ビオラを使って空間をカラーコーディネート|松蔭ビオラプロジェクト
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写真の引用:神戸松蔭大学 花田ゼミInstagram
ビオラは、秋に植えると春まで花を楽しめる、寒さに強い一年草。花色がとても豊富なので、組み合わせ方によって花壇や寄せ植えの雰囲気ががらっと変わります。そんなビオラを使って空間をカラーコーディネートする「松蔭ビオラプロジェクト」に取り組んでいる、神戸松蔭大学花田ゼミの皆さまにお話を聞きました。
目次
松蔭ビオラプロジェクトって何?

松蔭ビオラプロジェクトは、神戸松蔭大学の花田ゼミを中心とした学生さんと、関西有数の花壇苗の産地である神戸市西区伊川谷の花き生産者さんがコラボレーションした、大学構内の植栽スペースをビオラでカラーコーディネートする取り組みです。

学生さんたちは、花壇のそばで人がどのように過ごし、どんなことを感じる空間になるかをイメージしてビオラのカラーコーディネートをするのですが、そのイメージは「日光浴しながらリフレッシュできる」「のんびりと穏やかな時間を過ごせる」「落ち着いた雰囲気でリラックスする」など、どれもビオラがある風景は心が穏やかになったり、癒されたり、元気をもらえるイメージが含まれています。やっぱり、花のある暮らしはいいですね。
ビオラのカラーコディネートをご紹介
2024年~2025年に、学生さんたちが9種類のビオラからセレクトして組み合わせたコーディネートパネルをいくつかご紹介します。載せきれなかったコーディネートもとても参考になるので、ぜひ花田ゼミのInstagramをのぞいてみてくださいね。

アフタヌーンティーなどをして友達と会話をしながら楽しむ空間のイメージで、明るく上品な色のビオラを選んだそうです。屋外で自然に囲まれながらビオラを見て気持ちをリフレッシュしてもらえたらいいな。という想いがこめられています。

風通しと日当たりが良い場所で、晴れて過ごしやすい日に、おにぎりとお茶を片手にのんびりと座っている穏やかな時間をイメージ。青空と、おにぎりと、ビオラの色の組み合わせが絶妙にマッチしてなんとも心がなごみますね。

急な坂道を上った先にある場所なので、少し休憩に立ち寄り、心を落ち着かせることの出来る空間になればいいなと思い、同系色の青と紫で落ち着いた雰囲気をつくったそうです。勉強で疲れた目をビオラで癒し、落ち着いた雰囲気の場所でリラックスできるイメージです。

大学に来た人の目に入りやすい場所なので、その日明るい気持ちの人も暗い気持ちの人も見ただけで少し幸せになるような場所にしたいと考え、明るい気分になれる黄色を少し含め、ピンクでまとめて明るすぎない幸福感をイメージしています。優しい雰囲気で心が温まりますね。

ひっそりとした場所にあるため、見つけることができた人にはラッキーと感じてもらえるようなカラーのビオラを選んでいます。この場所を利用する人には、色鮮やかな花を見ながら自分時間を過ごしてほしいという想いがこめられています。
ムーミンの世界観をビオラでカラーコーディネート
今年度、LOVEGREENもコラボレーションしている「ムーミン」の世界観を、ビオラのカラーコーディネートで表現することに挑戦した学生さんにお話を聞くことができました。
小説「ムーミンパパ海へいく」のワンシーンをイメージして

学生Kさん:
「ムーミンパパ海へいく」という小説の中で、ムーミンママが花や草木に囲まれてぐっすり眠りこむシーンがあります。とても気持ちよさそうで、ムーミンママと同じように、花に囲まれてリフレッシュしてほしいというイメージでコーディネートしました。

小説「ムーミンパパ海へ行く」 (C)Moomin Characters™ (※1)
学生Kさん:
人通りが少なく1人でゆっくり過ごすような印象の空間なので、落ち着いた場所だからこそ、華やかな色合いのビオラで彩ることをこだわり、休憩しに来た人を明るい気分にさせられるように意識しました。
パネル画像の色に統一感を持たせることが難しかったですが、「明るい気分にさせる、リフレッシュできる場所にしたい」という思いを形にできてよかったです。
スナフキンのキャラクターからイメージを膨らませて

学生Tさん:
大前提として「ムーミン」という作品のイメージを壊してしまわないようにコーディネートをするということを意識して考えました。

小説「ムーミン谷の十一月」 (C)Moomin Characters™ (※2)
学生Tさん:
スナフキンが「孤独を愛する旅人」というキャラクターなのは元々知っていたので、自分が1人でゆったりしたいという時に見たい色の花を組み合わせました。静かでゆったりとした時間を表現するために、濃すぎる色はできるだけ使用しないようにしました。
小説「たのしいムーミン一家」のムーミンたちみたいに日光浴

学生Kさん:
日当たりが良く、心地よい風が通る気持ちのいい空間のカラーコーディネートは「友達と楽しく過ごすひととき」をテーマに、明るく楽しげな雰囲気を表現しています。華やかな色合いで彩ることで、訪れる人の気持ちまで明るくしてくれます。

小説「たのしいムーミン一家」 (C)Moomin Characters™ (※3)
学生Kさん:
一週間頑張ったご褒美に、最近見つけたお気に入りのパン屋さんでテイクアウトして、友達とピクニックすることをイメージしました。いっぱい食べて、語って、眠くなったら、ムーミンの小説に出てくる場面のようにゆっくり日光浴をして……美味しいものと太陽でパワーチャージできます!
松蔭ビオラプロジェクトの地域連携
花田ゼミの花田美和子先生に、ビオラプロジェクトでのこだわり、大変なこと、良かったことについて教えてもらいました。
花田先生:
ビオラプロジェクトでは、まず第一に関西有数の花壇苗の産地、伊川谷のビオラをPRすることに力を入れています。そして、色彩学の知識を使って大学ならではの専門性を活かした活動にすることを大切にしています。
大変なことは、何しろ規模が大きいことです。松蔭の植栽スペースは広く、扱うビオラ苗は1,000株にもなるんですよ。

KOBE三浦ナーセリーさんと神戸松蔭大学の学生さんたち
花き生産者のKOBE三浦ナーセリーさんとは、すでに10年のお付き合いになりますが、毎年多くのビオラの中から品種の特性と色のバリエーションを考慮した9種類ほどをピックアップしてもらっています。

スカイデッキに伊川谷のビオラを植えている様子
KOBE三浦ナーセリーさんのプロのセンスと技術に支えられていると同時に、これまでにハウスでの苗の定植作業に学生が参加させてもらったり、また、学生がカラーコーディネートしたカップリングビオラ(小さなビオラ苗を組み合わせて1つのポットに植えた寄せ植え苗のこと)の商品化やホームセンターでの販売、有名な豊明花き市場の方へのプレゼンテーションなど、学生に貴重な”花育”の機会を与えてくださったことに感謝しています。
神戸松蔭大学の皆さま、ありがとうございました。
ビオラを通じて生産者さんと学生さんがコラボレーションすることで、学生さんたちは様々なことを学ぶことができ、生産者さんは若年層に向けた商品開発のヒントを得ることができるなど、ビオラ花壇を見て癒される人たちも含め、関わる全ての人が笑顔になる素敵なプロジェクトに感動するとともに、あらためて花のある暮らしの大切さを実感することができました。
記事中の画像/引用文出典元
(※1)『ムーミン全集[新版]7 ムーミンパパ海へ行く』著:トーベ・ヤンソン 訳:小野寺百合子 講談社
(※2)『ムーミン全集[新版]8 ムーミン谷の十一月』著:トーベ・ヤンソン 訳:鈴木徹郎 講談社
(※3)『ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家』著:トーベ・ヤンソン 訳:山室静 講談社
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