オープン外構とセミクローズ外構の違い / 失敗しない外構選びのポイント
お庭づくりのMIDOLAS[ミドラス]
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オープン外構を知っていますか? オープン外構とは、家を門扉や塀で囲わずに樹木や草花を植栽するなどして開放的に見せ、住む人だけでなく道行く人の目も楽しませたり、大きくとらえれば街並みづくりにまで配慮した外構づくりのこと。
欧米には多いスタイルで、周りの人との交流を大切にする明るい雰囲気が魅力です。それに対して今の日本で人気のセミクローズ外構があるのですが、どんな違いがあるのか気になるところ。
そこで今回はオープン外構とセミクローズ外構の違いやメリットとデメリット、失敗しない選び方のポイントなどについてたっぷりお話ししていきます。
目次
- オープン外構って?
- セミクローズ外構って?
- オープン外構・セミクローズ外構のメリット
- オープン外構・セミクローズ外構のデメリット
- オープン外構・セミクローズ外構のデメリットの対策は?
- あなたはオープン外構に向いている? それともセミクローズ外構?
- 解放感のあるおしゃれなプライベート空間をつくるコツ
- 失敗しない外構づくりのポイント
オープン外構って?
ゴロタ石を使ったロックガーデンで、スタイリッシュなお庭
オープン外構とは、家と道路との境界線を門扉や塀で囲わない外構のつくり方。欧米の治安の良い場所で主流になっています。敷地の境界を芝生やタイル、石張りなどで示したり、花壇や植栽で示すものなど様々なバリエーションがあります。家のかたちがしっかりと見えて遮るものがないので、家の前を通る人に素敵な家やお庭を見て楽しんでもらうことができます。
例えば、こちらのオープン外構はゴロタ石を使用したロックガーデン。スタイリッシュでおしゃれな空間でありながら雑草対策も兼ねていて、ゆっくり育つ手のかからない植物を選んで植えているのでお手入れも簡単。とても人気があります。
セミクローズ外構って?
セミクローズ外構は、敷地の一部を塀やフェンスで囲う外構です。
一つ前の時代の日本では、家の周りに門扉や塀を設けて外部と敷地内をはっきりと分け、外からの視線をシャットアウトするクローズ外構が多く取り入れられていたのですが、徐々に日本でもオープン外構が人気になり、 近年ではオープン外構とクローズ外構の中間の方式であるセミクローズ外構を選ぶ方が増えてきています。
道路との境界線には門扉や塀、フェンスは無いけれど、お隣との間にはフェンスがあるという場合もセミクローズ外構といえます。
高原にいるかのような雑木風玄関アプローチ
こちらのお家は、お隣との境界線はブロック塀とメッシュフェンスでつくっていますが、道路側はオープンスタイル。玄関アプローチは、枕木と天然芝の開放的な空間につくられています。ヤマボウシとイロハモミジ、ハーブ類の植栽を行い、建物に沿ってつくった花壇は葉物野菜などを育てる家庭菜園スペースになっています。このようなナチュラルな雑木風のオープン外構もとても爽やかで素敵です。
オープン外構・セミクローズ外構のメリット
オープン外構のメリット
近所の人との交流ができる
オープン外構の家は、素敵な家とお庭を多くの人に見てもらうことができます。ガーデニング好きな方であれば、庭の手入れをしているときなどに家の前を通る人と顔を合わせる機会が自然と増え、ご近所さんとコミュニケーションがとりやすくなります。
育てている植物が花を咲かせる季節には道行く人の目も楽しませることができ、さらに会話も増えますね。旅行で長い間不在になるときにも、水やりをご近所さんに頼んだりもしやすいのではないでしょうか。
解放感のあるのびのびとした雰囲気
オープン外構の家は、塀やフェンスに囲われていないのでのびのびとした解放感があります。家の前を通りかかる人にも締め切られたような閉鎖感を感じさせることなく、美しい街並みづくりに貢献する外構といえます。
駐車スペースを自由に確保することもできます。自家用車だけでなく、来客用の車や自転車などの出し入れも楽に行えます。
敷地が小さい場合でも圧迫感が無い
都心などで家の敷地が小さい場合、玄関アプローチや駐車スペースを確保することが難しいことがあります。そんなときには無理に塀やフェンスなどを設置せずに、オープン外構を取り入れます。そうすると圧迫感の無いお家周りになり、小さいお庭も有効に使うことができます。見た目的にも閉塞感無く広々と感じられ、豊かな気持ちで暮らせるのではないでしょうか。
予算が抑えられる
オープン外構は、門扉や塀を設置しないのでその分の材料費と工事費を削減することができます。道路に面している部分が多い家ほど、大きなコストダウンになります。住宅を購入する際、外構にかかる費用を予算に組み入れることを忘れがちですが、実はけっこうな額が必要になります。
そう考えるとはじめからオープン外構でつくる方向で決めていれば、予算不足に焦ることもありません。また、門扉や塀の代わりに、敷石や芝生、植栽にお金をかけて解放感のある外構をつくるのもよいですね。
セミクローズ外構のメリット
セミクローズ外構のメリットは、何といってもオープン外構とクローズ外構の両方の良さをいいとこどりで実現できることですね。
近隣の人と程よい距離感をとって交流できる
花壇と駐車場はオープンにして、リビングや浴室の周りは目隠しを設置するなど、見せる場所としっかり隠したい場所を分ける外構づくりができるので、ご近所さんとも程よい距離間をとって自分のタイミングで自然に交流することができます。
開放感がありながらも安心して暮らせる
部分的に門扉やフェンスを設置することで外部からの侵入を防ぎ、プライバシーを保護。オープン外構に比べるとセキュリティーも強化することができます。敷地を広く使え、適度な開放感がある中で安心して過ごせます。
費用をおさえつつデザイン性も楽しめる
デザイン性のある門扉や塀、フェンスなどを部分的に設置することで、お家全体をさらに素敵に演出できます。セミクローズ外構は部分的な工事で済むのでクローズ外構に比べて費用をおさえられるのも魅力です。
オープン外構・セミクローズ外構のデメリット
オープン外構のデメリット
よその人が敷地内に侵入しやすい
オープン外構は塀が無いので、当然のことですが家の敷地によその人が入りやすくなります。残念ながら、近所の方が全員マナーをわきまえている人ばかりとは限らないので、どうしても多少なりともデメリットが考えられます。
見知らぬ人に抜け道として使われ、勝手に敷地内を通られたり、お庭に咲いた花を抜かれたり育てていた野菜を盗られてしまったり。散歩している犬のフンの被害や、ごみの置き捨てをされることも。お隣さんの所有物や車を置かれたり、断りなく子どもやペットの遊び場として使われてしまうこともあるかもしれません。
プライバシーの侵害
オープン外構には外からの視線を遮るものが無いので、家の中から解放的に外が見えると同じように、外からも中の様子が見えてしまいます。
子どもが飛び出してしまう
オープン外構で門扉や塀が無い場合、子どもやペットが飛び出してしまうことがあります。家の前に車や自転車などがよく通る場合は特に、ちょっとしたすきに子どもやペットが道路に飛び出してしまうことが無いように注意しなければなりません。
セミクローズ外構のデメリット
不審者が隠れる死角ができる
部分的に塀やフェンスを設置するセミクローズ外構では、外からの目隠しを重視すると不審者が隠れる死角をつくってしまうことがあります。
オープン外構に比べて外構工事に費用がかかる
門扉や塀、フェンスなど何も設置しないオープン外構に比べると、外構づくりの材料や工事費用がかかってしまいます。
オープンスペースにはよその人が侵入しやすい
玄関アプローチと道路の境界線がはっきりしにくいことがあるので、特に駐車スペースが道路に面していてオープンな場合などは歩行者が駐車スペースに入ることがあります。
オープン外構・セミクローズ外構のデメリットの対策は?
オープン外構・セミクローズ外構で近所の人や通りがかりの人の侵入を防ぐためには、まず普段から近隣と良いコミュニケーションをとることが大切です。そして低い植え込みをつくって敷地内に立ち入りしにくくする工夫をする、防犯カメラを設置することなどの対策が考えられます。
目隠し対策を何もしていないオープン外構の家は、外からの視線をシャットアウトしたい場所にだけ樹木を植えたり、部分的に目隠しフェンスを設置することをおすすめします。目隠しフェンスを設置する際は、不審者が隠れるような死角をつくらないために板と板の間に隙間のあるフェンスを選ぶとよいですね。
また、玄関前に縦格子ルーバーなどのフェンスを設置すると、子供やペットが飛び出してしまってもいったん立ち止まるようなスペースをつくれるのでおすすめです。
あなたはオープン外構に向いている? それともセミクローズ外構?
オープン外構に向いている方、セミクローズ外構に向いている方はそれぞれどんな方なのか考えてみました。
オープン外構に向いている方
ガーデニング好きな方
ガーデニングが好きでお庭の手入れが苦にならず、通りがかりの人とコミュニケーションをとることも負担にならずに楽しめる方にはオープン外構が向いています。
外から見えている方が安全と考える方
外から見えないようにがっちりと塀で囲まれた家は、不審者にとっては好都合。塀に隠れて侵入することができるからです。それに対してオープン外構は家の周りの様子がすべて見えるため、不審者にはターゲットになりにくい家と考えられます。外からすべて見えている方が安全性が高いと考える方にはおすすめといえるのではないでしょうか。
街並みや地域のコミュニケーションづくりに貢献する気持ちのある方
オープン外構は、家の前を通る人にも心地良い気持ちになってもらえる外構づくり。住む人が暮らしを楽しむことに加えて、街の景観づくりや地域のコミュニケーションづくりにも貢献するような大きな心が必要といえるかもしれません。敷地が大きいほどに、その意識が強く必要と思われます。
小さいことをあまり気にしないでいられる方
もし見知らぬ人が敷地内を通り抜けたり、ペットの散歩道として通ったとしてもそれほど気にならないタイプの方。逆に、少しでも自分の敷地を勝手に使われることが許せないタイプの方にはオープン外構はおすすめできません。
都心の一戸建てにお住まいの方
都心部で一戸建てを購入する場合、郊外に比べて土地が高いため敷地面積がどうしても小さくなります。小さい土地を最大限に使って家を建てるためには、門扉や塀を設置しないオープン外構がおすすめです。
外構にかかる費用を削減させたい方
外構工事はデザイン性や材質にこだわるほど、材料費と工事費に相当な金額がかかることは確かです。そう考えると、新築一戸建てを建てるときには、予算をおさえるためにひとまずオープン外構でつくっておき、その後暮らしに合わせて必要であれば目隠し対策などを追加で施工する方法もあります。
セミクローズ外構に向いている方
では、セミクローズ外構に向いている方はどんな方なのでしょうか?
オープン外構に向いている方のタイプに近いのですが、「やっぱり適度な目隠しや、見知らぬ人の侵入を防ぐ対策は行いたいな。」と考える方。心地良い解放感を大切にしながらも、プライバシーや安全性を守りたい方。そんなタイプの方には、セミクローズ外構が向いていると思われます。
解放感のあるおしゃれなプライベート空間をつくるコツ
ここでは、お住いになってから外構アイテムをプラスされた方の例をご紹介します。
住まいの外観を彩るリゾート風ガーデン
こちらのお庭は新築当初何も無い空間でしたが、お住い後に室内からの眺望や道路からの視線を遮ることを考慮してリフォーム。おしゃれな枕木列柱と南国風の植栽を組み合わせて、外からの視線をコントロールする外構づくりを行いました。家の中から見ても外から見ても心地よい癒しの空間に変わりました!
ちなみに、こちらがリフォーム前のお庭の様子です。
家を建てたときにはオープン外構を希望したけれど、実際に住み始めると思ったより外からの視線が気になるなんてことありますよね。ご近所との生活習慣や考え方の違いによって、様々な問題や悩みが生じ、目隠し対策を考えたくなる方もいると思います。そんなときミドラスでは、部分的に庭木、生け垣、シンボルツリーなどを植えたり、目隠しフェンスを設置することをご提案しています。
開放感が欲しいけれど、お隣さんとの境界線ははっきりしておきたい場合には、隣地境界線にはフェンスを設けて、道路に面している部分だけをオープンにするセミクローズ外構がよいですね。都心部ではそんなセミクローズ外構がよく見られます。セミクローズ外構は、日本人の性格や日本の生活スタイルに合っているように思われます。
失敗しない外構づくりのポイント
お家まわりを開放的につくる外構は年々人気が高まっています。日本の生活スタイルでは境界線のすべてを無しにするオープン外構はなかなか難しいかもしれませんが、部分的に目隠しフェンス、植栽、植え込み、メッシュフェンスなどを上手に組み合わせて、住む人も家の前を通る人も気持ちのよい外構づくりを行うことが理想的ですよね。お互いを思いやる気持ちを持って、近隣と程よいコミュニケーションをとりながら心穏やかに暮らせたらいいなと思います。
これからお家を建てる方が外構つくりに失敗しないためには、自分や家族がオープン外構に向いているのかセミクローズ外構に向いているのか、住み始めた後の生活をしっかりとイメージしておくことが大切です。事前に、お隣さんやその地域の暮らし方の雰囲気も調べておくと安心ですね。
また、住み始めはオープン外構で、その後にお隣との間に境界線のフェンスなどを設置する際は、必ずお隣さんの合意をいただいておきましょう。敷地の境界はとてもデリケートな部分なので十分に気を付けたいところです。
さらには、子どもの成長や家族の生活の変化によって、庭や駐車場の使い方も変わってくることも考えられますよね。そう考えると、生活が変化したときに使い方を変えられるような、最初からあまりつくりこまない外構づくりが失敗しないコツといえるかもしれません。
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