庭を持つ文化について考える|二宮孝嗣の「庭・植物よもやま話」①
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Photo by 二宮孝嗣 イギリス ハンプトンサンクンガーデン
世界のフラワーショーで数々の受賞歴をもつガーデンデザイナー、二宮孝嗣さんのコラム連載がリニューアル!今回から「庭」にフォーカスした「庭・植物よもやま話」として新しくスタートします。第1回目のテーマは「庭を持つ文化」。グローバルな視点から、二宮さんと一緒に紐解いてみましょう。
目次
庭付き一戸建ての文化は特殊?

これから、庭について僕が考えていることや思ったことを徒然に書いていきますが、あくまでも僕の個人的な見解ですので「こんな見方をする人間もいるのだ」と思ってお読みいただければと思います。
さて、世界で庭の文化を持つ国はいくつあるのでしょうか?
日本で「庭付き一戸建てを持つこと」は、ある意味当たり前のように思っていますが、この考えは世界ではとても特殊な考えのような気がします。
そもそも、庭って生活していくのに必要不可欠なものでしょうか?
必要性を考えるのには、庭がない生活を考えればいいわけで、皆さんも一度「庭のない生活」を考えてみてください。

我々にとって豊かな暮らしを営むためには、庭はやはり必要不可欠なものです。私たちは庭のスペースがない集合住宅のテラスでも、プランターで花を育てたり、家庭菜園を作ったりして植物と一緒の生活を楽しんでいますね。
個人庭が綺麗な国はどこ?

Photo by 二宮孝嗣 イギリス ハンプトンコート
いろいろな国を回ってきても、宮殿や公園のように大きな庭が綺麗な国や地域で、個人の庭が綺麗なところはそんなに多くはありません。
庭の綺麗な国は?と聞かれたら、皆さんはどの国を思い浮かべるのでしょうか?庭を見に訪れたい国はどこでしょうか?

Photo by 二宮孝嗣 2005 チェルシーホスピタルガーデン(チェルシーフラワーショー)
もちろん、まずはイギリスでしょう。
その次に、庭を見にいきたい国はどこでしょう?
フランス? ドイツ? スペイン????
これらの国や他の国には、宮殿や公園で有名なところはありますが、個人の庭は見るべきものはあまりないような気がします。

Photo by 二宮孝嗣 ニュージーランド オープンガーデン
しかし、ニュージーランド、オーストラリア、この2カ国は個人庭や公園、街並みなどがとても綺麗で、現地の人たちもオープンガーデンを行うなど、ある意味日本以上に庭文化を楽しんでいます。特に、ニュージーランドでは、南島の「クライストチャーチ」、オーストラリアでは「メルボルン」の2都市を上げなくてはいけないでしょう。
世界のガーデンラバーズが惹きつけられる国

Photo by 二宮孝嗣 ニュージーランド オープンガーデン
実は、「クライストチャーチ」と「メルボルン」という2都市の共通点として、イギリスからの移民が多かったということがあります。
かつて、大英帝国が7つの海を支配していた大航海時代に、人々は気候が豊かで住みやすいところにまず移住してきました。そしてそこに定住して町を作りました。この2都市もその名残りで、両都市にはいまだに多くのイギリス移民の子孫が暮らしています。そのことが、そこに庭文化が花開いた大きな要因だと思っています。

Photo by 二宮孝嗣 メルボルン オープンガーデン
それ故、世界のガーデンラバーズは、日本、イングランド、そしてクライストチャーチ、メルボルンを訪れたくなるのです。
では、なぜ庭を持つ文化の中で、日本人とイギリス人だけが世界の中で特異的な存在なのでしょうか?
我々にとって生活に必要不可欠な庭の存在も含めて、それは次回からゆっくり書いていこうと思っています。
▼二宮孝嗣さんのインタビュー記事はこちら

二宮孝嗣(にのみや・こうじ)
ガーデンデザイナー、樹木医。
静岡大学農学部園芸学科卒、千葉大学園芸学部大学院修了。
1975年からドイツ、イギリス、ベルギー、オランダ、イラク(バグダッド)と海外各地で活躍の後、1982年に長野県飯田市にてセイセイナーセリーを開業。宿根草、山野草、盆栽を栽培する傍ら、飯田市立緑ヶ丘中学校外構、平谷村平谷小学校ビオトープガーデン、世界各地で庭園をデザインする活動を続ける。
1995年には世界三大フラワーショーのひとつ、イギリスのチェルシーフラワーショーで日本人初となるゴールドメダルを受賞した。さらに、オーストラリアのメルボルンフラワーショー、ニュージーランドのエラズリーフラワーショーと、世界三大フラワーショーのゴールドメダルをすべて受賞、世界初となる三冠を達成した。ほかにも世界各地のフラワーショーに参加、独自の世界観での庭園デザインで世界の人々を魅了し、数々の受賞歴をもつ。
樹木医七期会会長、一級造園施工管理技士、過去に恵泉女学園、岐阜県立国際園芸アカデミー非常勤講師。各地での講演や植栽・ガーデニングのセミナーなども多数。著書『美しい花言葉・花図鑑-彩りと物語を楽しむ』(ナツメ社)はロングセラーとなっている。









































