カミキリムシの種類・生態、駆除・防除について
小野寺葉月
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カミキリムシはフォルムが格好良い甲虫で、種類も多いためコレクターもいる昆虫ですが、庭木を育てている立場からすると見かけたらドキっとする存在ですよね。カミキリムシについて生態や駆除・防除についてまとめました。
目次
カミキリムシってどんな虫? 幼虫はどこにいる?
カミキリムシはコウチュウ目・カミキリムシ科の甲虫の総称です。木に穴をあけるため、テッポウムシ(鉄砲虫)と呼ばれることもあります。ほとんどの種類が草食で、木の幹に穴をあけて中に卵を産み付けます。そのためカミキリムシに食害されてしまった木は弱ります。木の幹に穴が開いていて、木くずのような虫糞が穴の周りに溜まっているような場合には中にカミキリムシの幼虫がいる場合があります。
カミキリムシの生態は?
ゴマダラカミキリ。白い斑点があります。触角はシマシマです。脚や触覚の一部分が青みがかっていて美しい。
ベニホシカミキリムシ。赤い体が森の中で目立っていました。
カミキリムシは幹の中に卵を産み付けます。卵から孵った幼虫は幹の中で成長し、蛹になります。蛹から羽化して、大きな脱出穴を経て出てきます。羽化する時期は5月から6月で、産卵時期は6月から10月の間です。成虫が産卵する時期は大体200粒!ほどです。卵が産み付けられてから孵化するまでは約7日。幼虫のまま越冬して、蛹になってから20日から30日ほど経過すると、成虫に羽化します。
カミキリムシの被害は? いつ発生するの?
カミキリムシの被害が多い植物
カミキリムシが食害するのは柑橘類、ヤナギ類、イチジク・ナシなどの果樹、モミジ、クリ、シイなど様々な樹木につきます。カミキリムシの種類によって変わってきます。
カミキリムシの被害が多い部位
カミキリムシが食害する部位は根、幹、枝、葉など。例えばキク、ヨモギなどに取り付くキクスイカミキリなどは、キクの茎をかみちぎって卵を産み付けます。幼虫の時にキクの茎のズイを食害し、根の部分で越冬します。キクスイカミキリがついてしまうと菊の上部は枯れてしまいます。
カミキリムシの発生する時期
カミキリムシの成虫が活動する時期は5月から6月です。幼虫が活動する時期は産6月から10月です。冬の間は木の幹の中で幼虫のまま越冬します。
カミキリムシの駆除・防除について
カミキリムシが卵を産み付ける場所
カミキリムシは地上から50cmぐらいの高さまでに穴をあけやすいので、木の根元に近い場所の幹などに穴が開いているのを見つけたら、穴の周りに木屑のような虫糞があるか確認します。もしある場合、穴の中にカミキリムシの幼虫がいる可能性が高いです。
カミキリムシを見つけやすくするための工夫
下草をこまめに刈っておくと見つけやすくなります。地際の確認しずらい場所は手鏡などで確認できるようにすると良いでしょう。
カミキリムシの駆除方法
穴の中にカミキリムシの幼虫がいる場合は、専用ノズルの付いた殺虫剤を使用するか、ちょっと手荒な方法ですが針金を穴から差し込んで突き刺して補殺しましょう。庭木で成虫のカミキリムシを見かけたら、卵を産み付けられないようになるべく補殺します。また、カミキリムシの成虫がいる場合、近くの庭木に卵を産み付けている可能性が高いため、庭木の状態をよく観察しましょう。
カミキリムシの防除方法
成虫を見かけたらすぐに補殺することが卵を産み付けられないための防除になります。プランターなどの場合防除ネットをかけて置くことも効果があります。また、弱った木や枝に取り付きやすいので、日ごろから樹勢を強くするように肥料などを適期あげましょう。弱っている枝や枯れかけている枝などを見かけたら、差支えがなければ剪定しておきましょう。
カミキリムシについてまとめ
・成虫を見たら補殺する。また周辺に成虫があけた穴がないか観察する。
・穴があり、穴の周りに木屑のような虫糞がある場合、幹の中に幼虫がいる可能性が高い。
・幼虫がいそうな穴を見つけたら専用ノズルのある殺虫剤で補殺する。
・日ごろから庭木の樹勢を強くしておく。
庭木を元気にしておくと、駆除する虫の数が少なくて済みます。もし卵が産み付けられた場合でも、樹勢が強いと中で育たないことがあります。なるべく補殺しないですむように日ごろから庭木の様子をよく見ておきましょう。
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