感染を予防したい「さび病」。かかる原因と対策方法
LOVEGREEN編集部
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さび病の発生を予防するには?
肥料の与え過ぎ、または肥料切れで生じることが多いので、肥料は適正に与えるようにします。畑やプランターの水はけをよくし、過湿を避けましょう。
風通しをよくし、日光不足にならないように注意しましょう。
収穫後に注意したいこと
収穫後に土の中に残った株は病原菌の越冬場所になるため、必ず取り除いておきます。土の中の病原菌を次年度の株に伝染させないようにするため、連作を避けることも効果的です。
さび病が発生してしまったら?
発生したら発病した葉を速やかに除去します。
さび病の病原菌は、同じ植物間で伝染するタイプと、違う植物間を伝染するタイプに分かれます。同じ植物間を行き交うタイプの場合は、適した薬剤の散布が効果的です。
違う植物間で代表的なものは、マツ類とナラ類、ナシ・リンゴ類とビャクシン類などで、どちらかの植物を取り除くことができれば、確実に防除できます。そのため、ナシなどの産地によっては、ビャクシン類の植栽を規制することによって防除します。
薬剤を使った防除
発生初期に薬剤を散布します。近くに植えているビャクシン類には、そこで胞子が増える3月下旬から5月下旬の降雨後に散布します。ただし、病原菌の胞子は2km先まで飛ぶといわれており、胞子の飛来を完全に防ぐことは難しいでしょう。
さび病を起こす「さび病菌」の特徴と植物による症状の違い
発生時期は4~6月です。
野菜類に発生するさび病の病原菌はPuccinia(プクシニア)属菌と呼ばれるものです。さび病菌は絶対寄生菌で、生きた野菜の細胞に限って生活することができます。さび病菌には系統性があり、ネギに寄生する菌はニラには寄生せず、逆にニラに寄生する菌はネギには寄生しない、といった特徴があります。
植物の種類による異なる症状
一般的な症状としては、葉の表皮が破れて中から粉状の胞子が飛散します。被害の大きなキクでは、葉に黄白色、黒色、褐色などの斑点が広がり、葉の裏にはカビが生えます。植物の種類によっては筒状の突起やくさび状、ゼリー状の菌体ができることもあり、ウメでは花がさび色の奇形になります。マツ類では幹にこぶができます。
ネギの症状と予防対策
発生時期は6~7月及び10月です。
低温で降雨が続き、肥料不足で生育が悪いと多発します。春から秋にかけて、葉に紡錘形や楕円形の、少し盛り上がった橙黄色の斑点が発生します。斑点が破れて出てくる胞子の発生温度は9~10℃で、夏期に低温多雨の年に多発します。24℃以上になると発生が少なくなります。駆除するために農薬を使用する際は、発生初期から炭酸水素カリウム水和剤に必ず展着剤(てんちゃくざい)を加えて散布します。
コーヒーのさび病
中南米で最も恐れられているコーヒーの葉につく病気で、発病すると葉の裏側に赤さびのような斑点がいくつも現れて次第に広がり、やがてその葉は枯れ落ちます。これにかかると、木は光合成ができなくなり、最悪の場合、木が枯れてしまいます。胞子は空気中を漂い、雨が降ると地上に降り注ぎます。
さび病に属する他の病気
白さび病
葉の表側にぼやけた斑点が、葉の裏側に白いイボ状の斑点ができ、大根や白菜、カブなどアブラナ科の野菜やキクなどに発生しやすいです。
黒さび病
葉の表側に黄緑色から淡い褐色の斑点が発生し、葉の裏側に盛り上がった小さな黒い斑点ができます。ムギやキクなどに発生しやすいです。
赤星病
葉の表側に黄橙色をした円形の斑点が発生します。ビャクシン類の葉や枝で越冬したさび病菌が、春になるとリンゴやナシに付着して発病します。
灰色かび病
カビの一種ボトリチス菌によって起きる病気で、発病した部分が灰色のカビが生えたようになるのでこの名前があります。
さび病のまとめ
・バランスのよい施肥で植物を丈夫に育てます。
・日光に十分当て、風通しをよくして過湿にしないように水はけをよくします。
・密植を避けて、茂りすぎた枝葉は剪定・整枝し、風通しをよくします。
・胞子がビャクシン類について冬越しするため、ビャクシン類との混植を避けましょう。
・発生したら発病した葉を速やかに除去し、処分します。
病害虫は防除が大切です。日頃のお手入れのなかで、病害虫に対して正しい知識を持っていると、異常が見つかったときに早期発見・対処ができます!
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