森の中に佇む一軒家のような鵠沼海岸の花屋『草原舎』。
渡邊ありさ
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神奈川県、鵠沼。潮の香りが心地良い街の一角に佇む花屋『草原舎』を訊ね、店主の堀園さんにお話を伺いました。
『草原舎』の成り立ち
原点は道に芽吹く草花。そして自然豊かな森。
2016年4月にオープンしたばかりの『草原舎(そうげんしゃ)』は、基本的には店主の堀園さんがひとりで切り盛りをしています。
幼少期より植物が好きで、学生時代は森林について学んだという堀園さん。木々が重なり合うような森の雰囲気が好きで森林について学び始めたところ、次第にひとつひとつの植物の個性とその魅力に惹かれていったと言います。そうして学生時代から花屋でアルバイトをはじめます。
その後は様々な花屋に勤め、庭づくりやウエディングなど約10年ほど勉強をしながら、その傍らで個性的な植物をマニアのように買い集めるようになります。心を動かすような植物をお客様に提供したいという想いが『草原舎』のはじまりです。
一軒家を改装した店舗
一軒家を改装してつくられた『草原舎』。窓から入る風に植物たちがそよぐ姿や、遠くから聞こえる鳥のさえずりに癒されます。「お客様にゆっくりと長居していただけるような空間にしたい」という堀園さんの想いが詰まった、どこか懐かしい空間です。
植物と古道具に囲まれた空間
店内には、植物とともに数多くの古道具が並びます。堀園さんが骨董市等で仕入れてくるもので、その多くが1点もの。植物と共に古道具を取り扱う理由については「半分趣味のところはあるんですけど(笑)。枯れたような雰囲気をもっている古道具と組み合わせることで、植物の生きている表情が見えやすくなると感じていました。
そして、古道具がある空間では時間が止まっているような感覚があって、そんな空間では改めて純粋な目線で植物を見られる気がして。あくまで植物の引き立て役ではあるけど、時間をかけて集めてきました。」と、教えてくれました。
堀園さんによって集められた植物と古道具たちが陳列される店内は、お客様からは博物館や実験室のようだと言われることも。
自称‟マニア”という堀園さんが仕入れてくる植物は、やはりとても個性的。
『草原舎』のしごと
『草原舎』では切り花はもちろん、ドライフラワーや、苗、鉢物など、様々な植物を取り扱っています。庭づくりや、ウエディングなど、植物を使ってデザインする幅広い仕事を請け負っています。
取材をさせていただいたこの日も、近所の方がお店を訪れ、自宅から持ってきた植物の植え替えを依頼する場面も。そうして来店されたお客様に対して堀園さんは、植物の管理の方法なども丁寧に伝えています。どうやら『草原舎』は、この街の‟植物相談室”でもあるようです。
『草原舎』の花
仕入れのこだわり
『草原舎』に仕入れる花のこだわりについては「和洋問わず基本的には自然な感じで、花の咲き方や色が個性的なものを選んでいます。あまり強い色は入れてないですね。」と教えてくれました。
神奈川や東京の市場を中心に、山野草などは直接産地へ足を運び、仕入れているとのこと。
‟生きてる植物”をイメージした花をつくる
堀園さんがつくる花は、まさにひとつの森のよう。草花がたった今摘んだばかりのように生き生きとし、また見る角度によって世界が変わるような美しいブーケやアレンジメントが魅力です。
そのインスピレーションについて堀園さんに尋ねると、「ひとつひとつ植物の個性を大事にして、湧いてくるような、‟生きてる植物”をイメージしています。インスピレーションは、どうですかね・・・。例えば、野原を見て、高さのある花があって、低いものがあって。それがキレイだなと思ったら勝手に頭の中に入ってきますし、そういうところから少しずつ拾ってきているのかもしれませんね。」と、教えてくれました。
さいごに
オープンから1年を経て、これからの先の『草原舎』のイメージについて訊ねると「そうですね、この『草原舎』を続けていくことですね。この雰囲気のまま、それを何かもう一つ超えるようなことが出来たらいいですね。」と教えてくれました。
とても心地が良く、ついつい長居したくなる空間が広がる不思議な花屋『草原舎』。個性豊かな植物や古道具との出会いを楽しみに、是非訪れてみてください。きっと素敵な出会いが待っています。
『草原舎』ショップ詳細はこちらから↓
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