大人のボタニカル休日~東京都庭園美術館
LOVEGREEN編集部
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みなさんは、東京都港区白金台にある東京都庭園美術館に行かれたことはありますか?
旧朝香邸の本館と新館の建物が美術館として使用され、隣接する庭園も美術館と一緒に見ることが出来る都会のオアシスという言葉がよく似合う空間です。
中に足を踏み入れると…
素晴らしい木々の中に趣のある建物が目に入ります。
美術館の入り口から外を眺めてもこの開放感は都会の真中にいることを忘れさせてくれます。
《影の劇場》1984年 Photo:André Morain Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery
Theater of Shadows, 1984 Photo: André Morain Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery
画像提供:東京都庭園美術館
ちなみに、今回行った時にはフランスの現代美術家クリスチャン・ボルタンスキー氏の展覧会が開催されていました。
《心臓音》「心臓音のアーカイブ」展(2008年)展示風景
Courtesy Maison rouge c Christian Boltanski
le Coeur, vue de l’exposition, “Les archives du coeur”, 2008
Courtesy Maison rouge c Christian Boltanski
画像提供:東京都庭園美術館
ボルタンスキー氏はユダヤ人の父親を持つ経験から「生と死」をテーマにした作品を多く制作されています。旧館では主に彼の代表となる作品が展示されていました。
《アニミタス》(小さな魂)、2014年 Photo: Angelika Markul Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery
Animitas, 2014 Photo: Angelika Markul Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery
画像提供:東京都庭園美術館
新館で展示されていたボルタンスキー氏の新作も他者の目線を情感的に意識させる素晴らしい作品でした。さすが現代アートの巨匠です。
東京都庭園美術館 本館 大客室
画像提供:東京都庭園美術館
この東京都庭園美術館は、1947年の皇籍離脱まで朝香宮一家が暮らしていた邸宅です。朝香宮一家が退去した後、吉田茂外務大臣兼総理大臣公邸として1947~1950年に使用されていたようです。正真正銘の歴史的建物です。
その後、赤坂に迎賓館が出来るまで、国賓公賓来日の際の迎賓館として使用され、1981年12月に東京都に売却され、1983年に都立美術館のひとつとして一般公開されるに至った由緒正しい美術館なのです。
東京都庭園美術館 本館
次室と香水塔
画像提供:東京都庭園美術館
旧朝香邸は1933年に建設され、当時流行していたアール.デコ様式の装飾を内部に施し、フランスのインテリアデザイナーのアンリ・ラパン氏により設計された素晴らしい邸宅です。
陶器で出来たグラスのような形は、香水塔といって照明の熱で香水の香りを漂わせる現代のアロマヒューザーのようなものです。美しくて、とても素敵です。
東京都庭園美術館 本館
正面外観
画像提供:東京都庭園美術館
フランスに長期滞在していた朝香宮夫妻がパリで見学したアール.デコ博覧会がこの邸宅の建てるきっかけとなっている点についても、まさに世界の歴史をも匂わせる素晴らしい建物です。
1993年に東京都の有形文化財に指定され、2015年には国の重要文化財に指定されました。歴史的な建物で鑑賞できる美術館として心ゆくまで作品を堪能出来ます。
ゆっくりと美術館の展示を楽しんだ後は、お待ちかねの庭園散策です。
整備中の部分もありましたが、十分満喫できます。日本庭園をのぞいてみると、まず目に飛び込んでくるのは池です。
池に流れ込む小川。
12月末には紅葉も見ることが出来ました。
今の季節は山茶花(さざんか)の季節。こちらは赤い山茶花。
純白の山茶花は眩しいほどです。
本格的な茶室もあります。
中でも目を奪われたのは、ハツユキカズラの紅葉で彩られたバルコニーです。一面のピンク色のバルコニーに一目惚れしました。
いかかでしたか?
四季折々の植物を楽しめる庭園、建物、歴史、美術に触れることの出来る東京都庭園美術館に皆さんも足を運んではいかがですか。みなさんも素敵な庭園での休日をお過ごしください。
※入館料は展覧会によって異なります。もちろん庭園のみの入館も可能です。
※休館日、年末年始の閉園時間、展覧会の予定については東京都庭園美術館ホームページを参照ください。
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