世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –マダガスカル編4「チュレアールにて」

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さて今回は、マダガスカル南西に位置するチュレアールについて書かせていただく。ここチュレアール近くには、塊根植物、コーデックスに興味を持つ者ならほとんどの人が憧れるであろうオペルクリカリア・パキプスが自生しているのである。

目次

チュレアールへ

まずはアンタナナリボを起点に考えるとチュレアールに行くには飛行機が基本となる。上空での時間は、今までに書かせていただいたように一時間もかからないのだが、その前後で時間を要するのはどの街も変わりない。今回の訪問では、のちに紹介するアンタナナリボ市内で希少植物の輸出をするナーセリー訪問後、午後の飛行機でチュレアール空港に到着することができた。定刻出発定刻到着に感動を覚えることは日本では中々味わえないスリルかもしれない。 

まずはアンタナナリボを起点に考えるとチュレアールに行くには飛行機が基本となる。上空での時間は、今までに書かせていただいたように一時間もかからないのだが、その前後で時間を要するのはどの街も変わりない。今回の訪問では、のちに紹介するアンタナナリボ市内で希少植物の輸出をするナーセリー訪問後、午後の飛行機でチュレアール空港に到着することができた。定刻出発定刻到着に感動を覚えることは日本では中々味わえないスリルかもしれない。 

 

 チュレアール空港到着後、まずは大きな荷物を預けるためにホテルへと直行。

チュレアール空港到着後、まずは大きな荷物を預けるためにホテルへと直行。

 

 ここVICTORY HOTELにはマダガスカルならではのシンボルツリーといえるモリンガが聳え立っていた。早々にチェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてすぐに車に乗り込み出発をした。

ここVICTORY HOTELにはマダガスカルならではのシンボルツリーといえるモリンガが聳え立っていた。早々にチェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてすぐに車に乗り込み出発をした。

 

 車であればそう遠くないテーブルマウンテンに到着。早速周辺を探索した。

車であればそう遠くないテーブルマウンテンに到着。早速周辺を探索した。

 

 この周辺の地質は石灰岩土壌であり、植物としては好石灰岩植物と耐石灰岩植物が分布している。特に多く自生しよく見かけるのはアルオーディアであった。

この周辺の地質は石灰岩土壌であり、植物としては好石灰岩植物と耐石灰岩植物が分布している。特に多く自生しよく見かけるのはアルオーディアであった。

 

 その他にも、当然日本で自生していないネイティブの植物を多く見ることができた。同行の湯浅先生の説明を聞きながら、その情報量の多さは、図鑑や辞書とは比較にならず、ついていくこともままならない。

その他にも、当然日本で自生していないネイティブの植物を多く見ることができた。同行の湯浅先生の説明を聞きながら、その情報量の多さは、図鑑や辞書とは比較にならず、ついていくこともままならない。

 

 場所をかえ、探索しているとあのオペルクリカリア・パキプスが自生をしていた。

場所をかえ、探索しているとあのオペルクリカリア・パキプスが自生をしていた。

 

 日本で鉢に植わったオペルクリカリア・パキプスをみることもそう容易でないのに、自生のものをみることができることは感動である。ただ周辺をよく見ると近くには大きな穴があった。あくまでも推測ではあるが、きっとオペルクリカリアを採取するために、掘った痕跡であろう。それを考えると、植物販売を生業にしている私にとっては正直複雑な気分になる。原則、マダガスカルにおいても自然採取には規制がある。この穴は合法的に行われた痕跡かどうかまでの詳細までの調べはついていないが、大方の予想はつく。ただ現地の一部の人にとっては明日を生き抜く生活の糧であるかもしれないなどを考えると正直何が正解かが見えにくくなってくる。現地の生活に触れれば触れるほど分かりにくくなってしまうような気もする。  今では現大統領になり、さらに環境への取り組みが強化されていることや、新型コロナによって輸入が困難になっているのもあり減少はしているものの、このように採取され、その一部が日本でも流通しているようなので、今後は合法的でありエシカルな観点からも望まれる流通にしていかなければならないであろう。ビジネスよりも先に地球にとって、植物にとって、住み暮らす人々にとって何が大切かを考えなければならないとあらためて思えた。  またこの他にチュレアールの山間部の深いところには想像を絶するような植物に会える場所もある。ここでの紹介はいろんなことも考えられるので控えなければならないが、本当にまだまだ未開の地であることは確かである。

日本で鉢に植わったオペルクリカリア・パキプスをみることもそう容易でないのに、自生のものをみることができることは感動である。ただ周辺をよく見ると近くには大きな穴があった。あくまでも推測ではあるが、きっとオペルクリカリアを採取するために、掘った痕跡であろう。それを考えると、植物販売を生業にしている私にとっては正直複雑な気分になる。原則、マダガスカルにおいても自然採取には規制がある。この穴は合法的に行われた痕跡かどうかまでの詳細までの調べはついていないが、大方の予想はつく。ただ現地の一部の人にとっては明日を生き抜く生活の糧であるかもしれないなどを考えると正直何が正解かが見えにくくなってくる。現地の生活に触れれば触れるほど分かりにくくなってしまうような気もする。

今では現大統領になり、さらに環境への取り組みが強化されていることや、新型コロナウイルスによって輸入が困難になっているのもあり減少はしているものの、このように採取され、その一部が日本でも流通しているようなので、今後は合法的でありエシカルな観点からも望まれる流通にしていかなければならないであろう。ビジネスよりも先に地球にとって、植物にとって、住み暮らす人々にとって何が大切かを考えなければならないとあらためて思えた。

またこの他にチュレアールの山間部の深いところには想像を絶するような植物に会える場所もある。ここでの紹介はいろんなことも考えられるので控えなければならないが、本当にまだまだ未開の地であることは確かである。

 

探索を続け、比較的地面ばかりを見ているうちに陽も落ち始めたので、モザンビーク海峡が望める小高い所に移動し、沈む夕日を堪能させていただいた。

探索を続け、比較的地面ばかりを見ているうちに陽も落ち始めたので、モザンビーク海峡が望める小高い所に移動し、沈む夕日を堪能させていただいた。

 

大自然の移り行く景色の美しさと、しっかり根を下ろし動かず自生するネイティブな植物に囲まれた場所を後ろ髪ひかれる思いで車に乗り込みホテルへと戻った。

大自然の移り行く景色の美しさと、しっかり根を下ろし動かず自生するネイティブな植物に囲まれた場所を後ろ髪ひかれる思いで車に乗り込みホテルへと戻った。

 

 ここVICTORY HOTELは各国の要人が今まで泊まられたことがあり、秋篠宮文仁皇嗣殿下や眞子内親王殿下もお泊りになられていらっしゃる。  私がフロントにて休んでいるとホテルの方が来て、しばらく通訳を介してお話をさせていただいた。その後、ノートのようなものを大事そうに持ってきて、私に見せてくれた。  それはあるページに残された皇嗣殿下の直筆のサインであった。そして彼はその下に私にサインをしてほしいとのこと。  少々のことならNO!と言わないのが又右衛門の主義ではあるが、いくら植物のことに大変詳しく、お話をさせていただいたり、ご教示いただいたりすることがあるとは言え、私が同じところに名を連ねることなど私にはできるはずなどない。ホテルの方には辞退をさせていただき、その代わりといっては何だが、私のリーフレットとシールを差し上げてきた。

ここVICTORY HOTELは各国の要人が今まで泊まられたことがあり、秋篠宮文仁皇嗣殿下や眞子内親王殿下もお泊りになられていらっしゃる。

私がフロントにて休んでいるとホテルの方が来て、しばらく通訳を介してお話をさせていただいた。その後、ノートのようなものを大事そうに持ってきて、私に見せてくれた。

それはあるページに残された皇嗣殿下の直筆のサインであった。そして彼はその下に私にサインをしてほしいとのこと。

少々のことならNO!と言わないのが又右衛門の主義ではあるが、いくら植物のことに大変詳しく、お話をさせていただいたり、ご教示いただいたりすることがあるとは言え、私が同じところに名を連ねることなど私にはできるはずなどない。ホテルの方には辞退をさせていただき、その代わりといっては何だが、私のリーフレットとシールを差し上げてきた。

 

 私の活動などがユニークに思えたのか、通訳の方の私の紹介が過剰であったのかわからないが、ホテルのカウンターの目立つところには私のシールが貼られており、過分な歓迎ぶり少し恥ずかしくも嬉しくも感じたわかりやすい自分を発見することができた。  またチュレアールに来られるなら、前途以外にもいくつか訪れることをおすすめしたい場所がある。

私の活動などがユニークに思えたのか、通訳の方の私の紹介が過剰であったのかわからないが、ホテルのカウンターの目立つところには私のシールが貼られており、過分な歓迎ぶり少し恥ずかしくも嬉しくも感じたわかりやすい自分を発見することができた。

またチュレアールに来られるなら、前途以外にもいくつか訪れることをおすすめしたい場所がある。

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チュレアールおすすめスポット

arboretum d’antsokay

まずは「arboretum d’antsokay」、植物園のようなものである。ここには約900種の植物が管理されている。その90%がマダガスカル固有種であり、80%がメディカルプランツとのこと。つまりここを観ればマダガスカルの代表的な植物が殆んど観ることができてしまうということになる。

まずは「arboretum d’antsokay」、植物園のようなものである。ここには約900種の植物が管理されている。その90%がマダガスカル固有種であり、80%がメディカルプランツとのこと。つまりここを観ればマダガスカルの代表的な植物が殆んど観ることができてしまうということになる。

 

という私たちもこの時の訪問では時間がないため、早速急ぎ足で園内を散策。

 

という私たちもこの時の訪問では時間がないため、早速急ぎ足で園内を散策。

実際に同様の種が自生するのを観て周るには、かなりの年月が必要となると思うので専門家・趣味家はもちろんのこと、旅行者や時間がない方にもお勧めである。

 

という私たちもこの時の訪問では時間がないため、早速急ぎ足で園内を散策。

 

という私たちもこの時の訪問では時間がないため、早速急ぎ足で園内を散策。

という私たちもこの時の訪問では時間がないため、早速急ぎ足で園内を散策。

 

 

 

まるで図鑑を開いたかのような世界が拡がっている。整備された植物園ではないが、その分かなり希少な種までが手に届く場所にあり、趣味家の人にとっては何時間でも過ごせるのではないかと思う。

 

まだまだたくさんの魅力的なネイティブプランツはあったが、今回はこの辺で。これ以上を見たいと思った方は、ぜひ現地への訪問をお勧めしたい。

 

まだまだたくさんの魅力的なネイティブプランツはあったが、今回はこの辺で。これ以上を見たいと思った方は、ぜひ現地への訪問をお勧めしたい。

まだまだたくさんの魅力的なネイティブプランツはあったが、今回はこの辺で。これ以上を見たいと思った方は、ぜひ現地への訪問をお勧めしたい。

 

レセプションでは、バオバブオイルや植物の参考書も販売されているので購入も可能。自身の教材に、お土産にと思う。

レセプションでは、バオバブオイルや植物の参考書も販売されているので購入も可能。自身の教材に、お土産にと思う。

モリンガの群生

その他に植物園から車で約30分の海岸沿いにモリンガの群生を見ることができる。ここは海岸沿いで石灰岩土壌のため、モリンガもタル型になっており、ユニークなものが多くあった。

 

その他に植物園から車で約30分の海岸沿いにモリンガの群生を見ることができる。ここは海岸沿いで石灰岩土壌のため、モリンガもタル型になっており、ユニークなものが多くあった。

その他に植物園から車で約30分の海岸沿いにモリンガの群生を見ることができる。ここは海岸沿いで石灰岩土壌のため、モリンガもタル型になっており、ユニークなものが多くあった。

 

モリンガは特徴的な形状で日本でも人気が高い。ただ耐寒性が問題であり本州で屋外管理には、かなりリスクが伴うので多くは流通しておらず、見かけることは少ないであろう。    特にこのような群生を見ることができる場所は日本では当然なく、世界でもそうあるものではないだろう。ぜひチュレアールに行った際には、見学をしてほしい場所である。

モリンガは特徴的な形状で日本でも人気が高い。ただ耐寒性が問題であり本州で屋外管理には、かなりリスクを伴うので多くは流通しておらず、見かけることは少ないであろう。

 

特にこのような群生を見ることができる場所は日本では当然なく、世界でもそうあるものではないだろう。ぜひチュレアールに行った際には、見学をしてほしい場所である。

 

街にでればマーケットもあり、安心してお土産物も購入ができる。バニラも売っているのでせっかくなので時間があれば覗いてみるのもいいのではないだろうか。

街に出ればマーケットもあり、安心してお土産物も購入ができる。バニラも売っているのでせっかくなので時間があれば覗いてみるのもいいのではないだろうか。

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そのようなチュレアールの旅、いかがでしたでしょうか?

次は再びバオバブに会うためにモロンベへ。バオバブ街道とは違う驚きに感動することは間違いないです。お楽しみに!

PROFILE
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「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」 まだ見ぬ植物との出逢いを求め、世界を奔走する金岡又右衛門。世界各国に拡がるネットワークと持ち前の行動力を駆使し、希少性の高い植物を求め、自らの足で直接現地に赴き目利きをし、日本に紹介している。植物と大地への尊厳の念を持ち、植物の”生”へのこだわりを第一とする活動スタイルは、国内外の専門家から高く評価され、業界からの信頼も厚く、植物貿易の第一人者と評価される。

四代目金岡又右衛門

「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」 まだ見ぬ植物との出逢いを求め、世界を奔走する金岡又右衛門。世界各国に拡がるネットワークと持ち前の行動力を駆使し、希少性の高い植物を求め、自らの足で直接現地に赴き目利きをし、日本に紹介している。植物と大地への尊厳の念を持ち、植物の”生”へのこだわりを第一とする活動スタイルは、国内外の専門家から高く評価され、業界からの信頼も厚く、植物貿易の第一人者と評価される。

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