蓮の葉アート 中村美枝子さん|本物の蓮の葉に色をのせていく楽しさを伝えたい

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植物の楽しみ方は「育てる・観賞する」だけとは限りません。ルームスタイリストの中村美枝子さんが創るボタニーペインティング「蓮の葉アート」は、本物の蓮の葉がもつ質感や手触りを大切にしながら色を重ね、植物と向き合う時間を楽しむというもの。「蓮の葉に色をのせている間は無心になれる」と話す中村さん流の植物との付き合い方、そして蓮の葉アートの魅力とは?

目次

プロフィール

■名前 : 中村 美枝子(なかむら みえこ)
■職業 : ボタニーペインティング認定講師/ルームスタイリスト
■出身地 :兵庫県
■居住地 : 兵庫県
■ボタニカル歴: 幼少期から

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幼い頃から植物好き。自宅は観葉植物でジャングル化

母がお花好きという事もあり、幼い頃から植物はいつも身近な存在でした。 結婚をしてからも、お部屋に観葉植物を欠かしたことはありません。ベランダにもミニ花壇を作って季節のお花も植えていましたが、ここ数年は主人が「木」にハマってしまい、占領されています(笑)。一時はベランダに藤棚を作っていた時もありました。

子どもが巣立ったのをきっかけに、最近はますます観葉植物にのめり込み、お部屋がジャングル化しています(笑)。

土に触れていると不思議と心が落ち着くので、植物の植え替えなどをする時も手袋はなし!素手で土を感じながら作業をしています。

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ボタニーペインティングとの出会い

ボタニーペインティングとの出会い

そんな私がボタニーペインティングと出会ったのは2019年頃。コロナ禍になる少し前でした。

ルームスタイリストという仕事柄、最初はインテリア装飾のひとつとして興味をもったのですが、ボタニーペインティングの実物を見て、本物の葉を使った美しさや質感に一目で魅了されました。中でも強く惹かれたのが、蓮の葉を使ったボタニーペインティングです。

 

ボタニーペインティングとの出会い

もともとお寺が大好きという事もあり、蓮は大好きな花でした。泥の中から美しい花を咲かす蓮は、煩悩のなかにあっても清らかに身を保つ人にも例えられます。 ところが、その美しい花は4日間しか咲くことができません。

ボタニーペインティングを通して蓮の持つ世界観を追求したくなり、すぐに講座に申し込んで認定講師の資格を取得しました。

 

ボタニーペインティングとの出会い

実際に目にすると、写真以上に本物の葉ならではのリアルな質感に魅了される。こちらは和紙糸をキャンバスに貼り独特の風合いを出した中村さんのオリジナル手法

また、同時期にご縁があって着物業界の方と出会い、日本の古き良き伝統やおもてなしの心などにも感化されました。初めての個展では「和敬静寂」というテーマで、着物や帯といった日本の伝統文化と蓮の葉アートでコラボレーションをして、空間装飾を行いました。蓮の葉アートと和の世界観の融合は、今も作品づくりの根幹となっています。

蓮の葉アートは具体的にどう創るのでしょうか?

蓮の葉アートは具体的にどう創るのでしょうか?

作業工程としては「貼る・着色・コーティング」の3工程で、葉を木製パネルに貼り、アクリル絵の具で着色をしていきます。ワークショップで初めてチャレンジする方でも3時間ほどで創ることができます。

私が主に使うのは蓮の葉ですが、ボタニーペインティング自体は蓮のほかにも、菩提樹やゴムの樹、モンステラなど、加工されたさまざまな葉(ドライリーフ)を使って創ることができます。

作業工程だけを聞くと簡単にできそうですが、これがなかなか奥深くて面白いんです。

人によって本当にいろいろな色や形になりますし、創っていく過程においても、作り手の心の状態が作品に投影されるなど、単に部屋に飾るDIYインテリアとは違った面白さがあると思います。

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ガーデニング同様「無心になれる」時間が心を整える

蓮の葉アート 中村美枝子さん

出来上がった作品と同じぐらい、創っている時間も蓮の葉アートの魅力です。何色も何色も色を重ね、自分が「これだ!」と思わない限り終わりはありませんし、その間は余計なことを考えず無心になることができ、心がすっきりとします。

今はたくさんの情報があふれかえり、頭の中も常に考え事でいっぱい。何かに没頭して無心になれる時間というのは、意識しないと得られなくなっています。

ヨガやマインドフルネス、リトリートなどが多くの人に求められるのも、疲れた心と体を休めたい、無心になりたい、自然に触れて、自分の心の在りようを見つめ直したいという願望の表れではないでしょうか。

 

蓮の葉アート

蓮の葉脈だけを残して切り抜き浮きたたせたり、金粉でグラデーションをつけたり、心に浮かぶイメージをさまざまな工夫で表現していく

そうした意味では、ガーデニングも同じかもしれないですね。土を触り、植物と向き合っている間は集中できますし、終わったあとは心が軽くなるように感じます。

今の時代、そうした分断されないひとまとまりの時間をもつのは、とても大切なことだと感じます。

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出来上がった作品は心のバロメーター?

蓮の葉アート

日本はまだまだアートの敷居が高いので、蓮の葉アートをもっと身近に暮らしに取り入れていただきたいとワークショップも開催しています。

「絵心がないから…」と最初は不安気な方も、やり始めると「楽しい!またやりたい!」「久しぶりに集中できてスッキリした」と喜んでいただけて、私もうれしくなりますね。

面白いのは「この作品と同じように創りたい」と写真を持ってこられても、いざ自分で創りはじめると全く違う色になっていく方が多いこと。ご自分でも「あれ?なんでこの色を選んでしまったんだろう」と不思議がられますが、おそらく心の状態が色に投影されるのだと思います。

 

蓮の葉アート

葉の切り取り方ひとつとっても、人によってさまざま。キャンバスのエッジ部分の葉をスパッと切り落とす人は決断が早く迷いが少ない人が多い気がしますし、反対にエッジを葉でくるむように丸める方は慎重な性格だったり、もしかすると心に決めかねていることがあるのかもしれません。

作品を見ながらそんな事を話しあって、心のバロメーターにできるのも蓮の葉アートの魅力ですし、本物の葉を使うからこそ、真剣に向き合って色をのせていくことに没頭できるのだと思います。

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今後の目標について

蓮の葉アート 中村美枝子さん

ルームスタイリストとしてこれまで、「空間を整えること」「心を整えること」をお伝えしてきました。その中で出会った蓮の葉アートは、お部屋を整理するのと同じように、心を整理するのにとても役立ちます。

特に女性はライフステージが大きく変わることが多いので、自分の軸を見失わないように蓮の葉アートを通じて今の自分の心の現在地を知り、生きる指針を見つけるひとつの手段としてお役に立てればと思います。

子どもの頃から植物が好きで、今も植物に囲まれた暮らしをしていますが、蓮の葉アートと出会ったおかげで、また違った植物との付き合い方を知ることができました。今後は、日本発祥の植物の楽しみ方として、海外に向けても蓮の葉アートを発信していきたいですね。

 

▼中村美枝子さん 2024年春の展示予定

cocokara japanART2024 共鳴 Resonance vol.2
5月3日~6日:うだつみの町/徳島市指定重要文化財吉田家住宅 藍商佐直にて・各方面で活躍する女流作家達によるグループ展出展。

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