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横山園芸さんに聞いた! クリスマスローズを上手に育てる6つのポイント

クリスマスローズの園芸農家といえば、東京都清瀬市にある横山園芸さん。横山園芸の代表 横山直樹さんは、世界的に有名なクリスマスローズの育種家・生産者で、メディアや講演会、YouTube、SNSなどでクリスマスローズをはじめとした植物の魅力や楽しみ方を情熱をもって伝えています。

今回、横山園芸さんを訪れ「初心者でもクリスマスローズを上手に育てられる6つのポイント」とクリスマスローズの魅力をたっぷり教えていただいたので、その様子をレポートします! ぜひ皆さまもこの機会にコツを覚えてクリスマスローズを育ててみてくださいね。

撮影協力/横山園芸

目次

クリスマスローズについて

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
クリスマスローズの魅力を教えてください。

横山さん:
クリスマスローズは、地域にもよりますが、関東だと年明けからぽつぽつ咲いて、梅が咲く頃から次々と咲き始め、桜が咲く頃に満開になるんです。

ヨーロッパに広く自生していて、自生地では雪解けの水をふんだんに吸って雪解け後に一気に花を咲かせるんですよ。

雪の中から花が咲き出す様子から「初雪起し(はつゆきおこし)」という和名があったり、冬に咲く芍薬に似た花なので「寒芍薬」とも呼ばれ、古くは茶花や生け花に使われることが多かったようです。

まだ寒くてあまり花が咲いていないようなときに、色づいてきて美しく咲く姿がいいんですよね。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

「咲き始めから咲き終わるまで可愛くて仕方ない。」と、大切そうにクリスマスローズの苗を手に持つ姿から、愛情深く丁寧に育てていらっしゃる様子が伝わってきました。

横山さん:
最近は品種改良によって、花の咲き方、形、模様、色などさまざまで、その組み合わせによっては何千通りものバリエーションがあるんですよ。品種によって、大きくて存在感がある子だったり、小さくて可愛い子だったり……。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

プチドール®

横山さん:
最近はもっぱら小輪咲き(横山園芸作出のプチドール®)を極めようとしています。

コンパクトな小輪で花付きが良い、大きなお庭がなくても気軽に鉢で育てられる品種です。プチドール®の中にも、さらに小輪のタイプや、若干草丈が高いタイプ、八重咲きなど色んな種類があるんですよ。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

プチドール®

横山さん:
ほら、これなんかこんなに小さいのに八重咲きなんです!

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良い苗の選び方を教えてください

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
クリスマスローズの苗を買うときに、どんな苗を選んだらいいのでしょうか?

横山さん:
例えば、この2つの株で見比べると、花が咲いていて葉が少ない方の株が状態の良い苗です。

今の時期(取材は1月)には、花が咲いていれば良く育っている苗です。花が咲いていて葉はカットした状態の苗でも問題ありません。花が咲いていれば栄養状態も良いです。

逆に、今の時期に葉ばかりが茂っている株は、花を咲かせる体力が無くて葉を出そうとしてしまっていたり、根詰まりしている可能性もあります。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

横山さん:
この2つの苗を比べるなら、株元に来年用の脇芽が出ている右の苗がいいですね。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

横山さん:
来年の脇芽っていうのはこれです。

今の時期に買うなら、①花がしっかり咲いている。②根がしっかり育っている。③脇芽がある。

主にこの3つをチェックするといいですね。

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買ってきた苗の植え替えはいつ?

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
苗の植え替えはいつするのが一番いいですか?

横山さん:
クリスマスローズは生産者がしっかり作り込んでいるので、根がパンパンに張っていることが多いんです。ポットから抜いてみて、根がぐるぐる巻いているときはすぐに植え替えた方がいいですよ。

関東以西であれば、寒い時期でも根をいじめない程度にほぐして植え替えましょう。根をほぐしてあげるとその後の生長が良くなります。でも、冬に毎日霜が降りるような寒冷地では、桜の開花宣言が聞こえて来る頃まで待って植え替える方がいいですね。

桜が咲き終わったら、どんどん暑くなるので植え替えは控えます。真夏は暑さに耐えるためにぐっと我慢しているときなので、植え替えはしません。秋に彼岸花が咲き終わった頃からまた植え時となります。

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日ごろの手入れ(水やり、肥料、土、置く場所)

編集部:
水やりについて教えてください。

横山さん:
花が咲いている時期はけっこう水を必要とするので、くたっとならない程度に、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

「苗がくたーっとなっている」とは、こんな状態です。

編集部:
冬の水やりで気をつけることはありますか?

横山さん:
すごく寒い地域だと、朝にくたーっとなっていて、日が昇ってくると普通に戻るときがあるんですが、それは水が無いからではなくて、クリスマスローズの防衛本能で、凍らないようにわざと自分で水分を根に戻して地上部を脱水状態にしている状態なんですよ。

そんなこともあるので、冬の水やりは、できるだけ日中か、夜早めの時間で土が凍る前にしましょう。

編集部:
夏の水やりで気をつけることはありますか?

横山さん:
夏は乾かし気味で、水やりは夕方から早朝に少なめにします。くたっとなってからあげるくらいでも大丈夫ですよ。水のやりすぎで腐らせてしまう方が多いです。

梅雨時期はもちろんですが、最近はゲリラ豪雨なども多いので、地植えであれば落葉樹の株元に植えたり、鉢植えであれば軒下や棚の下など、雨が当たりにくい場所に置く工夫をしてあげるといいですね。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
肥料の与え方を教えてください。どんな肥料がいいとかありますか?

横山さん:
秋から春は肥料を切らさない方がいいです。彼岸花が咲いた頃から肥料(1~2か月かけてゆっくり効く緩効性の肥料)を与えましょう。花が咲いているときは、それに加えて水やりの水に液体肥料を混ぜて追肥するといいです。

花びらの多い多弁咲きの品種は体力を必要とするので、肥料を気持ち多めにするといい花が咲きやすいですよ。

夏は、半休眠状態なので肥料は与えません。

編集部:
どんな土で育てると良いでしょうか?

横山さん:
「すーっとしみ込んで、さーっと抜ける」適度な水はけの良さが必要です。赤玉土と鹿沼土に、腐葉土と堆肥を混ぜたような土がいいですね。

編集部:
日なた、日陰など、どんな場所で育てたらいいですか?

横山さん:
クリスマスローズは日陰が好きと言われがちですが、地植えの場合は、半日くらい日が当たる半日陰くらいの場所がいいですね。自生地では、森の入り口くらいの方が花が多く咲いていて、森の中の暗い場所にはそれほど咲いていなかったりするんですよ。

すべての桜が葉桜になる頃までは、できるだけお日様に当ててあげましょう。その後は暑くなるので、鉢植えは日陰に移動させます。

また、園芸店では暖かい場所で管理していることが多いと思うので、寒い時期に買う場合は、環境に慣れるまで1週間くらいは寒風が当たらないように軒下や壁際、玄関先などに置いてあげるといいですね。特に寒い地域にお住まいの方はご注意ください。

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花後はどうしたらいいですか?

編集部:
花はいつが咲き終わりで、咲き終わったらどのあたりで切りますか?

横山さん:
クリスマスローズは、花が咲き終わったのがいつかわかりづらいんですよね。何でかというと、花びらと思っているのは「ガク」なので、葉の一部のようなものです。ガクは散らずに残るから、まん中の雄しべが全部落ちたり、色がみどり色に退色したり、蕾が一つもなくなったら、咲き終わったと思ってもらっていいです。地植えの場合は、桜が葉桜になったらほぼ咲き終わりと考えます。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

横山さん:
この株だと、きれいなピンク色で咲き始め、咲き終わりに近づくと色があせて緑色になってきて、中に種ができます。来年も花を咲かせることを考えると、種が膨らむ前に花茎をカットするといいですね。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

横山さん:
花茎を切るときは、株元から5cmくらいのところで切ります。あまり短く切ると株元がカビてしまうことがあるので注意しましょう。

 

横山園芸さん クリスマスローズ

横山さん:
クリスマスローズを切り花にすると、水が上がりにくくてしおれてしまうことがありますが、こんな風に雄しべと雌しべが全部落ちた花であれば、水もあがりやすく花もちも良いので生花として飾るのもおすすめですよ。

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夏に枯らさないためには

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
クリスマスローズを上手に夏越しさせるコツを教えてください。

横山さん:
最近の夏は、人も植物もしんどいですよね。以前は、コンクリートのベランダで管理するときは台の上に置いて風通しを良くしてと言っていましたが、今は台の下を通るのも熱風ですからね。

鉢植えは、外気温40℃以上にならないようにできるだけ日陰に移動させましょう。少しでも根の温度を下げることがポイントです。日陰の土の上に置くのがベストですが、地面が熱いときは発泡スチロールの上に鉢を置くなどして断熱しましょう。

地植えの場合は、マルチングをして地面が熱くならない工夫をするといいですね。

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葉の取り方やタイミング

横山園芸さん クリスマスローズ

編集部:
葉は、いつのタイミングでカットするのがいいのでしょうか?

横山さん:
葉は、多くのことを物語ってくれていて……

春には、新しい葉がにょきっと上を向き「肥料も水も太陽も欲しいです。」と言っている状態で、

夏には、頭上にめいいっぱい葉を広げて、「暑いから日除けしてほしい。肥料も水もあまりいらないです。」と、雨よけしている状態。

秋になると葉茎が両手を広げるように倒れてきて、「光が浴びたいです。肥料が欲しいです。」と言っています。イチョウが色づいて葉が落ちる頃になると、葉がペタンと地面にくっつくくらいになるので、そうしたら古い葉の役割が終わったと思っていいです。

横山園芸さん クリスマスローズ

葉をカットした様子。真ん中に花芽が出てきています。

横山さん:
真ん中に花芽が出てきているのを確認して、葉をカットしましょう! タイミング良く葉を切ってあげることで、花が早く咲きますよ。

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横山直樹さん、ありがとうございました。

横山さんが体全体を使ってクリスマスローズの葉の「春夏秋冬」の様子を表現してくれた様子は、LOVEGREENのInstagramのリール動画でもご覧いただけます。ぜひ見てみてくださいね。葉を切るタイミングがばっちりわかりますよ。

~横山直樹さんのご紹介~

横山園芸さん クリスマスローズ

横山園芸・代表。1978年生まれ。先代より親子2代に渡ってクリスマスローズ、原種シクラメンなどの育種、生産を手掛ける。近年はエディブルフラワーの生産も。全国各地で講演会を行うほか、NHK「趣味の園芸」講師、英国シクラメン協会日本支部代表、などの活動やYouTubeやインスタグラムなどのSNS発信を通じ、『お花よろこぶチカラコブ』をキャッチフレーズに植物の楽しさや魅力を伝える。【お花は必需品】をモットーに植物で人を笑顔にすることがライフワーク。

▼横山園芸 横山直樹さんのインタビュー記事はこちら

▼横山園芸さんに聞いた!クリスマスローズの色々な咲き方とおすすめ品種はこちら

横山園芸のInstagramはこちら

横山園芸のYouTubeはこちら

横山直樹さんは著書「新版 クリスマスローズ」にて、クリスマスローズの育て方はもちろん、クリスマスローズのあらゆることについて詳しくお話しされています。公式オンラインショップから購入すると横山さんのサイン入りだそうですよ。(^^)

横山園芸の公式オンラインショップはこちら

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