉢をつけ、古い土を全て落としましょう。

3.黒く変色した傷んでいる根を取り除きましょう。

4.植え替え最適時期以外の植え替えは、根も切らず、鉢も崩さずに植えましょう。

クリスマスローズは芽が上の方にありますので、深植えせず、浅植え気味に芽が隠れないように植え付けましょう。

植え替え・鉢替え

一般地では10~3月、5月がクリスマスローズの植え替え・植え付けの時期です。特に秋10~11月は、植え替え・植え付けに最も適している時期です。

鉢植えのクリスマスローズの植え替え:10~11月、5月

クリスマスローズが生長を始める10~11月と、花期が終わり花茎を切り終わった5月が最も適しています。

クリスマスローズの根が良く伸びて育ちやすいように深めの鉢で、 今お持ちの鉢の二回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。

ただし、植え替え最適時期以外の植え替えは、根も切らず、鉢も崩さずに植えましょう。

植え替え手順

1.根鉢を軽くほぐし、古い土を落とします。

2.水をはったバケツに根鉢をつけ、古い土を全て落としましょう。

3.黒く変色した傷んでいる根を取り除きましょう。

4.新しい鉢にクリスマスローズを入れ元肥と園芸用の土を入れましょう。クリスマスローズは芽が上の方にあるので、深植えせず、浅植え気味に芽が隠れないように植え付けましょう

※酸度は弱酸性から中性が望ましい。

クリスマスローズの生育期である10~5月位までは日当たりの良い場所で管理し、半休眠期である6~9月は半日陰で管理しましょう。風通しを良くし、過湿を避けて管理しましょう。

鉢植えのクリスマスローズの水やり

クリスマスローズの生育期にあたる10~5月までは、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は夕方に水を与えると、夜間の冷え込みのため 根が凍結してしまうこともあるため、晴れた日の午前中に行いましょう。

6~9月は高温多湿になるため根腐れを起こしやすい時期です。この時期は、乾燥気味に育てた方がいいでしょう。

庭へ植え替え:10~12月、3月

クリスマスローズを庭へ植え替えるなら花期の前である10~12月、花期の最後である3月頃が適しています( お礼肥をあげる前)。

クリスマスローズは暑さが苦手です。夏に直射日光が当たる場所は避けて植え付けましょう。

鉢植えのクリスマスローズと同じように、植え替え最適時期以外の植え替えは、根も切らず、鉢も崩さずに植え付けましょう!

1.鉢植えの時と同様に、根鉢を軽くほぐし、古い土を落とします。

2.水をはったバケツに根鉢をつけ、古い土を全て落としましょう。

3.黒く変色した傷んでいる根を取り除きましょう。

4.植え付け時(元肥)、又は花が咲き終わった後(お礼肥)に肥料を忘れずに与えましょう。クリスマスローズは芽が上の方にありますので、深植えせず、浅植え気味に芽が隠れないように植え付けましょう

庭植えのクリスマスローズの水やりは、夏に何日も雨が降らない時を除いて、基本的に水やりの必要はありません。

根がぐるぐると巻いていて根詰まり状態の苗

植え替え時、根がぐるぐると巻いていて根詰まりの状態の時は、クリスマスローズの根を5分の1ほど切って植え替えましょう。

クリスマスローズの植え替え時期である10~11月は生育期でもあります。切られた根はまた再生するので、切って植えても構いませんが、この時期以外は根鉢を軽くほぐす程度にとどめておきましょう。

切る際に5分の1以上に根を切ってしまった場合、その分の地上部の葉を切り取ることでバランスをとります。

クリスマスローズの根は、3分の1~2分の1くらいあれば枯死することはないようです。

クリスマスローズの花期

1月から3月にかけて美しいクリスマスローズの開花期がやってきます。つぼみの段階でも大変美しいクリスマスローズです。特に白いクリスマスローズのつぼみは、純白の卵のようです。  これから1月から3月という長い間咲き続けてくれるクリスマスローズを存分にお楽しみください。

12月後半から3月にかけて美しいクリスマスローズの開花期がやってきます。つぼみの段階でも大変美しいクリスマスローズです。特に白いクリスマスローズのつぼみは、純白の卵のようです。

クリスマスローズは種類によって開花時期が違います。クリスマスの頃に開花するのは、「ヘレボルス・ニゲル」です。

クリスマスローズは、実生のものが多いので、様々な花の咲き方、色があります。また、開花したてとガクになってからの色の変化も魅力のひとつです。

夏越し

クリスマスローズは夏の高温多湿が苦手です。夏は風通しの良い半日陰に移動させるようにしましょう。

冬越し

クリスマスローズは耐寒性があるので特別な冬越しの必要はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

長年育てたかなり大きくなったクリスマスローズを10月頃に株分けすることができます。あまり細かく分けすぎると生育が悪くなりますので気を付けましょう。

クリスマスローズの交配

栽培になれたら、クリスマスローズの花を交配することもできるようになります。交配した種をとり、一から育てるとなると、花をつけるまで数年かかります。せっかく交配するのでしたらむやみに交配することなく、目指したい花同士(色や花の形)を見極めて交配してみましょう。

交配の方法

種子親となるクリスマスローズの花がまだ開ききらないうちに、ピンセットで雄しべと出来れば蜜腺を取り除く。
花粉親となる花はしっかりと開いていて花粉が出ているものを選ぶ。

クリスマスローズの古葉取り

11~12月にかけての作業のひとつに、クリスマスローズの古葉の切り落としがあります。古葉を切ると株元がすっきりとして、開花時期にクリスマスローズもより美しく見えます。密植させないためにも古葉取りをしましょう。

その際、あまり根元ぎりぎりで切ろうとせず、クリスマスローズの新しい芽を傷つけないように注意しましょう。古い葉と新しい葉は色が完全に違うので見分けるのは簡単です。

クリスマスローズ花茎・花がら切り

クリスマスローズの花を十分に楽しんだら、花茎・花がらを切りましょう。  クリスマスローズは種を作ると株も疲れます。初めて開花したばかりの未熟な苗は種取を止め、体力を温存させるためにも種を作る前に花茎・花がらを切り、花瓶などに活けるなどして楽しみましょう。  種を取る取らないにかかわらず、遅くとも梅雨前には花茎・花がらを株元から切りましょう。 この時、有茎種のクリスマスローズは新しい茎の有無を確かめましょう。新しい茎が出ていない場合は花茎を根元から切ると、ショックで株全体が枯れてしまします。  その場合は、種を取って株を更新させましょう。 種を取る場合は、花に袋やネットをかけ、種が飛び散らないように注意しましょう。

クリスマスローズの花を十分に楽しんだら、花茎・花がらを切りましょう。

クリスマスローズは種を作ると株も疲れます。初めて開花したばかりの未熟な苗は種取を止め、体力を温存させるためにも種を作る前に花茎・花がらを切り、花瓶などに活けるなどして楽しみましょう。

種を取る取らないにかかわらず、遅くとも梅雨前には花茎・花がらを株元から切りましょう。 この時、有茎種のクリスマスローズは新しい茎の有無を確かめましょう。新しい茎が出ていない場合は花茎を根元から切ると、ショックで株全体が枯れてしまします。

その場合は、種を取って株を更新させましょう。 種を取る場合は、花に袋やネットをかけ、種が飛び散らないように注意しましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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