東京ドーム3.8個分の農園見学!ハーブ専門ファーム「ポタジェガーデン」へ行ってきました
LOVEGREEN編集部
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「ハーブの力を知ってほしい」。創業以来30年この想いを胸に、ハーブが毎日の生活に寄り添う身近な存在になるようにと、ハーブの生産を続けているハーブ専門ファームの「ポタジェガーデン」。 土のこと、こだわりから、ハーブが私たちの手元に届くまでを紹介。おすすめのハーブの使い方も伺いました。
目次
- スタートは「自信を持って届けられる苗を作ること」から
- 農園ツアー!ポタジェガーデンを回ってみた
- 選抜苗の出荷まで
- 安全性を考えた農薬との付き合い方
- ハーブのおすすめの使い方、教えてください!
- 今後のポタジェガーデンのこと
スタートは「自信を持って届けられる苗を作ること」から
ポタジェガーデンができるまでは、ハーブの生産ではなく仲卸業務が中心でした。「苗を自分で生産していないと、どうしても生産者に全てを委ねることになってしまう」ということに気づいた代表は、自分で苗を育てることで「お客様に自信を持って出荷ができるのでは」ということにたどり着きました。ただ生産するだけではなく、「ハーブの力によって多くの人に、心も身体も豊かになって欲しい」という気持ちもあり、この2つのことがポタジェガーデンを作るきっかけとなりました。
農園ツアー!ポタジェガーデンを回ってみた
ここからはハウスの中の様子やハーブを紹介します。ミント、ローズマリー、タイムなど定番のハーブはもちろん、初めて見るような変わったハーブもありました。ハーブの数は数えきれないほどあります。ポタジェガーデンでは以前は約170種類のハーブの生産をしていたのですが、世界情勢の影響もあり現在は約130種類の品目を栽培しています。
農場の広さは東京ドーム3.8個分
カメラのフレームに収まりきらないほど長いハウスと数!それもそのはず、農地の総面積は約54,000坪、180,000㎡あります。苗の移動などは車での移動がメインになるのには納得です。農場の全部を回るのは1日では足りないので、今回はハウスの一部を見学させてもらいました。
案内をしてくれたのは、営業担当の黒田さん。
ハウスの中はハーブがびっしりと並んでいます。こちらはミントなどがメインに置いてあるハウス。現在のスタッフ数は現場管理をする社員、パートなどを含めて70名くらいで運営しています。
どれくらいのサイズになったら出荷されるのか、ハーブの生長過程を丁寧に説明してくれました。
お店に並んでいる苗は、いくつもの中から選抜されたもの。このイタリアンパセリのトレーの中から、サイズと状態の良いものが出荷へ進んでいきます。
グランドカバーになるハーブたち
LOVEGREENが運営するLOVEGREEN STOREでも人気のローマンカモミール。グランドカバープランツとして使うことで雑草対策にもなります。苗に雑草がある場合はひとつひとつ手で抜いているそう。できる限り綺麗な状態にする姿勢には、苗づくりへのこだわりと、想いを感じます。
ローマンカモミールの這うように育つ性質を活かすことで、まるで芝生のようになります。手触りはふわっふわで甘いりんごに似た香りがハウスの中に広がっていました。
濃い緑に白い花が映えるワイルドストロベリー。ほふく枝で横に拡がるように生長するため、食べられるグランドカバーとしても利用されています。
王道の人気ハーブだけではなく、ちょっと変わった種類も栽培しています。こちらはコルシカミント。そう、あのミントの仲間です。同じミントでも香りは独特。半日陰くらいの日照が適しているのでやや日当たりが心配の庭にもよさそう。。ただ、とても小さい葉なので、面を作るには時間もかかります。
種に挿木に。先を読んで動くことが重要
ハウスの中にはまだ小さい姿のハーブもたくさん。出荷のタイミングに合わせて数ヶ月前から種まき、挿木は始まります。気候や日照にも左右されることもあるそう。どちらも全て手作業で行われています。
種をまいてから約1か月のバジル。小さくてもバジルの姿がはっきりとしてきているのがわかります。
挿木だけのハウス。奥まで綺麗に並んでいる様子は圧巻です。
温室とはいえ、気候は毎年同じ条件ではありません。試行錯誤し苗作りをしているのがわかります。同じハウス内、同じ環境でもうまくいかない苗も出てきます。丈夫に育っている苗はこのサイズでも濃厚な香りを放っていました。
ちょっと変わったハーブもあります
ハウスの中を歩いていると、見たことのないハーブもあります。
パッと目を引いたのがカステルフランコ。チコリの仲間で斑入りの葉がとても美しく目立っていました。華やかな葉は寄せ植えにも人気が高いそう。青い花が咲き、濡れると透き通るとのことでなおさら興味津々。とても気になったハーブです。
ミントのハウスで見慣れない形の葉を発見。他のミントに比べて葉が細長く、茎は濃い紫色が際立つこのハーブはタイミント。特にクセもなく、爽やかな香りが楽しめます。
葉にラインを引いたような葉脈がくっきりとしたルメクス。レッドソレルとも呼ばれスイバの仲間です。漢字で「酸い葉」と書くので、酸っぱいの覚悟で試食したところ、酢の様な酸味でははく、青さの中に独特な酸味を感じました。食べるだけではなく、見ても楽しめるハーブがたくさんあるということを教えてもらいました。
虫除けに使われる除虫菊もありました。種から育ち、まだ小さい姿ですが、暮らしの中でハーブの力を取り入れているんだなということに気付きます。
無駄にしないで、活かす
いかに良い状態で店頭に並び、手にとってもらうか。そのためにはこまめに生長具合を確認したり、手でひとつひとつの雑草を抜いたりしています。それだけではなく、「出荷するタイミングがとても重要」ということ。
農場から運ばれて、店頭に並ぶまでも生長は止まることはありません。そのため店頭に並んだ時のサイズ感を想定してピックアップし出荷されていきます。
大きく育ったハーブは収穫し、再び仕立て直しをします。収穫したハーブは冷蔵庫で鮮度をキープ。
苗としての出荷のタイミングが過ぎ、伸びすぎたハーブも廃棄するのではなく、カットして冷蔵庫で鮮度をキープ。新鮮なうちにパック詰めしてスーパーや花屋さんに出荷されます。
ハウスの外にもハーブはあります
ハーブはハウスだけでなく、外にも並んでいます。取材した日はカンボジアからの農業研修の方が切り戻しを行っていました。黒田さん曰く、現在ポタジェガーデンには6名の農業研修の方が日々農業のことを学んでいるとのこと。「みなさんとても器用なんです!と力説するだけあって、どんどん切り戻しは進んでいきました。
路地栽培は主に生花用です。訪れた時期が春で、これから冬に枯れた部分を整え新しい苗が育っていきます。キラキラと輝く新緑を想像するだけでもワクワクしてきます。
選抜苗の出荷まで
出荷の準備をしているハウスは、スタッフがトレーを持って出荷の苗をピッキングしている最中でした。毎日何百もの苗が動くだけあって苗が綺麗に並んでいます。出荷の時点でスタッフが見て、状態が良くないものは差し替えます。いくつものプロの目を通り、売り場に並んでいることがわかります。
箱に入る前のハーブ苗のセット。背丈や、葉のサイズも近いのもが並び、状態が良いのがわかります。
スタッフのハーブ愛が詰まったラベルにも注目
ポタジェガーデンの苗の特徴ともいえるラベル。可愛らしくわかりやすい手描きのイラストはスタッフが描いたもの。ハーブへの熱い想いが伝わってくる理由です。
その数は数えきれぬほど!中には卸先ごとに専用のラベルがあるので、手描きラベル以外のデザインも存在します。もしかしたらみなさんの手元にもあるかもしれません。
安全性を考えた農薬との付き合い方
ハーブは料理やクラフトにと、私たちの暮らしの中で多く取り入れるシーンが多くあります。そこで気になるのが農薬。ポタジェガーデンが考える農薬との付き合い方、考え方を黒田さんに伺いました。
「今の農薬は、皆さんがイメージするよりさらに進んだものだと私は思います。安全性に関しては各農薬に決められた食べてはいけない期間もかなり細かく記載されています。なるべくは農薬を使わないようにしたいのですが、状態の良い苗を作り届けるためにも適量の農薬を使う方向になった次第です。」
健康とは言い難い苗を出荷するわけにはいかないこと、虫が病気を運ぶこともあるので、なるべく虫がつかずに病気を予防できるように心掛けて育てていると話してくれました。
ポタジェガーデンでの農薬は、飲食に問題のないレベルで虫除けのために使用していることを開示しています。また、ハーブを安心して利用できることをお伝えするために、ホームページで「最新の農薬履歴」を掲載し、適宜更新されています。
ハーブのおすすめの使い方、教えてください!
とにかくハーブを愛し、毎日ハーブに触れている黒田さんのハーブの活用方法はハーブバスです。フレッシュのまま束ねてお風呂に浮かべるだけで香りを楽しめます。ふわりとハーブの香りが漂う湯船に浸かり、身も心もほぐれる極上の時間を過ごせそう。お庭などでたくさん収穫できた時に試してみたい方法ですね。
そしてイチオシはローズマリーとのこと。お風呂にも料理にも使え活用できるハーブは1株あると万能ですよ。
今後のポタジェガーデンのこと
最後に今後のことを少し伺いました。現在3箇所ある農場を1つに集約し、埼玉県羽生市へお引っ越し準備中とのこと。これからより多くの方にハーブを楽しんでもらえる取り組みを予定しているそう。
農場は、ハーブの香りはもちろん、苗やハーブを手に取る私たちにハーブの良さを伝えたいという思いが溢れていました。今後の活動、広がりが楽しみですね。
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