世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –マダガスカル編13「夢の楽園よ。永久に。」
LOVEGREEN編集部
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前回、前々回と少し植物紀行から少し脱線してしまった感がありますが、マダガスカルの素敵な人びとを是非とも紹介させていただきたく、長文にて失礼いたしました。さて今回は植物紀行(マダガスカル編)の最後に相応しく、人気が高いコーデックスなどマダガスカル固有の希少植物について書かせていただきたく思います。
目次
希少植物の輸入
マダガスカルを代表する植物収集家や輸出者などと面談したり、農場、出荷場を訪問してきた中で、日本で得られた情報と現地での情報の差異や、植物輸出の現状などを知ることができた。その中からいくつか報告をさせていただきたいと思う。ただ様々なことを鑑み、先方の農場名や氏名などはこの場では控えさせていただきたいのでご理解をいただければと思う。
またここでは固有植物の輸出ルートなどを紹介するものではないため、人物やナーセリーを特定できる名前や写真は控えさせていただき、この章で使用する写真は実際の訪問先の写真とは違うことをあらかじめお断りをさせていただきます。ただ、実際に又右衛門が直接訪問して目で確認してきた内容のものであることは、お約束させていただきます。
さてマダガスカルにおいて希少植物を輸出している代表的な人は、数名(社)いる。そのうちの1社を紹介させていただく。
アンタナナリボにおいて事務所とナーセリー兼管理場所を持っており、実際に何度か訪れている。まるで城壁のような壁に覆われた事務所を訪問。恐らく盗難防止のためであろう。そして外から電話にて連絡をすると、重々しい門がゆっくりと開き、私を招き入れてくれた。
早速、キフォステンマやアデニアなど、ユニークな植物が目に入ってくる。
ユーフォルビアやカランコエなど趣味家や収集家にとってはよだれが出るであろう希少種が並んでいる。
このナーセリーはとても友好的で何度か訪れ、意見交換をしているが、輸出に必要なCITESの取得などについて、新しい法整備に入っているため、現在は輸出ができない状況である。
このナーセリーの特徴は、各地から集めてきた植物を自社ナーセリーにて仮植えして、発根したものから輸出する手順を踏んでいて丁寧な仕事をしているのが印象的であった。
ナーセリー訪問
少し離れたナーセリーでは、地植えされたコーデックスを拝見することができた。日本の人たちがこの光景をみると、訪問したくてうずうずするのではないかなど、ふと考えてしまう。私も実際に輸入することはないが、ついつい品定めをしてしまう。とても興味深いものが多くあり、時間が経つのを忘れてしまうぐらいである。他にも興味深い植物も多くあることを確認し、ここのナーセリーの訪問は終えることになった。また状況が変われば、政府の後押しをいただいた正しい形での輸入を検討してみたいと思う。
また別のナーセリーを訪問。その豊富な希少植物の量は圧巻である。
日本で人気が高いグラキリスやオペルクリカリア パキプスがこれでもかというぐらいに鉢上げされ並んでいる。
またかなり広い敷地に地植えされている稀少植物も確認させていただいた。ここから多くの国に輸出をしているらしいので、日本にも来ているかもしれないが、一見品質・管理はできているようにも見えるが、実情は少し疑問があるように思う。
実際に日本で輸入されている人の記事を読んだことがあるが、かなりの量を輸入し廃棄しているとのことであった。その記事からすると山採りの植物を養生なしに、そのまま輸出されたものを日本で受け取っているのではないかと想像できる。
そしてその中から生き残ったものだけを販売しているのかなと思う。もしそうであるのであれば生き物を扱う姿勢という部分では、私とは考え方が大きく違うと言える。しかし考え方や取り組み方は人それぞれでもあるので、これ以上のコメントは控えさせていただくことにする。
それにしても、ま~よくこれだけ集められているのだと思う。彼らなりには管理方法を工夫しているようであるが、自生の現地からアンタナナリボまでの輸送日数や土壌の違いなどから現地においても結構多くを枯死させているかもしれないと感じた。
またこの時の訪問とは別に、コーデックスなどの稀少植物の大元と思われる人と特別に会うことができた。彼曰く、このアンタナナリボにいる人たちのほとんどは貿易をしている人で一見ナーセリーのように見えるが商社に近い形でビジネスをしてきているとのこと。
最近は、一部自ら山採りを始めているようであるが、その筋の専門家からすれば、結構お粗末な仕事をしていて植物の扱いにも疑問を感じるとのこと。私が感じたことの裏付けができたように感じた。
植物輸入について思うこと
幾度か訪問してナーセリーの方々に直接会うことで、色んな状況が見えてきたように思う。ただナーセリーによっては、その取り組み方法に疑問を感じることもあるが、訪れる国々でそれぞれの事情もあるだろうから、私がとやかく言うことできない。今後は国の政策、国際ルールのもと、自然、植物、関わる人の生活を大切にし、持続可能な輸出を願うばかりである。
いずれ可能であれば、植物やナーセリーの生活を守るためにも、合法的かつ永続的な経済活動にしていくことができる仕組みの基礎を、まず作らなければならないと考えております。その提案をしていき今後も取り組んでいきたく、一日も早く皆さんに報告をさせていただける日が来るようにしたいと考えていますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
いかがでしたでしょうか?マダガスカルには本当に魅力的な植物がいっぱいですね~~。
一応は今号で、半年間続いたマダガスカル編を終えさせていただきます。
そして次号では、マダガスカルはじめ、異国の地から世界を見て感じた私、又右衛門の想いとして総集編をお届けし、皆様への報告をさせていただくことになりますので、次号もお読みいただければと思っています。よろしくお願いいたします。
PROFILE
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四代目金岡又右衛門
「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」 まだ見ぬ植物との出逢いを求め、世界を奔走する金岡又右衛門。世界各国に拡がるネットワークと持ち前の行動力を駆使し、希少性の高い植物を求め、自らの足で直接現地に赴き目利きをし、日本に紹介している。植物と大地への尊厳の念を持ち、植物の”生”へのこだわりを第一とする活動スタイルは、国内外の専門家から高く評価され、業界からの信頼も厚く、植物貿易の第一人者と評価される。
Facebook/人と人、国と国を繋ごう。
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