病害虫を防ぐ!ニームオイルの使い方と効果とは。
LOVEGREEN編集部
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家庭菜園をしている方なら、一度は「ニーム」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。木酢液と並んで、薬剤以外で病害虫を防ぐことができる忌避剤として有名です。
しかし、改めて「ニーム」って何?と聞かれると、答えることが意外に難しいかもしれません。そんな、植物から優しく病害虫を防いでくれる「ニーム」についてご紹介します。
目次
ニームとは
ニームは、主にインドなどで古くから自生している樹木です。
インドの医学として有名な自然療法「アーユルヴェーダ」の重要なハーブとしても、古くから親しまれています。
現在ニームは、インドだけでなく欧米でも、石鹸、歯磨き粉、シャンプー、スキンクリームなど身近な素材として使用されています。
農業においてニームが注目されるきっかけとなったのは、アフリカでイナゴの大群が来襲した際、様々な作物が被害を受けた中で、ニームの木は青々としたまま残っていたことから、欧米でも研究が始まったそうです。
ニームの使い方
それでは、実際にガーデニング・家庭菜園でニームを使ってみましょう。
ニームは各メーカーによって希釈する倍率が異なるようですが、おおよその希釈の倍率は500倍前後。スプレーボトルに水を入れ希釈して、作物に直接吹きかけます。
葉の裏にハダニが発生してないか、新芽の先にアブラムシはいないかよく確認しながら、スプレーしていきましょう。特にハダニは乾燥すると発生しやすいので、水分を与えることでかなり防ぐことができます。
日頃からニームの希釈液を吹きかけることで、病害虫を防ぐだけでなく、葉に栄養も与えることができます。スプレー後、希釈液が余ったら土にそのまま与えても肥料代わりとなりますが、くれぐれも原液をかけないように注意しましょう。
ニームの効果
害虫に対しての効果
・昆虫の幼虫の脱皮や羽化を妨げる。
・害虫の食欲減退させる。
つまり、害虫がニームオイルの付着した葉を食べると、食欲がなくなり、その結果成長がとまり、餓死していく過程をたどります。
人間や動物にも同じような影響があるのか、少し心配になりますね。
しかし、ニームはトンボなどの肉食性昆虫やミミズなどの土中有益動物、カエル・鳥・人間などの脊椎動物に対して毒性を示さない、とてもミラクルな植物なのです。
ニームの木・種子(実)・花・葉
木
ニームの木は高さ15~20mにも達する常緑高木で、寿命は 200 年以上ともいわれるほど、生命力の高い樹木でマホガニーにも似た香りを放ちます。
抗菌性にも優れているため、ニームの小枝を歯ブラシの代わりに、嚙みながら使用できるようです。
種子(実)
インドでは5~8月にかけて実を付け、オリーブのような丸形の緑もしくは黄色の果実が、ニームオイルの原料となります。この種子(実)に含まれるアザジラクチンという物質が、ニームの害虫忌避の重要な成分といわれています。
花
インドでは1~4月に花が咲きます。花は白色でジャスミンに似た香りがし、健康茶として飲まれています。
葉
乾燥させた葉をタンスなどに入れると、ニームオイルのように害虫を忌避する効果があります。
お風呂にいれると美肌効果があり、肌の弱い人にもお使いになれる入浴剤として使用できます。
また、アウトドアなどで、バーベキューの炭と一緒に燃やすと、蚊などの害虫を寄せ付けないようにする効果も期待できるようです。
気を付けること
ニームの別名は「インドセンダン」といいセンダン科に属します。
これに似た名前で「センダン」という樹木がありますが、ニームと同じセンダン科に属します。
この「センダン」の果実は、人、犬、家畜などが食べると中毒を起こした例もあることから、特に小さなお子さんには注意が必要です。
センダンはニームと同じ効能はないので、使用される際は間違いのないようにしましょう。
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