タマスダレ(玉簾)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- タマスダレ(玉簾)
- 学名
Zephyranthes candida
- 英名
- Zephyr flower
- 和名
- 玉簾
- 別名・流通名
- ゼフィランサス、ゼフィランサス・カンディダ
- 科名
- ヒガンバナ科
- 属名
- タマスダレ属
- 原産地
- メキシコ
タマスダレ(玉簾)の特徴
タマスダレ(玉簾)は細長い葉と、真っ白な6枚の花びらが上を向いて一斉に咲く姿が美しい、夏から秋にかけて開花する常緑の球根植物です。一度植えると何年も植えっぱなしで開花し、環境に合うと分球とこぼれ種で増えていくこともあります。 花は3日くらいで終わりますが、何回か花茎が上がって咲くため長期間楽しむことができます。群生して咲く姿が美しく、花壇や芝生の縁取りなどにまとめて植えられています。強健で日本の気候にも合い、よく分球して増えるため半野生化している場所も多くあります。寒冷地では冬に葉が枯れますが、温暖地では常緑のまま越冬し毎年花を咲かせます。
タマスダレ(玉簾)の別名 「レインリリー」は、土が乾燥している状態でまとまった雨が降った後に一斉に花を咲かせることから付けられた名前です。和名は、純白の宝石のような花を「玉」、細長い葉が集まっている様子を「すだれ」に見立てて付けられたと言われています。
タマスダレ(玉簾)の学名の「ゼフィランサス(Zephyranthes candida)」は、タマスダレ(玉簾)が西側のアメリカ大陸からヨーロッパへ渡来したことから、「西風が運んできた花」とされ、ギリシャ語で西風という意味の「zephyros」と、花という意味の「anthos」を合わせて付けられたそうです。 candidaは純白のという意味があります。
なお、タマスダレ(玉簾)はヒガンバナ科の植物なので植物全体に毒性があります。葉はニラに、球根はラッキョウやノビルなどに似ているので、球根を植え付ける場所は、草姿が似ている食用の植物とは離れた場所に植えるようにしましょう。
タマスダレ(玉簾)を含めたゼフィランサスは他にも種類があり、ピンク色の花を咲かせるサフランモドキ(花径6㎝ほど)、サフランモドキよりやや濃いピンク色の花を咲かせるロゼア、黄色の花のキトリナなどがあり、それぞれ草丈や耐寒性、開花時期などに違いがあります。タマスダレ(玉簾)はゼフィランサスの中でも最も耐寒性があります。モモイロタマスダレと呼ばれているのはブラジル原産の種類で、この園芸品種として春に咲く「紅玉」や、夏咲きで大輪、濃いピンク色の「桃の里」があります。
タマスダレ(玉簾)の葉は細くてツンツンしていますが、他の種はやや幅があり柔らかめです。
タマスダレ(玉簾)の詳細情報
園芸分類 | 球根 |
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草丈・樹高 | 15~25m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 7月~9月 |
タマスダレ(玉簾)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
開花 |
タマスダレ(玉簾)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりが良い場所~半日陰程度を好みます。ただし、1年を通して半日陰程度だと、日当たりが良い場所より花つきが悪くなること場合があります。
用土
水はけの良い土を好みます。鉢植えは、花用の培養土で問題なく育ちます。
タマスダレ(玉簾)の育て方のポイント
水やり
地植えは、植え付け直後以外は雨にまかせて問題ありません。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。
肥料
野生化するほどなので、地植えの場合は無肥料でも育つことがあります。花つきや葉の色の様子を見て与えましょう。
鉢植えは、植え付け時に元肥を施し、その後は春の芽が動き出す頃と秋に少量の緩効性固形肥料を与えます。多肥は球根が腐る原因になるので注意しましょう。
病害虫
目立った病害虫の害はありません。
タマスダレ(玉簾)の詳しい育て方
選び方
球根と球根を植え付けたポット苗が販売されています。
球根は、カビの生えていないきれいなものを選びましょう。
苗は、葉が傷んでいないきれいな色のものを選びましょう。
植え付け
球根の植え付けは霜が降りなくなる3月下旬から4月頃が適期です。
庭に植える際は、球根を3~5cmの間隔で、深さ5cm程度に植え付けます。密植して植えた方が美しく見えますが、その分、球根が込み合ってくるのが早くなるため植え替えの間隔は短くなります。
鉢植えは5号サイズの鉢で5~7球程度が目安で、球根上部が土で隠れる程度の浅植えにします。
剪定・切り戻し
花が終わったら花茎を株元でカットします。葉は球根の生長に必要な光合成をする部分なので、刈り取らないようにしましょう。
植え替え・鉢替え
タマスダレ(玉簾)は数年は植えっぱなしで毎年開花します。花付きが悪くなったら植え替えましょう。
植え替える時期は、芽が動き出す3月頃が適時です。芽が動いてから球根をいじると、その年に開花しないことがあります。
花
夏~秋にかけて開花します。ひとつひとつの開花は3日程度ですが、何回かに分けて開花するため、開花期間が長いのが特徴です。
冬越し
寒冷地では冬に葉が枯れますが、温暖地では常緑のまま越冬します。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
分球で増やします。こぼれ種で増えることもあります。