魅力的な花器を作るアーティスト!坂本紬野子さん個展@イデーショップ に行ってきました。
山田智美
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作品を作り始めたきっかけ
作品を作り始めたきっかけは?
坂本さん「わたしは大学で彫刻を学んでいるときに粘土を扱い始め、陶芸作品を作るようになりまし た。正直に言って、花器を作ろうと思って制作を始めたわけではないのですが、今の作品 は用途のない彫刻もあり、花器として使えるものもあります。彫刻的な組み立て方と、器 や古い道具など“使えるもの”からのインスピレーションが合わさって、今のかたちが出来ているのかと思っています」
彫刻を専攻している坂本さんの作品には、花器以外のものもたくさんあります。ずらりと並んだ作品たちは、それだけで景色になります。必要最低限なものだけで構成されたシンプルな部屋に坂本さんの作品を一つだけ置く。そんな静寂が似合うオブジェです。
今回展示されていた作品は全て、作品名は「untitled」でした。作品名が無いのは観る側に先入観を与えないためでしょうか。そんな作家本人の意図を感じました。
坂本さんのインスピレーションの源
坂本さんのインスピレーションの源は?
坂本さん「インスピレーションは意識的にリサーチするものも日常で目に付くものも様々で、色々な ものから刺激を受けたいと常に思っています。彫刻、古い焼き物や道具、建築、植物…な どが中心ですが、今回の展示ではそれらを壁一面で見ていただけるようになっているので、 以前から作品を見てくださっている方でも初めての方でも、「うんうん、やっぱり。」が あったり、「へえーっ、そう言われれば!」みたいな感想もいただいていて、楽しいです!」
受動的でもあり、能動的でもあるインスピレーションの受け取り方。坂本さんの発想法はとても自然です。その自然な軽やかさが、あの静かできれいな作品に繋がるのでしょうか。
今回の展示では坂本さんのスケッチやメモなど、どんな風にインスピレーションを受けてイマジネーションを膨らませていくのか、そんな手掛かりも見えます。
この花器はそんな風に作られたのか、など驚きと発見を持って観ることが出来たのも魅力でした。
坂本さんの好きな植物
どんな植物が好きですか?
坂本さん「ロンドンに住んでいたころからサボテンや多肉はとても好きで、部屋にたくさん持ってい ました。やっぱり癒されるからだと思います。日曜日の朝に頑張って早起きをしてフラワー マーケットに行って、そのあとカフェで朝ごはんを食べることは一番楽しみな予定でした。 植物を見る時は葉や全体のフォルムを見ていると思います。昨年長崎の実家に戻ってから は屋外に地植えする木やハーブなども探すようになりました」
坂本さんからLOVEGREEN読者へのメッセージ
坂本さん「幸せを感じる時も、孤独な部屋でも、制作で忙しい時も、日常で植物に癒されていることがたくさんあります。LOVEGREENは、お店で目についた植物を検索したり育て方を調べ るのに本当によく使わせていただいています!!アボカドの成長記録とか、球根の水耕栽培の記事とかも参考にしてわたしも楽しみました!わたしもロンドンから長崎に戻り、東京に一時居たりと暮らしの環境は変わることもありますが、どんな場面でも植物やアートなどの実用だけではないものが豊かにしてくれることは確かだと思います」
心に響いてくる素敵なメッセージです。植物の存在を感じ、植物に癒され、植物とともに暮らしていく幸せを、とても端的な言葉で表現してくれました。
生活の中で絶対に必要ではないのかもしれない、でも間違いなく心と暮らしを豊かにしてくれるアートや植物。坂本紬野子さんの作り出す美しく優しい作品たちの源は、この自然で軽やかな彼女の感性にあるのかもしれません。
何にも捉われない、また押し付けることもない、そんなふわりとした彫刻家坂本 紬野子さんの世界に触れてみませんか。
今年の10月はサンフランシスコのPlaymountain EASTでの 展示があるそうです。ロンドンと日本、それから世界で活躍するアーティスト坂本紬野子さんの今後の活躍に注目していきたいと思います。
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