すす病の原因や特徴は?すす病になった時の対処法や予防法はどうすればよい?

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春~秋に発生しやすく、植物の葉が黒い粉で覆われるすす病。もしすす病が発生した時の対処法や、すす病を発生しにくくする予防法などをご紹介します。

目次

すす病の特徴とは

すす病の特徴は、植物の葉や茎に現れる黒い粉のようなものです。これが煤(すす)に見えることから、すす病と呼ばれています。

▲葉の両面にすす病が広がっている

すす病の特徴は、植物の葉や茎に現れる黒い粉のようなものです。これがすす(煤)に見えることから、すす病と呼ばれています。この黒い粉の正体はすす病の原因菌であるカビの胞子で、放置してしまうと徐々に広がっていきます。また、綿棒やティッシュなどで拭うと取ることができます。

すす病は野菜や花苗だけでなく、観葉植物や庭木など、多くの植物に発生します。特に冬が明け気温が高まってきた春~秋頃に発生しやすい病気です。

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すす病の原因

すす病が発生する原因はカイガラムシやアブラムシ、コナジラミといった害虫の排泄物です。これらの害虫は植物に寄生して汁を吸う吸汁害虫と呼ばれており、その時に出される排泄物を甘露といいます。

このカイガラムシなどが出す甘露は糖分を多く含んでいるため甘くベトベトしており、排泄時に葉や茎に付着することがあります。すぐに水などで洗い流せば問題ないのですが、放置しておくことで、すす病の原因菌が甘露に付着し、その栄養をもとに増殖してすす病を発生させます。

観葉植物の葉柄にカイガラムシが寄生し、すす病が起きている。アリはカイガラムシの甘露を求めて群がっており、右下の新芽部分にはコナジラミらしきものも見える。

▲観葉植物の葉柄にカイガラムシが寄生し、すす病が起きている。アリはカイガラムシの甘露を求めて群がっており、右下の新芽部分にはコナジラミらしきものも見える。

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すす病が植物に与える影響

すす病はあくまでカイガラムシなどの排泄物にカビが生えている状態なので、植物本体に直接寄生しているわけではありません。そのため急に植物が枯れてしまうということはあまりないのですが、すすが葉の表面を覆うことで光合成ができなくなり、徐々に植物が弱っていくことがあります。

また、すすをティッシュペーパーなどで拭っても完全に落ちないことがあるため、観葉植物などは見栄えが悪くなるといった影響があります。ただ、あくまで見栄えが悪くなるというものなので、すす病本体よりも原因であるカイガラムシやアブラムシといった害虫による悪影響の方が大きいかと思います。

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すす病になった時の対処法とは

すす病の対処法は、付着したカビを落とすことと原因となる害虫を防除することです。

すす病の黒いカビを落とす方法

すす病の黒いカビを落とすには水で洗いながらティッシュペーパーや歯ブラシなどで擦るのが手っ取り早いです。完全に落とすことができない場合もありますが、大抵はこれできれいにすることができます。ただ、地植えの植物や見栄えが重要な観葉植物の場合は、思い切ってすす病の部分を剪定してしまった方が早いです。剪定をすることで、付近に寄生していた害虫も一緒に防除することができます。

すす病の原因となる害虫を防除する方法

すす病の原因となる害虫は主にカイガラムシ・アブラムシ・コナジラミです。これらを防除するには薬剤を散布するのがよいのですが、開花中であったり実ができ始めている時にはあまり薬剤を使いたくないという方も多いかと思います。

そんな時は手間はかかりますが、歯ブラシと流水(シャワーなど)で擦りながら物理的に落とすとよいでしょう。卵や目に見えないくらい小さな幼虫が付いている場合もあるので、一見キレイな場所もまんべんなく洗い流します。

また、薬剤を使って防除する場合も散布前にある程度、害虫を落としておくと効果が出やすくなります。

薬剤を使って害虫を防除する

すす病の原因となるカイガラムシ・アブラムシ・コナジラミを薬剤で防除する時は、それぞれに適した薬剤を使用します。

カイガラムシ

脱皮を繰り返し大きくなっていくカイガラムシ

▲脱皮を繰り返し大きくなっていくカイガラムシ

カイガラムシは主に観葉植物や樹木などに発生しやすい害虫で、春~梅雨前と秋頃に発生しやすくなります。さらにカイガラムシの成虫は体の表面をロウ物質で覆っているため薬剤が効きづらく、防除が難しい害虫です。

そのため、まずは薬剤の効きづらいカイガラムシの成虫を物理的に落として、カイガラムシエアゾールなどの専用薬剤を散布するようにします。カイガラムシエアゾールは効果が1ヵ月ほど持続するため、散布後に孵化したカイガラムシの幼虫も防除することができます。もし1ヵ月経ってもカイガラムシが残っている場合は、もう一度散布しましょう。

アブラムシ

単体であれば可愛らしい見た目だが、群れると厄介なアブラムシ

▲単体であれば可愛らしい見た目だが、群れると厄介なアブラムシ

アブラムシは多くの植物に発生しますが、特に野菜や花苗などで目立ちます。また、アブラムシは繁殖力が旺盛なため一度防除してもすぐに増えてしまうことがあります。そのためオルトラン粒剤など一度の散布で効果が持続する薬剤で対応します。オルトラン粒剤などで防除したあとはニーム木酢液をスプレーすることでアブラムシが寄り付きにくくなります。

野菜などオーガニック栽培をしたい場合は天然ヤシ由来の有効成分でアブラムシを防除するアーリーセーフ(有機JAS規格)がおすすめです。収穫日前日まで使用することができますが、持続効果は無いため、使用後はアブラムシが寄り付かないように予防する必要があります。

コナジラミ

コナジラミは多くの植物に発生する害虫です。さらにコナジラミは卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫と完全変態を行うため、卵と蛹には薬剤が効きづらく、防除が難しい害虫です。

卵が孵化した後や、蛹が羽化した後にも効くように、使用する薬剤はベストガード粒剤など一度の散布で効果が持続するものを使用するのがおすすめです。薬剤散布前にコナジラミを洗い流す場合は、葉裏なども確認するようにしましょう。

アブラムシ同様に、野菜などオーガニック栽培をしたい場合は天然ヤシ由来の有効成分でアブラムシを防除するアーリーセーフ(有機JAS規格)がおすすめです。ニーム木酢液もコナジラミに有効です。

薬剤を使用する時の注意点

薬剤を使用する際は、必ず説明書に記載されている注意事項(使用方法・適用植物・適用害虫等)を守ってください。また、気温が高い時間帯や直射日光が当たる場所で薬剤を散布すると薬害が起こりやすくなるため、日が落ちてくる夕方ごろに散布するとよいでしょう。

水に溶かして使用するタイプの薬剤は室内での散布は避け、風通しの良い屋外で行ってください。地面の上に撒く粒剤は室内の観葉植物に使用しても問題ありません。見た目が気になる場合は上から軽く化粧砂やマルチング材などを被せるとよいでしょう。(※ペットが粒剤やマルチング材を誤食しないよう注意してください。)

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すす病を予防するには

すす病を予防するには、原因となる害虫を寄せ付けないことです。風通しが良い場所で管理し、葉水などで清潔にしておくことで害虫が発生しにくくなります。また、アブラムシなどの吸汁性害虫はチッソ肥料を多くやると発生しやすくなります。これは植物の中に栄養が多く溜まることになるためです。

そのため、害虫が発生しやすいなと思ったら肥料の見直しをしましょう。回数を少なくするか、チッソが少なくリンとカリウムが多めに配合されているものに変えるのがおすすめです。また、有機肥料など緩効性の肥料もゆっくりと植物に吸収されるためおすすめです。

風通しや肥料を変えるほかに、定期的にニーム木酢液を散布するのも効果的です。アブラムシなどの害虫以外に、ハダニやヨトウムシにも効果があります。

\一本持っておくと便利!/

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