初夏の庭しごと 剪定と水やり|畑や かとうふぁーむの自然に育つ庭づくり【6月】
更新
公開

畑やかとうふぁーむ代表加藤隆行とガーデンプランナーの渡部陽子が共著で、植物苗生産者の目線で、植物との向き合い方や、庭づくりのポイントなどをお伝える本連載。今回は初夏の剪定と水やりについてです。
宿根草の花々が美しい季節となりました。でも、草花も生長し、そろそろ草姿が乱れてきていませんか?
そんなときは思い切って剪定してみましょう。
初夏の庭しごと 剪定と水やり
初夏に剪定をおすすめする理由
春にたくさん花を咲かせた植物は、本格的な夏を迎える前の6月頃に剪定(枝や花を切り戻す作業)をしてあげましょう。
剪定(切り戻し)をするメリット
・花を咲かせるには多くのエネルギーが必要です。咲き終わった花や伸びすぎた枝を切り戻すことで、開花後に疲れた株の負担を軽くし、夏を元気に乗り切りやすくなります。
・四季咲き性のある品種は、剪定によって新しい枝が伸び、再び花を楽しめることがあります。
・早めの剪定は、開花時の草丈を低く調整することができます。
・夏前に剪定をして風通しを良くすることで、高温多湿による蒸れを防ぎ、病害虫の予防にもつながります。
たとえば、ベロニカやガウラはこのタイプです。花が一段落したら切り戻しを行い、次の開花に備えましょう。
ベロニカ・マリエッタの剪定例

剪定前のベロニカ・マリエッタ
ベロニカ・マリエッタは初夏から夏にかけて咲く宿根草です。ベロニカは品種によって花色や草丈が異なります。
この品種は美しい青花で、ベロニカの中では草丈は80cm程になる大型種といえるでしょう。

ベロニカ・マリエッタの剪定位置
剪定は地際から3~4cmほど。剪定はタイミングが大切です。
暑くなる前に思い切って剪定しましょう。

剪定後のベロニカ・マリエッタ
剪定後の草姿。短く剪定しますがこの時期に行えば2週間後には、新芽が伸びて再びたくさんの花を咲かせます。
初夏の剪定で草丈を低く調整

ガウラは蝶に似た可愛らしい花を初夏~秋にかけて次から次へと咲き、風に揺れる姿がとても美しい品種です。
しかし草丈が伸びすぎると草姿が乱れてしまいます。開花前に短く剪定しておくと、写真の株のようにコンパクトに仕上げることができます。
一番花が咲いたら、草丈の3分の1ほどに剪定するとよいでしょう。
サルビア・ウルギノーサ(ボッグセージ)も草丈が高く倒れやすい品種です。開花前に低く剪定することで倒れにくくなるだけでなく、花芽が増え花数も多くなります。
剪定は本格的な夏が来る前に
花が咲いている植物を剪定するのは躊躇しがちですよね。でも、植物のためには本格的な暑さが来る前に剪定をしてあげましょう。
真夏は人と同じく、植物も夏バテします。「じっと暑さに耐えている状態」なので、真夏の剪定は枯れる原因になるので避けましょう。
初夏の水やりのコツ

初夏の水やりのポイント
続いては、園芸初心者の方が悩みやすい「水やり」についてお話しします。
畑や かとうふぁーむでは、約600品種もの植物を育てています。その中で、日々の管理で最も難しい作業のひとつが水やりです。
植物には、水をたくさん必要とするものもあれば、蒸れに弱く根腐れを起こしやすいものもあります。そのため、品種ごとの性質や生育状態を見ながら、水やりの量や回数を調整しています。
葉がしおれている=水不足とは限らない
植物の葉が垂れ下がり、元気がないように見えるときは、主に次の2つの原因が考えられます。
① 水が不足している
② 水のやりすぎで根腐れを起こしている
暑さが増してくるこれからの季節は、この違いを見極めることがとても大切です。
①の水不足であれば、水やりをすることで回復する可能性が高いでしょう。一方、②の根腐れは植物にとって深刻なダメージとなり、枯れてしまうこともあります。
「葉がしおれているから、とりあえず水をあげよう」と判断する前に、土の状態や植物の様子をよく観察してみましょう。
初夏の水やりは「タイミング」が大切
初夏の水やりはタイミングが重要です。
基本的には、土の表面が乾いてから水を与える「やや乾かし気味」の管理がおすすめです。
なぜなら、土の中に十分な水分がある状態が続くと、植物は根を伸ばさなくても水を吸収できるため、根の発達が鈍くなってしまうからです。
反対に、適度に土が乾くことで植物は水を求めて根を伸ばし、丈夫な株へと育っていきます。また、水の与えすぎによる根腐れの予防にもつながります。
植物を元気に育てるためには、「乾いたらたっぷり与える」を意識してみてください。
まずは植物をよく観察しよう
水やりに絶対の正解はありません。同じ植物でも、天候や置き場所、生育状況によって必要な水の量は変わります。
まずは育てている植物の特徴を知り、日々の様子をよく観察することが大切です。植物と向き合う時間が増えるほど、小さな変化にも気づけるようになります。
真夏の水やりのコツについては、また次回ご紹介します。日々の管理を通して、新たな発見や植物の生長する喜びを感じながら、楽しいガーデニング時間をお過ごしください。

畑や かとうふぁーむ(左:代表加藤隆行 右:ガーデンプランナー渡部陽子)
新潟市にある植物苗の生産農場。苗づくりから庭づくりまでをモットーに、年間約600品種の宿根草・一年草を生産・販売し、植栽施工までをサポート。植栽環境にあった品種を提案して、植栽後も植物が「自分の力で育つ」庭づくりを提唱する。
畑や かとうふぁーむホームページ







































